この研究では、35~69歳の過体重の成人126人を、カフェイン入りインスタントコーヒーを1日4杯24週間飲むグループ(62人)と、コーヒーに似せた飲料(カフェインなし)を同量・同期間飲むグループ(64人)に分け、調査を行いました。
その結果、カフェイン入りコーヒーを飲んだグループは、もう一方に比べて、24週間後の体脂肪量が3.7%減っていました。研究リーダーは「脂肪の減少は食生活や運動などの、いわゆるライフスタイルが変更された影響によるものではないようです」と話しており、体脂肪量が減ったのは、カフェインが体の代謝プロセスを亢進させて、エネルギー消費が高まったためと考えているとのこと。
コーヒー1日4杯でカフェイン取り過ぎのリスクは?
では、カフェイン入りコーヒーを1日4杯、長期間飲み続けてリスクはないのでしょうか。
実は多くの報告から、コーヒーは米国では1日平均4杯、ヨーロッパでは1日平均7杯ほど飲まれていると見られ、この程度の量は標準的な範囲内で、問題はないと研究チームは考えているとのことです。
一方、「1日4杯のコーヒーという量はかなり多くおすすめできません。カフェイン摂取が多いと食欲が抑制される可能性があります。またカフェインの過剰摂取は全身に影響して、頭痛、イライラ感、心拍数の増加、胃の不調などの原因になります」と語る専門家もいます。
この点については研究リーダーも同じ考えで、「コーヒーを飲み慣れていない人がこれから1日4杯飲もうとする場合は、他の飲食物や薬剤からのカフェイン摂取量を考えに入れて、細かく調整すべきだ」と話しています。
カフェインが食欲や体脂肪に何かしらの影響を及ぼす可能性は長年注目されていますが、体脂肪を減らす正確なメカニズムについては今も議論が続いています。
別の専門家は「仮にコーヒーに体脂肪を減少させる効果があると証明できたとしても、今回は体脂肪をわずかに減らすために半年間も飲み続けていることから、過度な期待は控えるべき」とし、「ゆるやかなエネルギー摂取制限に適度な運動プログラムを組み合わせる方が効果的です。コーヒーを1日数杯飲んだからといって、過剰に溜まった体脂肪がすぐになくなるわけではありません」と辛口のコメントを残しています。
コーヒーの隠れた力
紅茶やコーヒーはダイエットにいいの? 低カロリーな6種の飲み物
HealthDay News 2020年1月13日/Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.(参考情報)Abstract/Full Text/image via shutterstock
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