いつか自分にも訪れる「閉経」。
閉経というと、のぼせや気分の浮き沈みというイメージを思い浮かべるかもしれません。しかし、膣も大きく変化するんです。
閉経期には女性ホルモンのエストロゲンが減少し、気分や生理に大きな影響を与えます。そして、下半身にも肉体的変化をもたらす可能性が。
「膣の変化は、閉経前・閉経期・閉経後のすべての段階を通して起きる可能性があります」とアンナ・クレプチュコバ医師(Flo Health最高科学責任者)
「膣が乾いたり、サイズや形の変わったり、大きな変化が起こることも。しかし、あくまでも正常と考えられています」
閉経を迎えると、あなたの膣がどのように変形するのでしょう? 専門家に聞きました。
1. 乾いて、かゆくなる
image via shutterstock「エストロゲンは、膣壁をなめらかに保つホルモン。このエストロゲンが少なくなると、膣がとても乾いている感じがします。膣萎縮として知られていますが、膣壁が薄くなったり、乾いたりして、膣のかゆみや炎症など他の症状の原因になることも」とメイヨークリニック。
どんな治療が可能かについては、医師に相談を。膣の保湿剤や潤滑剤を使うなどの対策があります。
2. セックス中に血が出る
image via shutterstock「閉経期には膣の部分の皮膚が薄くかつ、弱くなっているため、セックス中に(膣の内壁が)裂けたり、出血したりすることがあります」と、モニック・メイ医師(ノースカロライナ州シャーロット市に拠点を置く家庭医、救急医)
皮肉なことに、セックスや自慰行為を頻繁に行えば(膣への挿入を伴う場合)、膣の粘膜部分の血流や水分が増えるため、裂けにくくなります。ですから、できるだけセックスをするとよいのです。
3. 膣のサイズが縮んでしまう
image via shutterstockセックスをしていないと膣の形が変わってしまう可能性もあります。
「膣は筋肉組織でできているので、ほかの筋肉と同じように頻繁に使わないと、縮んで正常な状態を保てなくなる」とメイ医師。
そうならないためには、閉経期においてもセックスや自慰(膣への挿入を伴う)を続けることが大事。
痛みを感じるなら、膣の保湿剤や水性の潤滑剤を試してみましょう。それでうまくいかなければ、主治医に相談を。
4. 尿路感染(UTI)が起こりやすくなる
image via shutterstockエストロゲンのレベル低下によって起きるのは、膣壁が薄くなったり乾いたりする変化ばかりではありません。
米国産科婦人科学会(ACOG)によると、尿路内側の粘膜も薄くなる可能性があります。膣と尿路の感染や頻尿の原因に。
膣の保湿剤や潤滑剤のほか、局所のエストロゲン治療(膣クリームや錠剤)、全身性のエストロゲン治療(ピルやパッチ)、選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)などを使って治療します。SERMはエストロゲンに反応する組織を刺激する薬です。
5. これまでとは違う臭いがする
image via shutterstock「閉経期には、嫌な臭いの水っぽいおりものが出てくるという女性も多いです。これは膣内のpHが変化するために起きます」とクレプチュコバ医師。
膣のpHの酸性度が低くなるのですが、それはエストロゲンのレベルが低下したため。クレプチュコバ医師によれば、閉経期の正常な症状です。もし気になるなら婦人科医に相談しましょう。
6. 膣がほかの組織に入りこむ
image via shutterstock膣が伸びたり、せり出したりしてほかの器官の中に入りこむのが 膣脱(ちつだつ)です。クリーブランドクリニックによれば、膣脱は閉経期に骨盤部位の筋肉に緩みが生じるために起きるとのこと。
このような症状を経験する女性の数は多くはありませんが、経験した女性は、膣内に何かが詰まったように感じたり、引っ張られるように感じる、あるいは重たい感じがしたり、寝ころぶと楽になるような腰痛や、あるいは失禁などを経験したりする可能性があります。
こうした問題のひとつでも経験したなら、医師に相談を。骨盤用のエクササイズや、手術(非常に重症の場合)をすすめてくれます。
閉経についてもっと知る
その不調、「更年期だから」と片付けないで。深刻な病気が潜む場合も!
「更年期」を迎えると体や気持ちはどう変わる? 膣がにおうのは正常?
Judy Koutsky/6 Ways Your Vagina Changes During Menopause/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)