美肌の持ち主としても知られる銀座ケイスキンクリニックの慶田朋子先生が、この時期に肌トラブルを起こさないためのセルフケアと最新美容医療について教えてくれました。
春のゆらぎ肌を防ぐ5つのポイント
春先の肌トラブルは、皮膚のバリア機能障害や免疫機構の異常などによって起きてくることが多いと慶田先生。
スギやヒノキなどの花粉、PM2.5、黄砂などのアレルゲンが増えることに加え、紫外線量は4月から8月にかけてピークを迎えます。
乾燥や寒暖差によって肌のバリア機能が弱まっているところに、こうしたさまざまな“強敵”の攻撃を受けるため、敏感肌の人はとくに肌荒れを起こしやすいのです。
春のゆらぎ肌を防ぐためには、肌トラブルの外的要因を理解し、それぞれに適した対応をすることが大切。慶田先生が、ご自身でもとくに気をつけているというセルフケアのポイントがこちらです。
1.アレルゲン
春に襲来するアレルゲンを防ぐためには、冬の冷えと乾燥で乱れた肌バリアを立て直し、肌の抵抗力を高める必要があります。
慶田先生 :
私自身はセラミドバリアクリームでしっかり保湿し、メイクを重ねてブロックしています。
花粉症には点鼻ボトックスがおすすめ。鼻汁の刺激と、鼻をかむ頻度が減ることで、鼻まわりの炎症を回避でき、とても快適です。
2.紫外線
紫外線の酸化ストレスと表皮の軽微な炎症がダブルで生じると、シミやシワが一気に加速すると慶田先生。
慶田先生 :
SPF50、PA++++の日焼け止めを使い太陽光を防ぎましょう。インナーケアとして、飲む日焼け止め2種「ヘリオケア」「ソルプロ プリュスホワイト」も1年中内服がおすすめ。
私はアウトドアではヘリオケアの内服量を倍に増やし、帽子と衣類で覆うことで完全にブロックします。日焼け止めは2時間ごとの塗り直しがマスト。
3.寒暖差
慶田先生によると、外部環境の温度低下刺激は、肌のバリア機能と保湿機能を低下させてしまうそう。寒暖差は自律神経にも作用してゆらぎ肌の原因となります。
慶田先生 :
出かけたときには暖かくても、念のためストールや上着を持ち歩く工夫を。私自身は、体を温める、レンコンやカボチャなど根菜類たっぷりのスープなどをつくり、体の中から冷やさないことを心がけています。
4.環境の変化
環境の変化によるストレスで、ニキビや吹き出物、アトピー性皮膚炎が起きることも。肌と心は表裏一体であり、心の乱れが肌に出ることは医学的にも正しいと慶田先生はいいます。
慶田先生 :
緊張やストレスが過剰になると交感神経が常時優位になり、肌の修復、栄養の吸収、循環などが滞ります。
がんばりすぎず、適切なリラックス法を試み、しっかり眠ることが何よりの薬です。
5.マスクによる摩擦
感染対策に欠かせないマスクですが、じつは肌トラブルの原因になることがあるのだそう。
慶田先生 :
ひとつは、看護師など医療従事者に多い「マスクニキビ」、もうひとつは「マスク皮膚炎(肌荒れ)」です。
不織布が擦れる刺激が角層を厚くし、毛穴が詰まることでニキビができ、角層の炎症からバリアが乱れることで肌荒れが生じます。
肌トラブルを防ぐためには、肌あたりのよい素材のマスクを選び、雑菌が繁殖しないようにこまめに替え、使用後は肌の保湿ケアを行うことが大切。
角層をケアしてバリア力を高めるケミカルピーリングやレチノールの外用は、マスクニキビ対策にも効果的だそう。
肌の炎症を抑え老化を防ぐ「プラズマシャワー」とは?
「春のゆらぎ肌を侮ってはいけません」と語る慶田先生。肌トラブルによって起きる軽微な炎症は、肌老化を促進し、シミやシワにつながってしまいます。
このような炎症を沈静化し、免疫力を高めて肌老化を未然に防ぐために、慶田先生が注目するのが「プラズマシャワー」の照射です。
慶田先生 :
プラズマを照射すると、皮膚表面では強力な滅菌作用で、ニキビをはじめとするさまざまな皮膚トラブルを引き起こす細菌を死滅させ、肌フローラを整えます。さらに真皮では、線維芽細胞が刺激され、コラーゲン・エラスチンの産生が高まり、肌にハリや弾力をもたらします。
プラズマシャワー最大の効能は、傷をつけずに薬剤を真皮まで浸透させること。ゆらぎ肌対策には抗炎症作用の高い『サイトプロMD(骨髄幹細胞培養上静由来)』がおすすめです。照射時間はわずか10分で、薬剤の導入に10分、痛みやダウンタイムもまったくありません。
「炎症=老化」であることを考えると、肌トラブルの原因菌をなくして炎症を沈静化する「プラズマシャワー」には多くのメリットが期待できそう。医療だからできる本格的な予防ケアも取り入れつつ、肌のバリア機能を高めるケアに取り組んでみてください。
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慶田朋子(けいだ ともこ)先生
銀座ケイスキンクリニック 院長。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。「切らないハッピーリバースエイジング®」をモットーに、患者目線で美しく健康な肌を育てるための診療に携わる。自身もアトピー体質ながら、正しいスキンケアと知識で克服し美肌になった経験が。論文執筆やメーカーとの共同研究も多く手がけ、美容成分や最新の化粧品にも精通している。著書に『365日のスキンケア』(池田書店) 、『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館) などがある。
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