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生理が重い9つの原因。病院に行くべきタイミングとは?

2020/04/12 18:00 投稿

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生理が重いのは、けっこうつらい。

生理の出血が多いこと(医学的には月経過多と言います)は、必ずしも心配には及びませんが、場合によっては注意が必要な問題が隠れているという赤信号であることも。

そこで、生理が重くなったときに一般に考えられる原因と、どのタイミングで医師に相談したらよいかについて、産婦人科医が説明します。

重い生理の症状とは?

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生理が重いといってもさまざまです。いつもよりも量が多く、ひんぱんにナプキンやタンポンを替えないといけないことを単に生理が重いと考えている人もいます。

いっぽうで月経過多症は深刻な診断で、かなりの出血を伴うものを指します。メイヨー・クリニックによれば、注意すべき兆候は以下の通りです。

数時間続けて1時間ごとに、ひとつ以上の生理用ナプキンまたはタンポンを交換しなくてはならないくらいの出血がある 出血が漏れないようにするために、生理用品を二重にして使う必要がある 夜、生理用品を交換するために起きる必要がある 1週間以上出血が続く 直径2.5cm以上の血のかたまりが出る 出血が多すぎるために日常生活に支障が出る 疲れやすい、倦怠感、息切れなど、貧血の症状がある

生理が重くなる原因は?

1. 甲状腺の問題

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カリフォルニア州サンタモニカにあるプロビデンス・セントジョンズ・ヘルスセンターの産婦人科医シェリー・ロス医学博士によると、甲状腺機能の亢進あるいは低下のふたつが月経困難症のもっとも一般的な原因だと言います。なぜなら、月経周期をコントロールするのを実際に助けているのが甲状腺だからです。

甲状腺の病気は数か月間生理が止まる原因にもなりますが、生理が重く不規則になることもあるとロス博士は言います。甲状腺の機能が低下すると、卵巣がプロゲステロン(出血量を減らす役割のある黄体ホルモン)を十分に生成しなくなるために生理が重くなりがちなのです。

2. 多嚢胞性卵巣症候群

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ロス博士はまた、多嚢胞性卵巣症候群PCOS)は卵巣の働きに影響を与えると話しています。生理が止まったり、不規則なったりする原因にもなりますが、ホルモンの変化によって出血が増えることもあり、また体重が増えることで悪化することもあります。

エストロゲンの量が過剰になると子宮内膜が厚くなり、プロゲステロンの生成によって脱落することがありません(通常、PCOSの人はプロゲステロンの生成を促す排卵がないのです)。これによって、大量の出血や血のかたまりが増えるといったことが起こる可能性があります。

3. 筋腫

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子宮筋腫は子宮壁にできる筋状の腫瘍で、ほとんどの場合が良性です。ロス博士によれば、特に女性は年をとると筋腫がよく見られるようになるとのこと。家族歴がある、あるいはアフリカ系アメリカ人である場合はリスクが高くなります。

多量の出血に加えて、お腹が張る、腰痛といった症状とともに生理痛を伴うことが多いため、子宮筋腫はいつもより重い生理だと間違われることがよくあります。婦人科の内診で筋腫が発見されることが多いのですが、どの位置に筋腫があるのかを把握するために、医師が超音波やMRIなどの画像診断をすすめることもあるでしょう。

4. 閉経周辺期

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更年期に向けてホルモンが変化すると生理が予測不可能になると話すのは、カリフォルニア州ファウンテンバレーのメモリアルケア・オレンジコースト医療センター産婦人科長G・トーマス・ルイズ医学博士です。

標準的な28日間の周期ではなく、21日から35日の間で変化しても正常とみなされることもあると、ルイズ博士は指摘しています。閉経に向けて体が準備をする際にエストロゲンが変化し、体は子宮に厚い内膜をつくっているのに、それがまだ剥がれ落ちないのかもしれません。この最中に生理が1、2回来ないと、子宮内膜は重力によって剥がれるまで増えつづけることになるのです。

「内膜が厚くなりすぎて剥がれ落ちはじめると、月経の出血が増え、かなりの血のかたまりも見られます。こうした患者の中には、数週間出血する人もいますが、それは貧血のリスクがあるためによいことではありません」(ルイズ博士)

5. 流産や妊娠異常

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流産の兆候には出血と血のかたまりがあるので、最初の3か月間は月経だと思われることがある、とロス博士。

