うんちが緑色になる理由とは。うんちの色でわかる健康状態を、消化器内科医師が説明します。
1. 緑色のものを食べた
image via shutterstockうんちが緑色になる主な理由は、緑色のものを食べること。
「緑色の野菜や葉物野菜をたくさん食べると、便は緑色になります。野菜以外では、ケーキの上のクリームで子どものうんちが緑色になることも。クリームに着色料が使用されているからです。これをバースデーケーキ症候群と呼んでいます」とニューヨーク在住で内科、消化器内科のニケット・ソンパル医師は言います。
2. 青色のものを食べた
image via shutterstock「青色+黄色=緑色」という色の組み合わせは、かつて美術の授業で習いましたよね。
「青色や紫色の果物を食べると緑色の便になります。消化の途中で、青色は腸の胆汁の黄色と混じって、明るい緑色になるからです。この事実に驚く人もいますし、診察室で話すと盛り上がることもあります」とソンパル医師。
しかし、ビーツやクランベリーなど赤い色の食べ物を食べていないのに鮮やかな赤色の便が出ていたら、血液が混じっている可能性があります。医師の診察を受けるとよいでしょう。
3. 胆のうを切除した
image via shutterstock普通は胆のうに胆汁が貯められます。でも、胆のうを切除すると、胆汁を貯える場所がありません。「胆のうがないと胆汁(緑がかった黄色の消化液)は体中に溢れてしまいます。慣れてくると腸が調節して胆汁を吸収できるようになるので、症状がよくなります。それまでは我慢です」とソンパル医師は言います。
回復中は、体の声に耳を傾けて医師と連絡を取り合うとよいでしょう。8週間から10週間続いて便に色が付いていたら、症状を医師に伝えます。
4. 感染症にかかっている
image via shutterstock感染症による腸炎や下痢になると、緑色の便が出るかも。
「サルモネラ菌、大腸菌、クロストリジウム・ディフィシル菌のような細菌、ウイルスのほか、ジアルジアのような寄生虫に感染すると、排便回数が増えて下痢になります。胆汁の自然な色は緑なので、それが便に出ているということは、便が茶色になるまでの時間が不十分だったこと。この症状に気づいたら、原因をはっきりさせるために、医師に確認してもらうとよいでしょう」(ソンパル医師)
5. 抗生物質の服用
image via shutterstock前述のサルモネラ菌、クロストリジウム・ディフィシル菌については心配していなかったとしても、抗生物質を使った治療で便が緑色になっている可能性もあります。
ソンパル医師は、「抗生物質は、悪玉菌と一緒に善玉菌を殺してしまうことがあるのです。善玉菌がないと、腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスが崩れて、ときどき緑色の便が出ます。抗生物質の服用中には、サプリメント、もしくはキムチやコンブチャのような発酵食品から摂取できるプロバイオティクス(体によい作用をもたらす微生物)を使って、腸内フローラを整えます」
6. 避妊薬「デポ・プロベラ」の使用
image via shutterstock「排卵を抑える効果がある避妊薬『デポ・プロベラ』によって、体重増加やお腹のハリ(膨満感)を感じる人もいます。私の患者さんの中には、服用を始めると緑色のうんちに気づく人も。薬との関係性はわかっていませんが、一般的には自然に治るので心配ありません。薬の服用で胆汁の働きが促進されている、と考えますが、まだ証明されていません」とソンパル医師。
他の薬で便の色が変わることもあります。例えば、鉄分のサプリメントと同じように「ペプトビスモル」という胃腸薬では黒色の便になることも。もし、緑色の便の原因が食事でなかったら、その心配を解決するために、医師と一緒に診察日を決めるとよいでしょう。
※日本ではプロベラが錠剤として使われています。ペプトビスモルは日本では販売されていません。
この記事は、2019年6月14日にPreventionの医療監修ボードの一員であるレイア・キア医師によって監修されました。
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Kaitlyn Pirie/6 Reasons Why Your Poop Is Green/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)