最近、性欲がかなり低いようなら、それは気のせいではないかもしれません。
ローレン・シュトライヒャー医師が、女性の病気とセックスライフについて、米国『Prevention』に語りました。シュトライヒャー医師は、ノースウェスタン大学フェインバーグ医学院の産婦人科学部臨床教授です。
ホルモンに関わる病気に要注意!
image via shutterstock毎年、私は医学生に女性の性的機能についての講義をしていますが、多くの学生の顔を見ていると何を考えているのかわかります。それはこんなこと。
「自分は“心臓専門医/胃腸病専門医/腫瘍学者/その他の専門医”になるのであって、女性の性機能不全について学ぶ必要なんてないんだけどな」
それは大間違いです! 実際には、あらゆる病気は疲労や不安感、痛み、あるいは不眠などの症状をともない、これらのすべては健康的なセックスライフを妨げるのです。
甲状腺機能低下症、糖尿病、更年期障害といったホルモンを変化させる病気はすべて性行為に問題を起こす可能性があります。
ホルモンや神経伝達物質は体内の正しい場所に到達しなくてはならないので、血流への障害を起こす健康問題は性欲やオーガズムにも影響する可能性があるのです。
神経は反応する必要があり、筋肉は収縮する(そしてゆるむ!)必要があるため、椎間板ヘルニアや多発性硬化症といった神経学的問題も性的機能に影響を及ぼします。さらに薬物なども、病気そのものよりも大きな性的な問題を作り出すことがあります。
包括的とは程遠いものではありますが、参考までにセックスライフの障害となる可能性のある健康状態をいくつか示したリストを以下に挙げます。
心臓病
image via shutterstock心臓病は米国における女性の死因第1位であり、また性的機能を妨げる要因のトップでもあります。
しかし、ベッドルームでのセックスが心臓麻痺につながるのではないかと不安になる必要はありません。自分のベッドルームで決まったパートナーとセックスをすることが安静時の心拍数をはねあげることはまれです。それについてはちょっとがっかりかもしれませんが、性的衝動が低下する点については心配です。
抑うつと抗うつ薬
image via shutterstock抑うつ(そしてその治療薬)は性的衝動や性欲に深く影響を及ぼす可能性があります。実際に性的衝動の喪失が、うつ状態の最初の兆候にもなり得ます。
また、双極性障害、統合失調症、精神病などを抱えている女性にも、しばしば投薬と直接的に関連した問題がみられます。
多発性硬化症
image via shutterstock多発性硬化症とは神経の周囲を保護する髄鞘にダメージを与える慢性疾患で、このダメージによって感覚的な問題を引き起こす症状が現れることがあります。
ある研究では、多発性硬化症の女性の62%が性的快感を喪失し、32%がオーガズムを失ったと報告されています。
糖尿病
image via shutterstock糖尿病は循環系および神経系にダメージを与え、その結果、糖尿病の女性における性的衝動の低下や性的興奮の減少、性交痛、オーガズムを得られないといったリスクを引き起こします。
膣の潤滑となる体液の生成に必要な毛細血管が特に脆弱になるので、糖尿病の女性に共通する性的な問題として膣の乾燥があるのも珍しいことではありません。
関節炎
image via shutterstock関節の可動域が限られている人にとって、一般的なセックスの体位をとったり、その姿勢を維持したりするのがどれだけ大変か考えてみましょう。
深刻な関節炎を抱える女性の中には、挿入が可能なくらい両足を広げることすら難しいという人もいます。性行為中に力を入れたり、ある体位を取ったりといったことがとても困難な問題になるのです。
助けを得るには
これらすべての原因に対してはとても心配になってしまうでしょうし、主治医もこうした問題には触れないかもしれません。しかし問題の原因はさまざまだとしても、これらの障害のすべてに対処するためのリソースは存在しますので安心してください。ためらわずに主治医に専門医を紹介してもらえないか聞いてみましょう。
こんな兆候ありませんか?
Lauren Streicher, M.D./5 Health Conditions That Can Wreck Your Sex Life, According to an OB/GYN /Maya A. Kishida(翻訳)