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婦人科医に聞く「生理周期」を利用したかしこいダイエット法

2019/10/11 20:30 投稿

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女性のダイエットは、生理周期にうまく合わせることで効率がアップします。前編では生理周期を生かしたダイエットカレンダーを提案しましたが、今回はより具体的に、周期ごとの食事の注意点をピックアップ。

食と女性ホルモンの関係にくわしい婦人科医で成城松村クリニック院長の松村圭子先生にうかがいました。

「月経前」に甘い物が食べたくなるのはなぜ?

女性の心身に大きな影響を与える生理周期。前編でも紹介したように、一般的とされる28日周期の場合、下記のような変化が生じます。

1.月経後(月経開始から8~14日目)
エストロゲン上昇により代謝がアップする「やせやすいタイミング」。心身ともに前向きになれる、ダイエットがんばり時。

2.排卵後(15~21日目)
ニュートラルな時期。月経後の勢いを生かしてダイエットを。

3.月経前(22~28日目)
PMSまっただなかの「やせにくいタイミング」。プロゲステロン上昇により体重が増加しがちに。むくみや便秘も起きやすい。

4.月経期(1~7日目)
心身ともにブルーな時期。ダイエットは小休止して体を労って。

ダイエット中の女性が気をつけたいのは、「やせにくいタイミング」である月経前の過ごし方です。

松村先生 :

月経前は、美のホルモンといわれるエストロゲンの分泌量がぐっと下がる時期。人生のなかでエストロゲンが急激に減少するのは更年期ですから、小さな更年期が毎月きているようなものなんです。

この時期はホルモンのバランスが乱れがちで、自律神経まで影響を受け、イライラしやすくなります。その解消として、女性はスイーツに走りがち。

月経前はセロトニンという幸せホルモンも減るのですが、脳内でのセロトニン分泌のためには糖質が必要です。必然的に甘い物が欲しくなるんですね。

月経前はストイックじゃなくていい

月経前にスイーツが食べたくなるのは女性にとって本能的な欲求。だからこそ、食べ方に注意してほしいと松村先生は話します。

松村先生 :

こういうとき、おやつを我慢しすぎると反動で食べてしまうので、かえってよくありません。ここは“やせやすいタイミング”である月経後にがんばるつもりで、月経前は食事制限をすこしゆるめてあげましょう。

ただし、血糖値が急上昇するような食べ方はNGです。血糖値が急上昇するとその後で急降下するので、自律神経が乱れてイライラが増してしまいます。

おすすめは、本当に食べたいものを少量食べること。チョコスナックではなく、高級なショコラをひと粒とかね。その程度なら、月経後のがんばりでカバーできるはず。

さらに、食欲をスルーするコツがあると松村先生。

松村先生 :

「食べたい」と思ってもすぐに食べない。まずは自分の視界から外して、5分ガマンしてみてください。

人間は視覚が刺激されることで、不必要なものまで“理性”で食べたくなる習性があります。他のことをしていると、忘れてしまうことが多いですよ。

体内時計のリセットには糖質が必要

月経前~月経中は無理をせず、ストレスをためないことがダイエット成功のコツ。生理によって不足しがちな栄養素をプラスすることも、健康な体を保つためには重要です。

松村先生 :

多めに摂りたいのは、体のもととなるタンパク質。また、経血により鉄が失われやすいので、鉄はしっかり補給しましょう。レバー、赤身の肉、マグロ、鰹は鉄分が豊富。

ほうれん草など植物性の食材に含まれている鉄は吸収率が低いのですが、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が高まります。

ダイエットのために糖質オフの食事をしている方もいるかもしれませんが、朝の体内時計のリセットには糖質が必要です。

「大麦β-グルカン」と呼ばれる水溶性食物繊維が豊富な大麦を朝食に摂れば、「大麦β-グルカン」の働きにより食後の糖質の吸収が抑えられるだけでなく、昼食や夕食後もその効果が持続する「セカンドミール効果」が期待できます。

タンパク質をプラスすれば、さらにリセット効果が高まります。

「日記」で自分のリズムを掴む

生理周期のリズムの波は、いつも一定というわけではありません。波に乗れることもあれば乗れないこともあるので、気にしすぎず、かつ「今までの履歴」をどう生かすかが大事だと松村先生。

松村先生 :

いちばんよいのは基礎体温をつけることですが、メモ程度の日記をつけるだけでも、自分のリズムを掴む手がかりになります。食欲、体重、便通、肌、心はどんな状態か

食事内容もあわせて記録しておけば、より結果と紐付けやすくなるでしょう。

日記をつけることで、見えない問題点が見えてくると松村先生。自分のリズムをつかんで先手を打てば、一時的なダイエットではなく、長期的にベストな自分を維持する方法が見つかりそうです。

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松村圭子(まつむらけいこ)先生
1969年生まれ。広島大学医学部卒業。広島大学産婦人科学教室入局後、2010年に成城松村クリニックを開業。「女性にとって身近で気兼ねなく相談できる生涯のかかりつけクリニック」をモットーに、婦人科診療とエイジングケアの最先端治療を行う。『医者が教える女性のための最強の食事術』(青春出版社)、『40代からの「女性ホルモン力」を高める簡単ごはん』(GEIBUN MOOKS)など著書も多数。

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