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ダイエットの成功は「メンタル」で決まる
著者の鰐渕将市さんは、これまで3,000人以上の女優、俳優を指導してきた演技指導師。演技メソッド「演技力を引き出す28の法則」を独自に開発し、演出や出演などの仕事を通じて、映画「永遠の0」、テレビドラマ「あなたの番です」「おっさんずラブ」など、さまざまな作品に関わってきました。
鰐渕さんいわく、「ダイエットとはつまり『やせメンタル』と『でぶメンタル』が繰り広げる闘い」。ふたつのメンタルは誰もが心の中に持っているもので、それは女優も例外ではありません。
では、なぜ女優は太らないのか。それは、彼女たちが「やせメンタル」を日常化しているから。私たちがダイエットとして認識していることを、彼女たちは毎日の習慣として落とし込み、暮らしのなかで自然にコントロールしているのです。
こう聞くと、「それは女優が特別な存在だから」 ── と、つい思ってしまうかもしれません。しかしそうではない、と鰐渕さん。演技メソッドを活用して「やせメンタル」の持ち主になりきれば、誰もが我慢不要でダイエットできて、心まで元気になれるといいます。
「体スイッチ」をオンにしてボディラインを引き締める
鰐渕さんが提案するのは、演技スキルをダイエットに応用し、「やせメンタル」を獲得するという一風変わったダイエット術です。基本となるのは、憧れの姿をイメージし、それを具現化する「なりきる」メソッド。所作ひとつをとっても、体のそれぞれの部位を意識して動かすことで、美しい動きやボディラインが手に入るといいます。
そのために僕は、「体スイッチ」というメソッドを演技指導で重視しています。「体スイッチ」のやり方は、とても簡単で、動かしたい筋肉をさわるだけ。試しに、その場で椅子に座ったまま、両手をヒップに当ててみてください。そして、そのまま立ち上がってみます。すると、ほとんど意識することのなかったヒップの大臀筋が躍動するのを実感できるはず。
(『きれいな女優がやっている やせメンタルのつくりかた』28ページより引用)
手でさわることで「体スイッチ」をオンにすると、狙った筋肉の動きを意識できるようになります。すると筋肉が活性化して引き締まるため、所作を美しく見せるだけでなく、ダイエット効果も見込めると鰐渕さん。
腹筋運動をするときは手でおなかをさわってみる、椅子に座ったときは腰をさわって骨盤を立て、背筋を伸ばしてみる……などなど、全身のあらゆる部位に応用できるテクニックです。
第一印象が見違える「背筋ウォーク」
映画や舞台のオーディションでは、「扉を開けたその瞬間に合否が決まる」と鰐渕さん。準備を重ねてきた人は自信に満ちあふれ、その自信がふとした動きにも華を感じさせる。その輝きが、一瞬で人の目を奪うのです。
女優に欠かせない「華」を備えるためには、自信のある自分になりきることが第一歩。とくに重要なポイントとなる「背筋」の表現力を鍛えるために、鰐渕さんは「背筋ウォーク」というメソッドをレッスンに取り入れています。
まずはイメージを固めましょう。ランウェイを颯爽と歩くトップモデルを頭に思い浮かべてみてください。(中略)背筋をピンと伸ばし、大きく胸を張り、視線は堂々と前へ。一つひとつ意識することが大切です。背筋を伸ばすときは、背中をさわって「体スイッチ」をオンにして。するとおもしろいもので、動作の一つひとつが自然と変化します。
(『きれいな女優がやっている やせメンタルのつくりかた』33ページより引用)
モデルのように腰を上げて歩くことで、脚の可動域が広がり、筋肉の運動量がアップ。視線を前に向けることで顔には光がたくさん当たり、より若々しく見えるのだそう。実際にレッスン生にこの方法をレクチャーすると、誰もが初日から見違えるほど変化すると鰐渕さんは語ります。
鰐渕さんが教える「やせメンタル」とは、恥ずかしがらずに自分の魅力に光を当て、自分を好きになることから始める心のトレーニングでもあります。
ストイックにがんばることに疲れたら、一足先に「理想の自分」になりきって、心の変化を楽しんでみる。そんな発想の転換ができれば、ダイエットがもっとワクワクする実験になるのかもしれません。
ダイエット、あきらめてませんか?
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