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生理前にうつや落ち込みがひどい…可能性がある病気は?

2019/10/04 05:30 投稿

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自分の体をきちんと知ろう! をテーマの連載「カラダ戦略術」。前回は「遺伝性乳がんと卵巣がん」について、お届けしました。今回は、「生理前にメンタル症状が強く出るPMDD」を女性医療ジャーナリストの増田美加がお伝えします。

PMSよりメンタル症状が強ければPMDDかも?!

PMS(月経前症候群)は、生理開始の約10日前~3日前から始まる、乳房の痛み、手足のむくみ、おなかの張り、腰痛、頭痛、うつっぽい、イライラするなどの心と体の不調で、生理が始まると徐々に消失します。約70%の女性がPMSのなんらかの症状があると言われています。*1

ところが、PMSよりメンタル症状が強く現れる場合は、PMDD(月経前不快気分障害)の可能性があると言われています。PMDDは、「月経前不快気分障害(Premenstrual dysphoric disorder)」のことで、精神状態などの情動関係の症状が前面に出る重症例が多いと言われています。日本女性の1.2%が治療対象になるPMDDであるという調査もあります。*1

生理前にメンタル症状がつらくてたまらないという人は、その可能性が…。
*1 T.Takeda.et al,Arch Womens Ment Health 2006

PMDDは、日常生活に支障をきたすようなメンタル症状が強いというのが特徴。 強い抑うつや不安感、怒りなどが出てくることもあります。PMDDの症状も、PMSと同様に、生理が始まると4日以内になくなります。

PMDDのチェックリストを紹介しますので、チェックしてみてください。PMDDの可能性があれば我慢せず婦人科で治療しましょう。

PMDDの可能性が高いメンタルをチェックしてみよう

下の1~4にすべて当てはまる人は、PMDDの可能性があります。婦人科に相談しましょう。
01.下の下線の4つのうち、少なくとも1つに当てはまる。
02.下の全ての項目の合計が5つ以上ある。
03.チェックが入った項目の大部分は、生理開始後3日以内で消失する。
04.下の症状があるとき、日常の活動に支障をきたす。

・うつ気分や落ち込みがひどい
・不安、緊張感、がけっぷちなどの感情がある
・批判や拒絶への感受性が高くなったり、情緒的に不安定で先が読めない
・イライラしたり、怒りっぽくなる

・趣味や日常生活に興味が薄れている
・物事に対する集中力が薄れている
・いつもより疲れて、活動ができにくい
・炭水化物を過食したり、ひとつのものを食べ続ける
・睡眠過多、あるいは睡眠不足
・限界感、自己喪失感がある
・生理前、次の症状のうち少なくとも2つは該当するものがある(□乳房痛・乳房の張り □頭痛 □関節または筋肉の症状 □ワフワした浮遊感 □体重増加)

参考資料/生理のミカタ

PMDDか、PMSか迷ったら……次のチェックで

PMDDとPMSの見極めはむずかしいのですが、下記のPMSの1~4をチェックしてみてください。先ほどのPMDDチェックとどちらがより多く当てはまるかを確認してみましょう。多くチェックがついたほうが、今の状態に近いと考えられます。

生理前5日間で下記の症状があったら、PMSの可能性が高いです。PMSも治療できます。婦人科を受診して相談してみてください。

1.過去3か月以上連続して生理前の5日間に、下記の体と心の症状のうち、少なくとも1つ以上の症状がある。
2.生理開始後4日以内にその症状が解消し、13日目まで再発しない。
3.薬やアルコールによる症状ではない。
4.これらの症状は仕事や生活に明らかな支障をきたす。

体の症状
乳房の痛み
おなかの張り、腰痛
頭痛
手足のむくみ

心の症状
抑うつ気分
怒りっぽくなる
イライラ
不安
混乱
引きこもり

参考資料/生理のミカタ

PMDDやPMSの症状は、ストレスによって変化します

PMDDやPMSは、そのときのストレスや疲労が蓄積すると、症状が強くあらわれやすくなります。女性ホルモンの変動は、毎月女性に起こることですが、つらい症状が強い人や月によってつらい月があるなど、バラつきがあります。

特に仕事で無理が重なったり、人間関係でストレスがあると、不調が強く出ることがあります。婦人科では、医師の問診やチェックリストで診断します。

PMDDやPMSは治療すれば改善できます

婦人科での治療法は、低用量ピル、漢方薬、鎮痛剤、安定剤など、症状によってお薬を処方してもらえます。またPMDDの症状が強い場合は、SSRI(セロトニン選択的取り込み阻害剤)などの軽い抗うつ剤を処方されることもあります。カウンセリングも有効です。

日常生活では、規則的な生活、睡眠、軽い運動、バランスのとれた食事に気をつけることも大事です。たばこはやめましょう。特に食事は、野菜などの食物繊維を積極的に摂って、コーヒーや糖質、アルコールを減らすようにしましょう。リラックスして過ごす時間をとって、仕事を減らすことも対策になります。

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増田美加・女性医療ジャーナリスト 予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。公式ホームページ http://office-mikamasuda.com/

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