繰り返し見続ける悪夢に対して有効とされているのが「自律訓練法」です。手足の重みや温かさを感じながら、ゆったりと呼吸をして、体をリラックス状態に導いていくメソッドです。
また、夜間低血糖で悪夢を見やすくなるという報告もあります。夜間低血糖になると、血糖値を上げようとしてアドレナリンやコルチゾールなどが一斉に分泌され、交感神経が優位になります。その結果、悪夢や寝汗、歯ぎしり、筋肉のこわばりが増えて、朝起きたときに頭痛や肩こり、疲労感が残ってしまいます。
これを防ぐには、夕食の糖質を極力少なくすることです。ご飯やパンなどの糖質を控え、タンパク質を増やしてみましょう。もちろん、甘いデザートも控えてください。
ひどい悪夢が原因で日常生活に支障をきたすようなら、レム睡眠を抑え、不安を和らげる薬物療法もあります。睡眠専門クリニックで、相談してみてください。
ハーバード大学のアラン・ホブソン教授は、夢のメカニズムを研究するため、自分の夢日記を300ほど記録したところ、「夢に意味はない」という結論に至ったそうです。夢は「ただの夢」でしかありません。夢に意識を注ぐのは意味のないことだと考え、リラックスして眠りにつきましょう。
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1万人の眠りを変えた快眠セラピストが教える、睡眠改善の画期的新メソッド(=眠トレ)。心地よく眠りにつくためには、体内時計や自律神経、体温、ホルモンなど、すべての準備が整っている必要があります。そのための「生活習慣」や「運動」「考え方」など、著者が20年以上にわたって研究を重ねてきた中で、誰でも実践できて本当に効果がある66の「眠トレ」を厳選して紹介します。
三橋美穂(みはし・みほ)
快眠セラピスト・睡眠環境プランナー。寝具メーカーの研究開発部長を経て、2003年に独立。これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、とくに枕はその人の頭を触っただけで、どんな枕が合うかわかるほど精通している。日本語版を監訳した『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(カール=ヨハン・エリーン、飛鳥新社)はシリーズ累計100万部を突破。NHK「あさイチ」など、テレビ番組の出演多数。