季節はずれの暑さが続いていましたが、少しずつ秋の空気になってきましたね。そろそろ、乾燥などの肌トラブルも気になってくるのではないでしょうか。カサカサしたり、くすんだり……顔はもちろんのこと、すねなど、全身のカサカサはかゆみにもつながっていきます。

肌トラブルの理由にもいろいろありますが、内側、つまり栄養不足が原因であることも少なくないようです。

ぷるぷる肌の材料、水はタンパク質から生まれる?

ではどんな栄養が足りていないのでしょう。その代表例がタンパク質。アミノ酸と呼ばれる材料が数珠のようにくっついて物質です。新陳代謝を繰り返す肌細胞の材料となるほか、肌の表面でうるおいを保つ皮脂膜の成分の多くが、タンパク質からできています。  

ご存知のとおり、タンパク質は肉や魚にたくさん含まれています。腸の粘膜で吸収するとき、このままの状態では大きすぎてしまうため、いったんバラバラにし、アミノ酸の状態にしてから吸収していきます。そして体内に取り込まれた後、再び、人間の体に適したタンパク質として組み直していきます。

この、組み直しの作業のときに生まれるのが水。アミノ酸とアミノ酸がひとつくっついたときに、水分子がひとつできます。

さて、乾燥知らずのぷるぷる肌の代表格といえば赤ちゃん。なぜあんなにみずみずしいのでしょう。それは、水分子が大量に作られているからだと考えられます。赤ちゃんは成長の際、体の中でタンパク質を次々と作り続けます。つまり、アミノ酸とアミノ酸がくっつく、という作業を何度も行っている状況。その副産物として水がたくさん作られることになります。そのため、肌もプリプリしている、というわけです。

これは大人も同じ。タンパク質は欠かせません。乾燥肌に悩んでいるという方にお話を聞くと、外側からの肌ケアは懸命にしているのに、食事はコンビニのパンやパスタで済ませている、といったケースは意外に多いものです。

コラーゲンは「材料」でチャージ

余談ですが、美肌対策としてコラーゲンドリンクを飲んでいるという話もよく聞きます。正直、ちょっともったいないな、と感じてしまいます。コラーゲンは、そもそもタンパク質の一種。先に紹介したとおり、ほかのタンパク質と同様、アミノ酸にまで粉々にされて腸から吸収されます。 

これは、飲んだコラーゲンがそのまま肌に届いて使われるとは限らないことを意味します。もし風邪気味だったら免疫細胞に姿を変えたり、ケガをしていたら傷の修復に使われることも……。

コラーゲンを作りたいなら、その材料となるそのタンパク質、鉄、ビタミンCを摂る方が効率的です。ただ、このとき身体は、命に関わるところや優先順位が高いところから栄養を渡していきます。肌のうるおいは、正直、命に関わることでもないので、後回しになりがち。「あまり栄養を取れていないかも」という自覚がある人は、特にたっぷりチャージするといいですね。

肉、魚、卵、色の濃い野菜をしっかり食べよう

このほか、肌細胞の新陳代謝をスムーズにするよう促すには、亜鉛とビタミンA、ビタミンDのサポートが不可欠。亜鉛はカキのほか、牛肉や豚肉、ナッツなど、ビタミンAはレバーやうなぎ、卵黄、色の濃い野菜、ビタミンDは鮭やさばなど魚介類に多く含まれます。  

つややかな肌を目指すなら、卵や肉、魚、そして色の濃い野菜をしっかりたっぷり食べるのが第一。特にタンパク質は、一回の食事で、お魚の切り身一枚と肉一枚、といった具合に、手のひら2枚分のタンパク質を取るのが理想です。そこまでは無理という場合も、おかずをしっかり食べることを意識するだけで、少しずつ肌は変わっていきます。

こういったことが面倒なら、ゆで卵や温泉卵を買っておいてコツコツ食べるのも手軽。ただ、お腹が弱い人は毎日同じタンパク質の食材を食べるのは避けておきましょう。  

今から続けることで、冬本番の頃には「そういえば乾燥用のクリームを使っていないかも」「手荒れが減った」など、変化に気づく瞬間が訪れるはず。さらに、髪のツヤが戻ってきた、といったオマケも期待できるから、うれしいですよね。

ひとつのケアでいろんなパーツがキレイになるのは、内側から行う栄養ならでは。個人的には、外側のケアが減ってラクチンなのも、メリットだと感じています。 今年こそは「冬でもみずみずしい肌」、目指しましょう!

乾燥肌対策はお早めに

皮膚科医に聞く「乾燥肌」を変える7つの新習慣。洗顔料の選び方は?

一品二役で使える「二層式」美容アイテムで夏の乾燥肌対策

image via Shutterstock

RSS情報:https://www.mylohas.net/2019/10/200147skincare.html