ストレスを感じている女性は65%にものぼり、うち40%が1日に複数回も悩まされ、睡眠や食欲に悪影響が及び、人間関係もこじらせてしまっていることが、アメリカの調査でわかりました。#BeHealthiHerツイートの一環として、非営利組織HealthyWomenとヘルスケアコミュニケーション機関GCI Healthよる調査です。
前回はストレスの定義、そして、家の中が乱雑だと54%の女性がパートナーよりもストレスを感じているという話を紹介しました。引き続き、女性とストレスの問題についてレポート。
ストレスと不安はどう違う?
image via shutterstock朝のラッシュアワーで、手に汗をかき、心臓がドキドキすると、過呼吸で気持ちが悪くなり、吐き気がしてしまう。こうした体の反応はストレスではなくパニック障害、不安の症状です。
外部からの影響があるストレスとは異なり、不安は内なるものです。本来は脅威にならないようなものに持続的に恐怖感を抱いてしまうのです。ストレスは十分な運動や睡眠など、生活習慣を変えることで短期的に症状を管理できます。一方で、不安は、不安障害となる可能性が。米国では最も多い精神疾患であり、治療すべきものです。
『Prevention』による調査では、不安障害と診断されたことのある女性が34%でした。これは米国の推定値と一致しています。しかし、毎日、慢性的な不安と戦っている女性は53%にも。ストレスは不安障害を引き起こす可能性があるので、「何をしてはいけないのか」をときどき確認し、それをしないようにするとよいでしょう。
「ただのパニック障害、と多くの女性が言うことに驚きを感じています。パニック障害は普通のことではないのです! 日常的なものではありません」と、ピッツバーグ大学心臓血管研究所の女性心臓専門医を務めるエリザベス・ピッチョーネ医師は説明します。
もっとストレスについて話そう
image via shutterstock「ストレスは話すことで軽くなると、多くの専門家が言います」と調査パートナーであるヘルスケアコミュニケーション機関GCI Healthの最高経営責任者(CEO)、ウェンディ・ルンドさん。
調査の回答者の多くが、直感的に友達や家族に助けを求めるとよいと理解しているようでした。ただ気になるのは、助けを求めたことがないと回答していた年配の女性が15%もいること。ストレスについて話さない理由は「迷惑をかけたくない」もしくは「誰も気にかけてくれない」というものです。
かかりつけの医師への相談となると、さらに少なくなってしまいます。かかりつけの医師は、ストレスを抱えているかを聞く必要があります。ですが、ストレスを感じている回答者の半数以下しか、医師に相談していません。
若い人ほど相談しない傾向もあります。医療機関(あるいは保険者)を知らない、10分や15分を費やしたくない、相談したくないと(ある人は、相談しようと思ったけれども後回しにしていたと回答)。もっと衝撃的な事実は、4分の1の人が、なぜ相談するのかわからないと答えたこと。
ストレスを抱えないために、今すぐできること
1. ためらわず、もう一度考えてみる
image via shutterstock明確にしておくべきは、自分自身を大切に考えてよいということ。
「やるべきことが6つあるとしたら、いつも7番目に自分のことを後回しにしているのでは」とルンド医師。米国精神医学会(APA)のライトさんは、自分自身のことになると後ろ手に回しがちと言います。
「友人が同じことを自分に言ってきた場合に、どう話すかを考えてほしいです。『自分の負担になるから、そんなこと言わないで』とは伝えないでしょう。『私は友人だから』と声をかけてあげるのでは」
2. 悩みを伝えよう(でも、何度も繰り返さないで)
image via shutterstock何に悩んでいるかを話すのは間違いなくいいことなのです。でも何度も話すのはよくないそう。
科学者によると、脳の中で思考パターンとして固定されてしまい、その後将来にわたって不安な状態に陥りやすくなってしまうからといいます。深く考えてもよいのですが、実際以上に気にかけないように。友だちには自分があるがままでいられるよう手伝ってもらうこと。
ストレスを味方にするといいことが
image via shutterstockストレスは常に敵であるわけではないと知っておくことも大事。目が冴えてしまうことは、羊を数えて眠ろうとするときには困るのですが、一方でプレゼンテーションを行うときや感謝祭に30人分の夕食を準備しようとするときにはむしろ力になります。
「ストレスへの反応は、自分自身の助けになるように進化してきました。ストレスにどう対処していくかが大切です」(ピッチョーネ医師)。
スタンフォード大学の心理学者ケリー・マクゴニガル博士の研究では、次のようなこともわかっています。
ストレスを対処可能なものとして受け入れると、ストレス解消のために飲みすぎたり食べすぎたりといった不健康な方法を減らせるのです。ストレスによる悪影響も軽くなります。マクゴニガル博士は、ストレスをむしろよいものとして考えることをすすめます。
心臓がドキドキしたときには、自分の体にエネルギーが与えられていると考える。毎日のプレッシャーや大きな心配に対処できれば、思っているよりストレスはコントロールできるものなのです。ほかのケースでは、環境を変えることで、ストレスへの反応も変えられる可能性も。ストレスを感じるたびにどの選択が最適かを理解すると、より穏やかで健康な生活が見えてくるはず。
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