トイレでかいだうんちのにおいが、思いのほか強烈だったのに驚いたことがあるかと思います。「うんちのにおいは、消化の時の細菌と細菌による副産物に原因があります」と、ニューヨークシティーの消化器科専門医のサマンサ・ナザレス医師。
「においに何か変なところがある場合(一回かぎりのことでしたら)、飲み食いしたものに原因がある可能性があります。でも、異常な状態が続くなら(自分のうんちのいつものにおいとは違っているなら)、その場合は何かほかの問題があるのかもしれません」とナザレス医師。
においの変化がそのほかの気になる症状と一緒に起きているなら医師に診てもらうこと。気になる症状とは、たとえば筋肉の痙攣、胃腸の痛みや体重の減少、あるいはうんちの見た目の変化(ぷかぷか浮いているとか、粘り気が強かったり、血便だったりということ)など。
次からは、自分のうんちが気になるほどくさくなっている原因として考えられる“容疑者”と、その正しい対処法を紹介していきます。
1. 硫黄分を多く含む食品をいつも食べている
硫黄を多く含む食品、たとえば加工された肉類やチーズのほか、アブラナ科の野菜(芽キャベツとかブロッコリーやカリフラワー)は、その他の食品に比べ消化されにくく、腸が働く時間が長くなります。
「このプロセスの間に多くのガスが放出されます。よって、よりにおいも強くなります」と言うのは機能性医学を専門とするイエラル・パテール医師(カリフォルニア)。
硫黄分を多く含む食品をよく食べている場合、1回の分量を減らすとか、1回の食事で硫黄分の多い食品をいくつも組み合わせるのを避けるように考えることです。
2. 食品への過敏症が問題を引き起こしている可能性
image via shutterstock特定の食品のせいで、くさいおならやくさい軟便を引き起こしていると分かった場合、その根幹には何らかの過敏症があるのかも。
「一般に多いのは乳糖不耐症です。ですが、果糖やその他の炭水化物の不耐症も可能性があります」とナザレス医師。「食品の中に含まれる糖分は腸で分解することができません」とナザレス医師。
何を食べたか1〜2週間分を追跡し、食品やスナックのラベルを取っておくと、最終的なゴールにたどり着けます。おなかの中のどんちゃん騒ぎで主役を務めているのはどの食材かを見つけ出すことができるかも。
そしてその材料をメニューから外す必要も要検討。そうした食品とお別れするのが、恋の破局ほどつらいなら、医師に相談して腸の助けになる消化酵素を教えてもらうとよいかも。
3. カクテルの飲みすぎ
image via shutterstockアルコールの種類と飲んだ量の両方がうんちに影響する可能性も。アルコールそのものに硫酸塩が多く含まれており、その硫酸塩を腸内の微生物がくさい硫化物のガスに変えてしまいます。
また、どれくらいの時間で消化するかも関係します。「アルコールの摂取量が多すぎるときには、大腸は余計に機能して、過剰な排せつ物を出し、体の中からすみやかにその排せつ物を洗い流そうとします」とパーテル医師。
余分なアルコールが未消化のものと組み合わさって、翌朝のひどいにおいを作り出すというわけです。カクテルを飲む量を減らしたり、チビチビ飲んだりするほか、必ず水をたくさん飲むこと。酔っ払うと脱水症状がおこり、それがうんちの悪臭を強めることに。
4. ジャンクフードを山盛り食べた
「加工の度合が高く、糖分の多い食品は消化が困難」とパーテル医師。「その結果、消化に時間がかかってしまい、食べ物が体の中に長くとどまります。そして、体の中で作られるガスもより多くなってしまうのです」
さらに、ジャンクフードは脂肪分が多いのも一般的。「体は余分な脂肪分を適切に分解し吸収することができません」とナザレス医師。脂肪は消化されずに通り抜け、くさいうんちの原因に。その上、なによりも加工食品には極めて多くの怪しげな化学物質と添加物が含まれており、それが消化器官に悪く作用してしまうのです。ジャンクフードを大量に食べることはできるだけ控えるのがベスト。
