つまみにくい腹肉は「内臓脂肪」
まずは自分のおなかまわりの脂肪を、指でつまんでみてください。簡単につまめるなら、その脂肪は「皮下脂肪」。つまみにくいなら、その脂肪は「内臓脂肪」かもしれません。
内臓脂肪が指でつまめないのは、その名の通り内臓が入っている腹腔の内部につく脂肪だから。男性に多い「リンゴ型肥満」はおもに内臓脂肪によるものですが、一見やせているのに内臓脂肪の量が多い「隠れ肥満」タイプもいるといいます。
藤井さんによると、内臓脂肪が多くなると次のようなリスクがあるとのこと。
血中コレステロールや中性脂肪の増加、インスリンが効きにくくなり血糖値が下がりにくくなる、血圧上昇などにつながり、生活習慣病のリスクを高める原因となります。
(「Diet Plus」より引用)
ダイエットはもちろん、健康維持のためにも内臓脂肪は減らしておきたいところ。おなかがポッコリしているのに指でつまみにくいときは、要チェックです。
内臓脂肪を減らす食生活のポイント3つ
内臓脂肪を減らすためには、食生活の改善がもっとも重要。藤井さんがポイントを3つ教えてくれました。
ひとつめは、「主食・主菜・副菜の3点セットを揃える」こと。主食(炭水化物)・主菜(タンパク質)・副菜(ビタミンミネラル)をバランスよく摂ることで、体に必要な栄養素が行き渡り、代謝がアップすることで内臓脂肪が減りやすくなるのだそう。
ふたつめは、「適量を意識する」こと。目分量ではなく、自分の手を「手ばかり」として活用し、正しく適量をチェックしてほしいといいます。
炭水化物の適量は軽く握ったこぶし1個分の量、たんぱく質の適量は指を含まない手の平1枚分の量、副菜の適量は生ですと両手一杯、加熱してかさが減った状態ですと片手山盛りの量となります。
(「Diet Plus」より引用)
そして3つめは、「お酒は糖質が少ないものをチョイス」すること。糖質が多いお酒は血糖値の急上昇を招き、体脂肪の増加を促すホルモンの分泌量が増えてしまうからです。
ダイエット中でも比較的安心して飲めるお酒は、ハイボールや焼酎、ウイスキーなど糖質が少ない蒸留酒です。
逆に、糖質が多いお酒とはビールや日本酒、カクテル、梅酒などですので、こちらは控えめにするとよいですね。
(「Diet Plus」より引用)
短期的に食事やお酒の量を減らすよりも、バランスの取れた食事やお酒の飲み方を習慣にするほうが、「内臓脂肪」対策としては効果的。ダイエットだけでなく、健康のためにも意識していきたいですね。
簡単につまめる腹肉は「皮下脂肪」
それでは、皮下脂肪は内臓脂肪とどう違うのでしょうか。
皮下脂肪は、皮膚と筋肉の間につく脂肪のことで、体表に近い部分に蓄えられるので見た目にも表れやすいという特徴があります。おなかを指でつまんだときにつまめる部分は皮下脂肪です。
(「Diet Plus」より引用)
内臓脂肪は、おもにおなかにつきますが、皮下脂肪は全身につき、とくに下半身 ── 下腹や腰回り、お尻、太ももなどに目立ちやすいと藤井さん。女性に多い「洋ナシ形肥満」は、おもに皮下脂肪が原因です。
皮下脂肪は「食事改善」だけでは落ちにくい
皮下脂肪を減らすためには、内臓脂肪と同じように食生活の改善が大切。しかし、それだけでは落ちにくいと藤井さんは指摘します。
内臓脂肪と比べて皮下脂肪は落ちにくいという特徴があるので、食生活改善に加えて運動も取り入れることでよりダイエット効率がアップします。ジムでのトレーニングやウォーキングなどを行うのももちろんよいのですが、時間がない方には「ながら運動」もオススメです。
(「Diet Plus」より引用)
階段をつま先立ちで上がったり、歯みがきしながらスクワットをしたり、とにかく小まめに「ながら運動」をするのがコツ。健康的で美しいボディラインのために、まずは今日からひとつ「ながら運動」をプラスしてみませんか。
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藤井歩(ふじい・あゆみ)さん
管理栄養士。大学卒業後、給食委託会社・健康関連企業での勤務を経て、現在はフリーランスの管理栄養士としてオンラインでの栄養指導業務、特定保健指導、コラム執筆など栄養関係のさまざまな業務に携わっている。