毎月やってくる憂うつな生理。腹痛はもちろんのこと、頭痛や吐き気など症状もさまざまで、生理の2日目が重くてつらいという人もいれば、生理期間前の時期の不快な症状に悩まされている人も少なくありません。
ネット上で最近、「生理休暇の取得は法律で認められているもの」と投稿され話題になりましたが、あなたは生理休暇を取ったことがありますか?
MYLOHAS読者の「生理休暇」取得事情
image via shutterstockMYLOHAS編集部が独自に1200人の女性(30〜50代)にアンケートを取った結果、生理休暇を取ったことがあるという人は「割と取っている」がわずか23人、「たまに取っている」が25人で、合わせても50人、全体のたった4%の人しか取得していないという驚きの事実が明らかになりました。
実際、厚生労働省の「2015年雇用均等基本調査」でも、働く女性のうち、2014〜2015年の一年間で、生理休暇を請求した人の割合はたった0.9%、生理休暇を請求した人がいた事業所の割合は2.2%にとどまっていました。
なぜ、こんなに生理休暇を取らないのか
image via shutterstockまずは生理休暇の歴史から紐解いてみましょう。生理休暇が制定されたのは1947年(昭和22年)と古く、戦後の時代までさかのぼります。
当時、紡績工場で働く女性たちの環境の過酷さを描いたルポ『女工哀史』(1925年)という本が話題となりました。本では、その女性たちが、その過酷さ故に流産や死産が多いと指摘されていて、この出版がきっかけとなって「母性保護」を獲得しようと労働運動が盛り上がりました。
しかしGHQが男女平等原則の立場から、生理休暇を認めると女性を特別扱いすることになると、強く反対していましたが、日本初の女性官僚や女性労働家の要求によって、労働基準法の制定に伴って制度化されました。
生理休暇は、労働基準法で定められている
image via shutterstock生理休暇は、現在も労働基準法68条で下記のように定められています。
「生理日の就業が著しく困難な女性労働者が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」
働いている女性であれば、正社員、契約社員、派遣、アルバイトといった雇用形態や役職を問わず誰でも請求できるものです。年齢や勤続年数の制限もありません。日単位で取得する必要もなく、半日、時間単位の取得も可能です。
ただし、有給とするか無給とするかは労働基準法の規定にはないため、会社の就業規則などによって異なります。会社によっては皆勤手当などが支給される場合、生理休暇が欠勤扱いになってしまい、手当が減額、もしくは支給されなくなってしまう可能性もあります。
アンケートに見る「生理休暇を取らない理由」とは
image via shutterstock実はこの生理休暇、以前は取得していた人が今よりも多くいました。
前述の厚生労働省の雇用均等基本調査を参照すると、1965年度(昭和40年)の調査では26.2%と4人に1人が取得しています。それが、1985年には9.2%、2004年には1.6%となり、ついに1%を割ってしまう結果となってしまったのです。
アンケートでも、生理休暇が取りづらい、取れない人のエピソードとして「仕事が山のようにあって休み自体取れない」という声や「上司が男性だと言いづらい」「まわりに何か言われそうなので」など、周囲を気にするケースも多く、実際に「上司から『あなたの休暇に対して不満を抱いている人が多数います』と言われたことがあり、女性特権だと非難された」という人もいました。
また、そもそも「生理休暇がうちの会社で使えるのか知らない」という人や、「どのように取ればいいのかわからない」「使い方がわからない」という声も。さらに「生理休暇というネーミングはよくない。もっとまわりに気づかれないような名前がいい」「男女ともに体調不良休暇としてほしい」という声も。
女性の社会進出が進み、仕事に家事や育児と忙しい毎日を送る人が増えたことによって、子宮内膜症や子宮筋腫など、女性特有の疾患も増えてきているといわれています。生理痛はこうした病気のサインであることもあります。
なかなか休めない、休みづらい状況にいる人も少なくないかとは思いますが、制度を知り、活用することで、自分自身の体をいたわることも今後、必要になってくるのではないでしょうか。