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生理周期のトラブルやプレ更年期に丁寧に向き合う婦人科のマイドクター/産婦人科医・松村圭子先生

2019/12/10 05:30 投稿

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「この不調、どこに相談したらいいの?」「病院では、どう対処してくれるの?」と悩む一方で、いざ病院に行こうと思ったとき、「どこがいいのかわからない」「ネット検索してもどこまで信用していいのかわからない」。そんな思いに応える連載「MYLOHAS Doctors」。

VOL.13は、産婦人科医の松村圭子先生(成城松村クリニック院長)です。生理周期にかかわる月経トラブルやプレ更年期、更年期のさまざまな不調に、選択肢の多い治療で向き合ってくれる婦人科のマイドクターにしたい医師をご紹介します。

VOL.13 産婦人科/成城松村クリニック院長 松村圭子 先生

どんな悩みや不安をもつ女性が来院しますか?

20代~30代は月経不順やPMSの女性が多い!

20代~30代は、月経にかかわるトラブルを抱えてくる女性が多いですね。具体的に言うと、月経不順やPMS(月経前症候群)を訴える女性が多いです。「ストレスでしょうか? 気のせいでしょうか? でもつらいので、なんとかしたいです……」と訴える女性が増えています。

20代~30代は、本来ならもっとも不調が少ない年代です。「それなのに、なぜ?」と思って、患者さんのお話をじっくり聞いていると、生活習慣などの見直しが必要な方も多いです。また、ストレスを抱えている女性が多いことも実感します。

30代後半からは更年期症状を心配して来院

30代後半~40代の女性では、「プレ更年期でしょうか? もう更年期でしょうか?」と訴える方も少なくありません。その場合は、更年期障害ではなく、甲状腺の病気や膠原病であったり、耳鼻咽喉科系のめまい、耳鳴りであったりすることもあるので、隠れた病気がないかの見極めも大切にしています。婦人科の病気でない場合には、適した病院をご紹介しています。

更年期の症状として特に多いのは、ほてり、多汗などのホットフラッシュです。急に起こるので、驚いてくる方がいらっしゃいます。ほかには眠れない、イライラする、クヨクヨして落ち込む、肩こり、頭痛、疲れやすいなどの訴えも多い症状です。

特に大事にしている婦人科の診察は?

PMSや月経痛にはピルを紹介します

PMS(月経前症候群)の方には、低用量ピル(OC)を紹介します。低用量ピルはトリキュラーやマーベロンなどを処方します。マーベロンは、男性ホルモンが多めでニキビが出やすい人に処方することが多いです。低用量ピル各種:2,000円~2,500円(税別)

月経痛がひどい月経困難症の方には、超低用量ピル(LEP)のヤーズやジェミーナを処方することが多いです。月経困難症の病名がつけば健康保険が使えます。

ピルなどのホルモン剤に抵抗がある人には、プラセンタ、漢方薬などで対応しています。自由診療ですが、サプリメントやビタミンCの点滴なども行います。保険診療の範囲を希望している人には、その希望の中でできることを提案して行います。

更年期症状にはホルモン補充療法(HRT)や漢方薬も

ホットフラッシュ(ほてり、発汗)など体の症状をともなう更年期症状には、その方の年齢や時期によりますが、ホルモン補充療法(HRT)を提案します。閉経後10年以内で60歳未満の女性には、HRTで治療することが多いですね。ホルモン剤を怖がる方も多いので、誤解のないように十分な説明をしています。

そのほか、加齢による不調、たとえば、疲れ、肩こり、冷えによる不調、自律神経系の乱れによる不調の方には、プラセンタや漢方薬、エクオール(サプリメント)などを紹介します。

プラセンタは保険では、1回1アンプルの注射です。保険で行いたい方は、週に何回か通って、1回1アンプルを注射しています。

週に何日も通えないので自費でもよいという方には、1回に2アンプル以上、注射することができますので、どちらがいいかは、患者さんに選んでいただきます。自費だと2アンプルで2050円(税込)です。プラセンタは、ずっと続けている方が、心も体も元気になったという方が多いです。

漢方薬は、更年期症状があるけれども、ホルモン剤を使いたくないという方にご紹介して処方しています(健康保険可)。更年期によく処方する3大処方は、「桂枝茯苓丸」「加味逍遥散」「当帰芍薬散」です。その方の体質、タイプによって、処方する漢方薬を変えています。

また、不眠に悩んでいて、とにかく眠れないという方には睡眠薬。メンタルがなかなかうまくコントロールできない方には、うつ治療にも使われるSSRIというお薬の選択肢もご説明します。ほかにはアンチエイジング的な治療として、ビタミンCの点滴も行っています。

先生が日常生活で健康のために気をつけていることは?

自炊して野菜をしっかり摂ることです。今、食事にもっとも気をつかっています。46歳ごろから更年期の不調のせいか体調を大きく崩した時期がありました。そこで食事をきちんと自分で作って食べるということを大切にしようと思ったのです。

今は更年期の不調はまったくありません。そのときに、栄養の勉強もして、資格なども取って、自分への自信にも繋がりました。料理は毎日、忙しい中で手の込んだものはできませんが、シンプルなものを自分で作っています。ホイル焼きは洗いものが少なくておすすめです。まいたけに鮭を入れたホイル焼きは、タンパク質もしっかり摂れます。

また簡単なものですが、お弁当もつくってクリニックで食べています。お味噌汁が好きで、ほぼ3食欠かさず飲んでいます。味噌汁サーバーは、ボタンを押すだけでおいしいみそ汁ができるので便利で気に入っていて、クリニックにも置いています。

運動は、特に時間をとって行っていませんが、日常生活や家事の中でできるながら運動をしています。

診療内容、料金目安、薬の処方方法は?

保険診療 

<婦人科診療>

月経トラブル、子宮内膜症、子宮筋腫、STD(性感染症)、おりものの異常(においなど)、外陰部の異常、更年期障害、漢方外来

自由診療

トータルレディースドック「スタンダード検診(女性の一般検診)」15,000円(税別)(子宮頸がん検診、超音波検査、血液検査(貧血、肝機能、腎機能、コレステロール、血糖値など)、尿検査(蛋白、糖、潜血、白血球など)、身長、体重、血圧、体脂肪率)

がん検診(子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん)、高濃度ビタミンC点滴療法、マイヤーズカクテル、プラセンタ療法、にんにく注射、症状別点滴、栄養療法など。

※各自由診療の費用は、ホームページを参照ください。

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診療時間:月火木 午前/9:30~12:30 午後/14:30~18:00、金 午前/9:30~12:30、土 午前/9:30~12:30 午後/13:30~17:00 休診日:水曜日・日曜日・祝祭日。受付時間は、診療終了30分前まで(初診は1時間前まで)
住所:東京都世田谷区砧8-23-3
電話:03-5727-0878または0879

松村圭子(まつむら・けいこ)先生
成城松村クリニック院長。専門分野は婦人科。日本産科婦人科学会専門医。1995年 広島大学医学部卒業。広島大学医学部 産科婦人科学教室入局。2010年 成城松村クリニック開院。監修書に、『40代からの「女性ホルモン力」を高める簡単ごはん』(芸文社)、著書に、『医者が教える女性のための最強の食事術』(青春出版社)ほか多数。

インタビュー・執筆/増田美加(女性医療ジャーナリスト)

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