食欲ホルモンと睡眠の怖い関係
睡眠不足が続くと、いつもよりも食べる量が増えたり、ジャンクフードに手を出したりしてしまう──。この現象には仕事の疲れやストレスだけでなく、ホルモンの乱れが関係しています。
管理栄養士の森本さんによると、2日にわたって4時間睡眠が続いただけでも、食欲をコントロールするホルモンの分泌が乱れてしまうことがわかっているとのこと。
睡眠不足の影響で、食欲を増やすホルモン・グレリンの分泌が増えます。そして、食欲を抑えるホルモンであるレプチンの分泌が減ってしまうのです。その結果、食欲をコントロールしにくくなり、食事量が増えてしまうと考えられています。
(「Diet Plus」より引用)
夜更かしが続くとお菓子の誘惑に抗えなくなるのは、ホルモンの仕業だったとは。ただでさえ太りやすいといわれる深夜の食事。これでは、ダイエットがさらに難しくなってしまいそうです。
「寝つけない」と思ったら朝の過ごし方を見直そう
夜食を食べたり、逆に食事を抜いたりする食事リズムの乱れは、睡眠をコントロールしている体内時計の乱れにもつながります。
いったん体内時計が乱れると、ベッドに入っても眠れない、寝つけないといった悪循環が起きがち。再び体内時計を整えるためには、朝の過ごし方がポイントになってくるようです。
森本さんによると、朝の時間にすべきことは、早く起きて太陽光を浴びること。朝の日の光には、とても重要な役割があるからです。
日光を浴びると体内時計がリセットされ、夜の眠気につながります。1日は24時間ですが、私たちの生体リズムを刻む時計遺伝子は24時間より長いので、体内時計が遅れていかないようにコントロールすることが必要になります。起床後に日光を浴びて体内時計をリセットして、体内時計が遅れていかないようにすることも大切です。
(「Diet Plus」より引用)
そのうえで、朝食を食べてエネルギー補給をすることも大切とのこと。できれば主食(ごはん、パン、麺類)と主菜(肉、魚、卵、大豆製品)をきちんと摂ると、体内時計のリセット効果が高くなるといいます。
夕方以降はカフェインや夜食に要注意
体内時計を整えるためには、夕方以降の過ごし方も見直さなくてはなりません。
まず心がけたいのは、コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどのカフェインを控えること。カフェインには覚醒作用があり、睡眠の質に影響してしまうからです。
そして夜食や寝酒も、睡眠の妨げになる要素だと森本さん。消化やアルコールの分解のために内臓が活発に働き出すと、寝つきはますます悪くなってしまいます。
森本さんが指摘するように、睡眠は、まさに「やせるための土台」。体内時計を整えて、食欲を無理なくコントロールできるようになれば、ダイエットもぐっとラクになりそうです。
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森本芙好(もりもと・ふみ)さん
管理栄養士。体調不調をきっかけに栄養学を学ぶ。ダイエットの失敗を乗り越えた経緯から『なりたい自分』を目指す方の役に立ちたいと思い、現在は特定保健指導、コラム執筆に携わる。
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