5. 薬やサプリの副作用
image via shutterstock薬剤の多くはソルビトールなどの物質でコーティングされています。ソルビトールは、腸内で発酵する可能性があり、消化に大きな変化を引き起こして、くさいうんちの原因になるというわけ。
ビタミンやサプリについても同じことが。「必要な分量よりもちょっとだけ多めに摂取するだけでも、腸の中を乱す原因になるかもしれない」と、パーテル医師。
だから、ビタミンやサプリを摂取する時には、その前に必ずお医者さんに相談すること。そして、消化不良を避ける手段があるかどうか尋ねることです。
6. 便秘
image via shutterstockうんちが結腸にたどり着く時間が長くなればなるほど、発酵がどんどん進んでにおいのもとになります。状況の変化によって起きる便秘(つまり、旅行や睡眠不足が原因の便秘)については、水をたくさん飲んだり、消化しやすい食べ物(ベビーフードほどのやわらかさ)を食べたりしてみるとよいと、ナザレス医師。
「便の軟化剤や食物繊維のサプリのほか、市販(OTC)の配合便秘薬があります」とも。ですが、まだ便秘が続いていて、市販薬に頼る状態が続いているなら、医師に相談してもよい頃。
7. 最近、食事の内容を切り替えた
image via shutterstock高タンパク高脂肪の食事を摂っている人々は、肉やチーズを多く摂取することになるので、うんちがくさくなってしまうのは避けられません。
「食事の時に食べる炭水化物からは、食物繊維を摂取できるのですが、こうした食物繊維の摂取がなくなると、便秘になることが多くなります」とパーテル医師。「便が排せつされずに長くとどまると、それだけ体の中でくさいガスがたくさん作られ、排出される頃にはひどい悪臭になってしまうのです」とパーテル医師。
高脂肪の肉を食べることで起きるもうひとつの副作用は、体が余分な脂肪に対処できず、その結果、くさい腐敗臭を伴う下痢になってしまうこと。
お通じを再び元のレールに戻すためには、ケトダイエットとも相性がよいと考えられている食物繊維の多い食品を食事に加えてみること。食物繊維の多い食品には、デンプン質を多く含まない野菜類、アボカド、ナッツ類があります(そして、食物繊維の量を増やしたら水をたくさん飲むのを忘れないで。水を飲むことで食べた物が動き続けるのです)。
8. 感染症にかかっている(あるいは、かかっていた)
image via shutterstock腸の感染症は、ウイルスのほか細菌や寄生虫が原因で発生し、消化管に炎症を起こします。こうした消化管の炎症には、腹痛や嘔吐のほか、悪臭のする下痢があります。検便で、医師に感染症の種類を確定してもらい、適切な治療をしてもらうことです。
注意すること:抗生物質を処方されている場合に、その結果として、うんちがくさくなることも。薬剤は、腸内の善玉菌と悪玉菌の間の力関係を揺るがすことが多くあると、パーテル医師。だから忘れずに、治療中でも腸内フローラが良好でいられるような方法を教えてもらうことが大切です。
9. 消化管の全体的な健康状態の改善が必要
image via shutterstockうんちの問題の根っこにあるのは、多くの場合、医師が吸収不良と呼ぶ状態です。吸収不良とは、体が特定の栄養素(例えば炭水化物やタンパク質、あるいは脂肪など)を正しく吸収できないこと。そして、消化されない栄養分が排出される時に悪臭を放つことに。
「こうした症状を示す病気には、小児脂肪便症のほか、膵炎やクローン病、あるいは炎症性腸炎などがあります」とパーテル医師。「医師による治療と相談が必要です」
※この記事は2019年11月7日に、認定消化器科専門医でPrevention医学監修ボードのメンバーでもあるレイラ・キア医師により医学的に監修を受けました。
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