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熱中症にならないために! リスク高まるコロナ禍ならではの9つの対策

2020/08/07 18:00 投稿

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自分の体をきちんと知ろう! がテーマの連載「カラダ戦略術」。前回は「更年期の冷え、むくみ」について、お届けしました。今回は、「コロナ禍の熱中症対策」について、女性医療ジャーナリストの増田美加がお伝えします。

新型コロナ禍での熱中症予防とは?

今年の夏は、新型コロナウイルス対策でマスクの着用が大切になっています。そのため、例年以上に熱中症予防にも気をつけなければなりませんね。

熱中症は、暑さで体温の調整機能がうまく働かなくなって生じる体調不良の総称です。症状は、めまいや吐き気、重症になると、意識がなくなったり、けいれんが起きたりして、命にかかわることもあります。

高温でかつ多湿な環境に長くいることで、多くは気づかないうちに、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態が熱中症です。

屋外だけでなく、室内でも発症します。救急搬送されたり、場合によっては死亡したりすることもあると言われる注意すべき症状です。

熱中症について、正しい知識を身につけ、自身の体調の変化に気をつけるとともに、周囲に子どもや高齢者、障がい者がいる場合は、気を配ることが大切。

新型コロナ禍での熱中症の予防策を日本救急医学会、日本感染症学会、日本臨床救急医学会、日本呼吸器学会の4学会が提案しています。頻回に換気すること、高齢者の孤立を回避することを、とくに注意喚起しています

新型コロナを想定したいわゆる“新しい生活様式”を進めていくうえでの熱中症リスクについては、科学的知見が十分に積み重ねられているわけではありません。現状で、発表されている点、とくに心がけたい予防対策についてピックアップしました。

コロナ禍で熱中症を予防するには

ただでさえ暑いのに、コロナ禍特有の環境が熱中症リスクに追い打ちをかけています。対策法は?

1. ソーシャルディスタンスを意識して

夏、気温と湿度が高い中でマスクを着用していると、熱中症のリスクが高くなる恐れがあります。屋外で、周囲の人と十分な距離(少なくとも2メートル以上)が確保できる場合には、熱中症のリスクを考えて、マスクをはずす時間をもちましょう

仕事場などで、室内でつねに周囲に人がいる場所は、1時間に1回程度、人のいない所に移動してマスクを外し、深呼吸や水分補給をしましょう。

2. マスク着用による弊害を考慮

マスクをすることで、マスク内の湿度が上昇するため、口腔内が渇いているのに、感じにくく、水分不足に気づきにくいことがあります。また、マスクをすると、体に熱がこもりやすくなります。マスクを着用している場合は、負荷の強い作業や運動は避けて、のどが渇いていなくてもこまめに水分を摂るように心がけます

3. 運動不足、汗をかかないこともリスクに

新型コロナによる外出自粛も、熱中症リスクを高めるひとつの要因と言われています。運動不足で汗をかく機会が少ないと、暑くなってもうまく汗をかけず、体温調整ができなくなる恐れがあります。ぜひ、軽い運動や入浴などで発汗するように日ごろから心がけましょう。汗をかく習慣をつけて、酷暑に備えることが大切です。

4. 換気と室温維持を上手におこなう

また、新型コロナを予防するためには、冷房時でも換気扇や窓開放によって、換気を徹底することが大切です。室内温度が高くなりがちですが、熱中症予防のためにエアコンの温度設定をこまめに調整するようにしてください。

日ごろの体温測定や、体調に変化がないか健康をチェックする態度は、新型コロナだけでなく、熱中症予防のうえでも大切です。体調が悪いと感じたときは、無理せずに自宅で休むようにしましょう。

従来の熱中症の予防対策を再確認

コロナ禍以前からいわれている基本的な予防対策も挙げておきましょう。

1. こまめな水分補給を心がける

のどが渇く前に、こまめな水分補給を。一般的に、食事以外に1日当たり 1.2リットルといわれています。激しい運動や重労働の作業を行ったとき、多くの汗をかいたときは、水分だけでなく、塩分も補給しましょう。経口補水液(水に食塩とブドウ糖を溶かしたもの)なども上手に活用してください。

2. 暑さに備えた体づくりが大事

暑くなり始めの時期から、適度な運動をします。やや暑い環境で、ややきついと感じる強度で、毎日 30 分程度を心がけます。体が暑さに慣れるようにすることが有効です。ただし、水分補給を忘れずに。無理のない範囲で。

3. 室内では、適正な温度調整を

扇風機やエアコンを使って温度を調節します。遮光カーテン、すだれ、打ち水なども効果的です。室温は、こまめに確認するようにしましょう。

4. 外出時の注意点

外出時には、涼しい服装を心がけて、日傘や帽子を活用しましょう。少しでも体調に異変を感じたら、涼しい場所に移動して、水分を補給します。急に暑くなった日や、久しぶりに暑い環境で、体を動かす際には、とくに注意が必要です。日陰での休憩も大事です。また暑い日は、日中の外出をできるだけ控えることは予防になります。

5. 体の蓄熱を避ける工夫

通気性がよく、吸湿性、速乾性のある洋服を身につけます。暑いと感じたら、保冷剤、氷、冷たいタオルなどを使って、体を冷やすこともしてください。

予防に役立つ「暑さ指数(WBGT)」とは?

熱中症予防に役立つ、目安のひとつに「暑さ指数(WBGT)」があります。

人の体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい 「1. 湿度、2. 日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、3. 気温」の3つを取り入れた指標です。これを上手に利用します。

単位は「度」ですが、気温とは異なり、25度以上28度未満で「警戒」、28度以上31度未満で「厳重警戒」31度以上は「危険」です。

環境省の公式サイトに、暑さ指数の実況や予測が掲載されていますので、確認してみてください。また地域情報として、暑さ指数を提供している自治体も多くあります。

外出時は天気予報だけでなく、暑さ指数も参考に、暑い日や時間帯を避け、無理のない範囲で活動しましょう。

熱中症のこんな症状に気をつけて

めまい、立ちくらみ、手足のしびれ、筋肉のこむら返り、気分が悪い、頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感など、いつもと違う様子が見られたら要注意です。自力で水が飲めない、意識が遠のくといった場合は、すぐに救急車を呼びましょう!

そして、もし熱中症が疑われる人を見かけたら、涼しいところへ移動させます。エアコンが効いている室内や風通しのよい日陰などです。そのときに、衣服をゆるめる、体を冷やす(とくに首回り、脇の下、足のつけ根など)ことが大事です。

話しかけても返事がおかしい、意識が消失する、けいれんが起こる、体が熱い、などであれば重症です。こうなったらすぐに救急車を!

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増田美加・女性医療ジャーナリスト
予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。公式ホームページ

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