そう語るのは、『人生のルール』をはじめとする「Ruleシリーズ」が50もの言語に翻訳され、世界的ベストセラーとなっているリチャード・テンプラー氏。今回は新版として刊行された『上手な愛し方 The Rules of Love』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から、自分にとって最高のパートナーを見つける方法をご紹介します。
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世界50言語に翻訳されたベストセラー
愛のルールというと90年代の『ルールズ』のような、“意中の男性を射止める極意”的なものを想像しますが、2016年に英国で刊行された本書はかなり趣きが異なります。
恋人はもちろん、家族や友情、別れのためのルールもあり、最後を飾る117番目のルールは「別れたあとも人生は続く」。世界50言語に翻訳されたというのもうなずける、年齢や性別を超えた普遍的な愛がテーマです。
最高のパートナーはどんな人?
愛は一生の大問題であり、愛に関してほとんどの人はとても苦労しているというテンプラー氏。“人を観察すること”の達人である著者は、あらゆる種類の人を観察し研究したなかで、少数ながら愛に関して「きわめて有能な人」が存在することに気づきました。
人を上手に愛することのできる人たちは、どんなふうに愛する人と出会い、愛を確かめ、新鮮さを保ち続けているのでしょうか。ルール5で説かれるのは、「相手を選ぶもっとも重要な基準とは何か」という難問です。
ルックス、収入、地位……これらは時間とともに失われるもの。自信がある、穏やかでやさしいといった個性や性格も永遠のものではなく、人生で経験するさまざまなショックで変わる可能性があるといいます。
「笑顔にしてくれる相手」を選ぶべき理由
そこで著者が提案するのが、「笑顔にしてくれる相手」というシンプルな基準です。
すべてが消え失せたとしても、ひとつだけ残るものがある。それは、ユーモアのセンスだ。ほかのだれよりも、あなたを笑顔にしてくれる人を見つけたら、すぐに結婚しなさい。これこそ、わたしからのアドバイスだ。実際、それ以上に大切なことがあるだろうか?
(『上手な愛し方[新版]The Rules of Love』26ページより引用)
ただし、単純な意味で“笑わせてくれる”だけでは、満点とはいえないと著者はいいます。パートナーとして最高なのは、「あなたがあなた自身のことを笑えるようにしてくれる相手」です。
著者にそう思わせたのは、数年前に妻に先立たれた友人。ひとりになってからは、なにもかもまじめに考えすぎて、以前は笑ってすませられたこともくよくよ悩んでしまう──今までは自分がハッピーな気分になれるように、妻が仕向けてくれていたことに気づいたと話してくれたのだとか。
相手がいれば、ダメな自分も失敗した自分も受け入れられる。そんなパートナーを見つけたら「もう人生は順調だ。それは、ぜったいにまちがいない」と、著者は強い言葉で伝えています。
不運が続くときにやってはいけないこと
本書の第5章では、パートナーや家族といった垣根を越えた、「すべての愛」のためのルールも5つ記されています。107番目のルールは「自分の外側の世界に目を向ける」。一度このルールを身につければ、人生は楽しく充実したものになり、大きく道を外れることはないと著者は語ります。
苦しいとき、自分のことばかり考えてしまう気持ちはよくわかる。しかしいまのわたしは、それで得るものはないとわかっている。特に、ものごとが悪くなりはじめたら、自分の内側を見つめることをやめなければいけない。
考えるべきは、周囲の人々のために、自分の愛を最大限に活用する方法だ。そうすれば、自分は役に立ち、価値ある存在だと感じられる。その感覚は、今後なにを経験するにしても、あなたの助けとなり、外側の世界へとあなたを連れ出してくれる。
(『上手な愛し方[新版]The Rules of Love』239ページより引用)
悪いことが続くと、ことさらに自分を責めたり、過去の失敗まで思い出して落ち込んだりして、心の闇がどんどん深くなっていくときがあります。
そんなときは「内側」ではなく「外側」に視点を移すというのは、コロナ禍にある今、とても腑に落ちるアドバイス。これから折にふれて思い出すことになりそうです。
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