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心地よい距離って何センチ?パーソナルスペースを守る方法

2019/09/26 07:30 投稿

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なぜ、他人が自分に近寄り過ぎると不快に感じるのでしょうか。

前回は、人がパーソナルスペースをつくろうとする理由をプリンストン大学心理学・神経科学の教授で、『 The Spaces Between Us』の著者でもあるマイケル・グラジアーノさんと、精神科医でハーバード大学医学部の准教授としてパーソナルスペースを研究しているダフィネ・ホルト医師に教えてもらいました。

今回は、近寄りすぎだと感じる範囲と、パーソナルスペースの守り方を紹介します。

では、どれくらいが“近寄りすぎ”?

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飲み会の席で顔を近づけて話してくる人が、あなたの頸動脈を噛み切って殺そうとしているわけではないことが理屈ではわかっていても、あなたの脳は「あなたが殺されるかもしれない」という危機が迫っていると反応します。

1960年代におこなわれた研究によると、私たちは人によって「4つのパーソナルスペース」を使い分けているといわれます(この理論は現在でも研究者に広く用いられています)。

1. 親密なスペース

あなたに一番近い境界線で、あなたの体からだいたい50cmくらいまでの範囲。これは家族、恋人、親友に限定されます。

2. 個人的スペース

だいたい50cmから125cmくらいまでの範囲。友達や知り合いであれば、このスペースに入ってきてもオッケー。

3. 社交的スペース

だいたい125cmから350cmくらいまでの範囲。 新しく知り合いになった人や他人が近寄れる距離です。

4. 公共スペース

それ以上の範囲です。脳が境界線を設けず、誰でも関係なく入れます。

しかし、これらのスペースの平均は、個人の過去の経験、文化、性格で大きく変わってきます。

研究によると、不安感のある人は、より広範囲の個人的スペースを必要とします。またトラウマ的経験を持つ人も同様に個人的スペースを広く保つ必要性があることが調査で示されています。

ある研究では、テーブルに座った際、女性は自分の横のスペースを守ろうとする傾向がある一方で、男性は自分の目の前のスペースを守ろうとする傾向が強いことが分かっています。

また権力を持つ立場にいる人や、自分に極めて自信のある人は、バブルラップ(神経細胞がつくる空間マップ)が最も薄く、それのせいで他人に近寄りすぎてしまう。自分では気づかないうちに相手に不快感を与えていることがよくあるそう。

グラジアーノさんは「脳が作り出す境界線を、音量調節のボリュームと思ってみてください」といいます。「感情のボリュームが上げられると、境界線はさらに遠くなります。感情のボリュームが下げられると、境界線も近くなります」

パーソナルスペースの守り方

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ネットワーキングのイベントで初めてあった人からなれなれしく肩に手をまわされたり、地下鉄で他人にぐるりと周りを囲まれたり。そんな時に、より快適に過ごすための戦術があります。

1. ボディランゲージで示す

他人が近寄ってきすぎたら、本能的にサッと体を後ろに引きますが、近寄られ過ぎるのを事前に食い止める方法があります。

たとえば、挨拶としてハグやキスをされそうになれば、さっと手をさし出して握手で対応する。あなたと話す時に近寄ってき過ぎる傾向のあるご近所さんや同僚には、郵便ポストや椅子など、相手との間になにかあるようにして立つ。

「ボディランゲージで、触らないで!とはっきりと示せれば、不快な触れ合いを避けることができます」と心理学者で『Boundary Issues』の著者であるジェーン・アダムスさん。

2. やんわりと相手に伝える

「あなたのボディランゲージを相手が読み取れなかったとしましょう。そのような時には、身体的に触れるのが苦手であることを相手にやんわりと伝えましょう」と組織心理学者でオハイオ州立大学の教授であるタニヤ・メノンさん。

「たとえば、自分は潔癖症だからなどと理由をつけて。パーソナルスペースが不適切に侵害されたわけではなく、ただ少し不快感がある程度であれば、個人的な好き嫌いがあることや育ちを理由として伝えるといいかもしれません」

3. 耐える

もしパーソナルスペースの侵害が無害なもので、パワープレーとして意図したものであったり性的なものだったりしなければ、何もしないのが最善策。「文化的な違いから、他人との距離感が近いのかもしれません」(メノンさん)

そのような場合には、これはすぐに終わる、と心の中で唱え、気持ちを落ち着かせやり過ごします。

4. 想像力を活かす

エレベーターや電車が混雑しすぎて、不快に感じませんか?

アダムスさんがすすめるのは、自分が泡の中にいると想像するというもの。そうすると、気分が落ち着いて、安心感が沸きます。もうひとつの対策法として、まわりにいる人たちを無生物と思ってみるというもの。他人を壁や木だと思えば、近くに寄ってき過ぎても不安感は抑えられます。

5. はっきりと言う

「もし相手の距離感や接触してくるのが嫌であれば、それを相手にはっきりと伝え、自分から離れるようにお願いするのは、全く問題ありません」(アダムスさん)

従って、もし頼んでもないのに肩を揉まれたり、腰に手をまわされたりするなど、度を超えたパーソナルスペースの侵害があれば、相手に距離が近すぎることをはっきりと伝えます。時に、その人のそのような行為が相手に気持ち悪い思いをさせていることを教えてあげるのは、その人のためでもあります。

相手との距離感を大切に

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Meghan Rabbit/The Science of Personal Space: Why We Need Boundaries and 5 Ways to Deal When They're Crossed/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)

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