あなたの身近にもいたりして?
たとえば私が晩ごはんをつくっても、「これはちゃんと中まで火が通ってる?」「確かに中まで火が通っているって言える?」と、私のパートナーは何度も確認したりします。
そう、私のパートナーは心気症。私は忍耐強いほうですし、彼の助けになりたいと思っていますが、どうすればよいのかわからない……。
そんな悩みに対して、セラピストが的確にお答えします。今回は、ニューヨークを拠点とするセラピストで、『How Does That Make You Feel: True Confessions from Both Sides of the Therapy Couch』の著者でもあるシェリー・アマテンステインさんが、身近に心気症の人がいる場合の接し方をアドバイス。
まず、「心気症」って?
image via shutterstockまず私たちが理解しておかなければならないのが、「身体症状疾患」や「病気不安疾患」として知られる心気症は、患者にとっては、その身体的不調がとてもリアルな感覚であるということです。
アメリカ心理学会の調査によると、アメリカ人の5%が心気症なのだとか。このような強迫精神症の症状を『Journal of the American Medical Association』誌は「ちょっとした身体的不調に対して自分が重篤な病気にかかっているのではないかと恐れたり、強い思い込みにとらわれる精神疾患のひとつ」と定義しています。
とはいえ、単なる腕のしびれを心臓発作の症状だと言ったりする人と、毎日生活を共にするのは大変なことで、なにより、あなたのメンタルにもよいとは言えません。
週に一度のセラピストとのセッションは、お財布には優しいとはいえませんが、少なくとも精神科医にきちんと診断してもらうことをおすすめします。医師は、症状に適した薬物治療などをすすめてくれるはず。
また不適応な思考や感情に焦点をあてた短期治療である認知行動療法も、心気症にプラスの影響をもたらすことが明らかにされています。
すぐにできる対処法は?
image via shutterstock1. 怖がるパートナーをからかわない
パートナーが頭痛のたびに自分は悪性腫瘍だと怖がるのを真に受けないようにする一方で、決してそれを笑ったりせず、パートナーに共感してあげましょう。とにかく相手は恐怖で気が動転しているのです。なので、そんな状態の相手をあざ笑って馬鹿にしたりするのは、その症状を悪化させ長引かせてしまうことになりかねません。
例をとれば、心気症のご主人をもつエミリー(仮名)は「エドが異常に血圧が高くなっているというときには、分かった、じゃあチェックしてみようか、と言って私は血圧計を持っていきます。エドは私にありがとうと言って、一緒に血圧を測ります。でも、当たり前のことですが、大抵はなんら異常はありません」
2. 境界線を引く
あなたの大切な人が強い不安感をもっている姿を見るのは、とても心が痛むものです。けれど、その想像上の病気や心配ごとをあなたがどれだけ聞いてあげるか、限度を決めることが大切です。20時間、延々といつまでもきくのではなく、20分だけ、と限度を決めること。
またあなたやパートナーが参加できるサポートグループがないか医師に聞いてみましょう。同じ悩みを抱える人たちとつながることは、癒しになります。また、カードの明細をみてギョッとすることがないように、セラピストや治療器具にかかる出費は、ちゃんとあなたの確認を取るようにパートナーに念を押しておきましょう。
3. パートナーとの関係が健全なものか見直してみる
パートナーとの関係でよい点と悪い点をリストにしてみましょう。パートナーと共依存の関係を築いてしまいがちで、あたかも親のように面倒をみていませんか? 自分自身の悩みに向き合いたくないから、パートナーの神経症に集中していませんか?
しかし、フロイトの言葉にあるように、時として葉巻はただの葉巻に過ぎず、何の心理的意味も含まれない場合だってあります。パートナーに気がかりな症状があれば、医者に詳しくみてもらうようにしましょう。
人間関係に役立つヒント
断られるのが怖い? 4タイプ別「苦手な人にうまく伝える方法」
Sherry Amatenstein, LCSW/Ask a Therapist: "Why Do I Always Feel the Urge to Cancel Plans Last Minute—and How Do I Stop?"/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)
コメント
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鼻の奥とのどが痛くて少しくらくらするけれど風邪じゃない?
(ID:5499820)
体の不調はなんであれ理由があって起こるもの。気のせいとか言っていると取り返しがつかないことになるぞ。まずは症状の持続性と発生条件を特定したほうがいい。
(ID:6847371)
医者から病気と診断された方がかえって安心することもある。
特に精神系のは、病気であるという診断があることが自身の状態を認識できる安心感の方が誤診のもたらすデメリット以上に意義があったりするから、なかなかむずかしい。