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歩くたびに痛い! タコやウオノメの原因は靴ではなかった

2019/12/20 05:30 投稿

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自分の体をきちんと知ろう! をテーマの連載「カラダ戦略術」。前回は「外反母趾など足ゆびの変形のケア」について、お届けしました。今回は、「タコとウオノメを治す法」について、女性医療ジャーナリストの増田美加がお伝えします。

タコ、ウオノメ、イボができる原因はそれぞれ違う

タコ(胼胝)、ウオノメ(鶏眼 けいがん)、イボ(疣贅 ゆうぜい)は、女性に多い病気です。自分でやすりでこすったり、ケアパッドなどを薬局で購入したり、でもまたすぐにできてしまう……と悩んでいる人が多いと思います。

いずれも皮膚の角質が異常に増えてしまう病気ですが、女性に多いのはなぜでしょうか?

タコは、比較的面積の大きな力が面として足の一部分に集中してしまうことで生じるものです。スポーツなどで手にできるマメのようなものです。

ウオノメは、面積の小さな力が点として足の一部分に集中し、かつ歩行時にねじれの力が加わることで、固い芯ができてしまいます。その芯は、足の中に食い込んでいき、神経を圧迫することで、痛みが生じてきます。

イボは、ウィルス感染によるもので、銭湯やスポーツジム、プールなど、裸足で足拭きマットなどを共用する施設でうつることが多い病気です。

痛みはありませんが、イボのウィルスは、血管を引っ張りながら増殖するため、削るとすぐに出血してしまいます。また、ウイルスが原因なので、家族間で感染するケースもよくあります」と足を専門に診る医師、桑原靖先生(足のクリニック表参道院長)。

左から、 タコ、ウオノメ、イボ。イラスト提供/足のクリニック 表参道

そもそも女性にできやすいのはなぜ?

タコやウオノメができるのは、皮膚の問題ではなく、足の骨格構造に原因があるからだと桑原先生は言います。

「外反母趾(ぼし)の人は、親ゆび(母趾)の外側にタコができやすくなります。また、歩くときに親ゆびが使えないために、人差しゆびに踏み返しをするポイントが移り、人差しゆびの付け根にもタコができたりします。

発作的に親ゆびの付け根が痛くなる強剛母趾(きょうごうぼし)の場合は、その関節で踏み返すことができないので、ひとる遠い関節に強い負荷がかかり、そこに大きなタコができやすくなります。

また、ウオノメができやすいのは、アキレス腱が硬く、歩行時の踏み返しのとき、足のゆびの付け根で地面を押して、ねじるような動きになる人です。

また、足のアーチが崩れ、幅が広がった扁平足(へいぺいそく)の人もウオノメができやすい足の骨の構造です。足裏のアーチがつぶれるときに、ゆびの付け根にねじれの力が起こり、ウオノメができやすくなります」と桑原先生。

女性は足の骨格構造が弱く、柔らかいから

そもそも女性は、男性に比べて足の骨の構造が弱く、足のアーチに荷重がかかることで崩れやすいのです。

通常、体からの荷重は、すねの骨(脛骨)から足へと伝わります。その力は、足のアーチの中心軸である人差しゆびにかかり、そこから、ほかのゆびへと分散されます。

「しかし、骨格構造が弱く、柔らかいと、力がかかるとグニャッとつぶれて幅広になってしまい、うまく力が分散されません。大きな力が中心にある人差しゆびにかかってしまい、付け根にタコができやすいのです。

また、パンプスを履いたり、アキレス腱が硬かったりすると、歩行の踏み返しの最後にギュギュっとねじれる力がかかり、ウオノメになってしまいます」と桑原先生。

タコやウオノメはどのように治療する?

タコやウオノメは、歩き方を改善して、靴を見直し、適切なインソールを使うことなどで改善が見込めます。

足の変形が原因で生じているタコやウオノメは、その状態によっては足の変形を治す治療が必要になります。

また、イボは、液体窒素による凍結治療や漢方薬の内服などで治療します。液体窒素治療は人によっては、痛みが強く出ることもありますが、イボが広範囲だったり、深いところまでできている場合は、何度かこの治療を繰り返します。

これらの治療でも治らないときは、足のクリニックでは外科的切除をすることもあります。感染が確認できたら、完治するまでは、タオルやマットの共有は避けましょう」(桑原先生)。

お話を伺ったのは……

桑原靖(くわはらやすし)先生
足のクリニック 表参道 院長。
埼玉医科大学卒業。形成外科医。足の悩みを持つ人が多いにもかかわらず、足を専門に診る医療機関がほとんどない状況に疑問を持ち、2013年、日本初の足の症状、疾病に特化した現クリニックを開設。著書に『外反母趾もラクになる!足アーチの作り方』(セブン&アイ出版)ほか多数。

足のクリニック表参道
東京都港区南青山5-6-24 南青山ステラハウス3階 TEL:03-6434-1082
公式ホームページ:http://ashi-clinic.jp/

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増田美加・女性医療ジャーナリスト
予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。公式ホームページ http://office-mikamasuda.com/

image via Shutterstock

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