自分の顔や肌色に似合う色はどうすればわかるのか、「好きな色」と「似合う色」は違うのか……、などのトピックスについて、ヘア&メイクアップアーティストの村上綾さんに伺いました。
まずは自分の持っている素材を分析してみる
メイクで使う色によって、なんだか明るい表情に見える、肌に透明感が出る、少しくすんで見えてしまうなど、その人印象は大きく変わります。
かといって、自分が素敵に見えるカラーを探すのは簡単ではありません。何か糸口はあるのでしょうか。
村上さん :
たとえば、肌色をベースにしたパーソナルカラー診断を受けることもひとつの方法だと思います。
自分の属性を客観的に指南してもらえると、色選びのときの目安になりやすいですよね。
もう少しライトに捉えるならば、自分の眼球の色を見て自己診断してみましょう。
まず白目を見ます。アイボリーっぽい白か、青みがかった白か。前者ならイエロートーンを基調にしたカラー、後者ならブルートーンを基調にしたカラーが似合いやすいものです。
いわゆるイエローベース、ブルーベースに近い考え方。前者はブラウンやオレンジ、イエロー、ゴールド、カーキ、ピーチなど、後者はブラック、ブルー、パープル、バーガンディ、ピンクなどが該当します。
村上さん :
また、黒目もあわせて見てみましょう。
やはりブルー、ブラック、グレーっぽいか、ブラウン、ヘーゼル、アンバーっぽいかはひとつのヒントになると思います。
あるいは、歯の色や、手首から透けて見える血管の色なども参考になりますよ。
色だけでなく、パーツの持つカラーを分析することで、より似合いやすい色が探せるかもしれません。
似合うカラーを知るには、○○あるのみ!
「似合う色を知るにはとにかく試してみること」と村上さん。一口にオレンジといっても、発色やパール感、赤っぽいか黄色っぽいか茶色っぽいか……などでまったく印象は異なります。
「私はブルベだから、オレンジは好きなんだけど似合わない!」などと決めつけてしまうのももったいないのだとか。
村上さん :
好きなカラーと似合うカラーが一致するとは限らない、これは事実だと思います。
ただ自分の好きなイメージのなかで似合うものを探す努力というのは、してみて損はないはず。そのためには実践あるのみです。
おすすめなのは、気になる色はとにかく試してみる。
いきなり購入するのではなく、できれば1日くらいはテストした状態で過ごしてみる。
つけた瞬間はどうしても違和感を抱きやすいものですが、時間が経つと慣れてきて、しっくりと来てるかが判断しやすくなります。
また、購入したあとに使ってみて「いまいちかも?」と思ったカラーでも、いつも使っているカラーとブレンドしたり、組み合わせてみたりすると、意外としっくりくることも。カラーの合わせ技もぜひ試してみて。
メイクはクレンジングすれば落ちてしまうもの。難しく捉えず、気になるものはどんどん試してみると、いろいろなことがわかってくるはずです。
プロや友人の意見も参考にしてみて
カラーを試してみるときは、美容部員さんに意見を聞いてみるのも手。
何か商品を売り付けられるのでは?とか、圧倒されて自分の意見が言えないのでは?などと考えてしまい、ついセルフ販売のお店を選んでしまう……なんて方もいるのでは?
でも、本来は何も買わなくても問題はないですし、美容部員さんもコミュニケーションの糸口を探しているはずです。臆することなく質問しましょう。
村上さん :
美容部員さんにタッチアップをお願いするときは、されるがままではなく、この色を使ってみたい!と主張したり、口紅などは自分自身で塗らせてもらったりしてみて。
いつもの自分の延長線上にある表情へと持っていくように意識してみるといいですよ。
この色とこの色、どちらが私に似合いますか?など、質問もどんどんしてみるべき。
プロならではの視点でアドバイスがもらえます。
さらに頼りにしたいのが、気のおけない友人の存在。新しいカラーを試した時にはぜひ意見を聞いてみて。
村上さん :
いつもの自分を知っているお友達なら、「今日なんか変」や「いつもと違ってすごくいい」など、気づいてくれやすいもの。
自分での判断には好みなどの主観が入ってしまいますが、距離の近い友人の意見はかなり参考になると思います。
場数を踏んでいろいろと試してみて、人の意見に耳を傾けること。そうして少しずつ自分に似合う色を発見していくのが、無理なく楽しめる方法なのかもしれません。
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村上綾さん
ヘアメイクアップアーティスト。1985年大阪生まれ。株式会社ALBIONに入社後、ヘアメイクアシスタントを経て2010年に独立。現在、雑誌や広告のヘアメイクを中心に幅広く活躍中。かわいさとモードの絶妙なさじ加減に、編集者や女優、モデルたちからのラブコール多数。