お腹が張ったり、下痢になったり。
過敏性腸症候群(IBS)は、検査をしても胃腸に原因となる病気などの異常が見つかりにくいもの。これが患者にとっても医師にとっても難しい問題なのは、両極端な症状が現れるから。頻繁に下痢をするタイプと、頻繁に便秘になるタイプ、さらに両方というタイプがあります。
IBSの症状としては、ほかにも腹痛、ガス、膨満感、頭痛、疲れといった症状も。必ずしもすべてが現れるとも限りません。しかも、こうした症状は、感染症のような怖い病気など別の病気でも見られます。ですから診断も慎重にする必要があるのです。
IBSの原因は、脳と腸との間の情報伝達(脳腸相関と呼ばれる)がうまくいかないことがあるとする傾向にあります。どのように関連してくるのかは、完全には解明されていませんが、このために消化管を内張りしている筋肉の収縮が速くなりすぎたり、逆に遅くなりすぎたり、強すぎたりする異常につながるのです。結果として、おなかの不快感やトイレでの苦痛につながることに。
薬を使った治療法は?
image via shutterstock従来、IBSの治療は薬に頼ったものでした。下痢に対してはロペラミドや抗菌薬のリファキシミン、便秘には食物繊維ベースのサプリメントなど。さらに、腹痛には抗けいれん薬が使われたり、ときには低用量で抗うつ薬が使われたりする場合も。
日常でできるIBSの改善方法
日常生活に次のような方法を取り入れると効果があるかもしれません。
食べたものを記録する
image via shutterstock日誌をつけると、IBSを引き起こすきっかけになる食べ物がわかりやすくなります。よくある例としては、小麦、牛肉、豚肉、羊肉、大豆。豆類、生の果物と野菜も、ガスや膨満感の原因になりがち。
食物繊維を増やす
image via shutterstock便秘タイプのIBSであれば、食物繊維が豊富な野菜(調理したもの)をもっと食べるか、挽きたての亜麻仁(フラックスシード)大さじ1杯をスープやサラダに振りかけます。
刺激物を減らす
image via shutterstockカフェインが腸を刺激する可能性があります。これはカフェインレスのコーヒーでさえもそうで、問題のもとに。
ターメリックを摂る
ある予備的な研究では、このスパイスのエキスを摂ることでIBSの症状を最大で60%軽くすることができました。おすすめは300〜400mgを1日3回まで。
本当にIBS?
image via shutterstock毎日の生活で消化と排せつに一時的、あるいは少々の変化があるのは当たり前。ですから、日常のことなのにIBSと間違えないこと。
でも、4〜6週間続いたり、腸の不調や痛みがひどくなったりするようなら、本当にIBSか、あるいはもっと深刻な問題かもしれませんから医師のもとへ。そうでなければ、診察を受ける前に、消化器系の調子がよくなるかどうか自然な治療法を試してみても損はありません。
腹痛の原因はいろいろ
意外に多い!? 生理中の下痢。突然のアクシデントを解消する方法
Andrew Weil, MD/5 Natural Ways to Heal IBS, According to a Doctor/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)