なかには自分が妊娠していたことに気づかなかった女性もいます。ペンシルベニア州立大学ミルトン・S・ハーシー医療センターによると、30%近くの女性が少なくとも一度は流産を経験しており、その原因には染色体異常、自己免疫疾患、感染症、子宮の構造的な問題などの要因が含まれます。

6. 激しい運動

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カウチポテトからトライアスロン選手に突然なろうとすると、体が調整しようとしてホルモンのバランスが乱れることがあるとロス博士は話します。月経が止まってしまうこともありますが、人によっては逆に生理が重くなるということもありえます。

「身体的なストレスが引き起こされると生理に影響を与え、数週間から数か月にわたって生理に変化が起こる可能性があります」と博士は指摘しています。トレーニングを強化しつづけると、生理がますます重くなる場合もあります。

7. 肥満または急激な体重増加

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エストロゲンは体脂肪とも関係があります。極端な体重増加によって体脂肪が増えることがありますが、特にお腹まわりはエストロゲンの大部分が生成される場所です。ロス博士いわく、エストロゲンが増えるにつれて、子宮内膜が厚くなり、一般的に生理が重くなります。肥満の女性は生理の期間が7日よりも長く、血のかたまりが見られる傾向にあります。

「かなり体重を落とすと、この影響が逆転します。体脂肪とエストロゲンの生成が減るので、生理が軽くなるのです」

8. 出血性疾患

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フォン・ヴィレブランド病、血小板機能異常、血小板減少症、凝固因子の欠乏など、出血性疾患として知られる特定の血液凝固障害も重い生理の要因となります。生理の出血が多い女性のうち特に若い女性の場合、最大24%は原因が血液凝固障害かもしれない、と話すのはミシガン大学産婦人科准教授キャロリン・スウェンソン医学博士です。

アメリカ国立血友病財団によれば、出血性疾患のある平均的な女性は、若くて6歳にして最初に長期間の出血を経験しても、23歳になるまで診断が下されていないケースがあります。そのほかの注意すべき血液凝固障害の症状には、ケガをした後の過剰出血、鼻血がなかなか止まらない、尿や便に血が混じっている、あざができやすいなどがあります。

9. まれなケースとして、がん

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明らかに重い生理の際に最初に考えるべき潜在的な原因ではなく、小さな可能性です。多量の出血は、子宮がん、子宮頸がん、子宮内膜がんの最大の初期症状のひとつで、更年期を過ぎて生理が来なくなった女性の場合には特に注意が必要です。

しかし、定期的にやや重い生理があるという人も、こうしたがんを早期発見できるようにするためにも、年に一度の検診を受けることが重要です。

生理が重いことについて、いつ医師に診てもらうべきでしょうか

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ここでも繰り返しますが、「重い」というのは人によって異なります。そう話すのはイリノイ州ノースウェスタンメディシン・セントラル・デュページ病院産婦人科医のルシール・ルッソ医学博士です。たとえば、これまでずっと生理が重く、それについて婦人科に相談をしていた人が、突然いつもより生理がかなり重くなったとしても、それほど心配することはないでしょう。

「いつもわたしが患者に言うのは、重い日用のナプキンやタンポンを数時間の間に1時間ごとに交換しなくてはならないようなら、医師に診てもらうべきだということ」とルッソ博士は言います。「また、生理が10日以上続くなど、重くて長い場合や生理と生理の間に出血が続くようなら、医師の診察を受けるべきです」

またルッソ博士は、ほかに診察を受けたほうがよいふたつの兆候として、2.5cm幅より大きな血のかたまりが複数みられる場合、ナプキンとタンポンを一緒に使う必要があるほど出血が多い場合を挙げています。

ここで述べた隠れた原因がどれも当てはまらなくても、可能な治療法について医者に相談するのはよいことだとルッソ博士は言います。なぜなら、いつまでも生理が重いと貧血になりがちで、健康な赤血球が不足して体の組織に必要な酸素が運ばれなくなり、疲労や脱力感、めまい、運動すると頻脈になるといったことにつながるからです。

結論:一般的に、何かがおかしいときは自分がいちばんよくわかっているはず。念のために確認しておきましょう。

※本記事は、2020年3月27日に『Prevention』の医療監修ボードのメンバーで、産科学および婦人科学の准教授であるキャロライン・スウェンソン医師によって医学的知見から監修されています。

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