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信じられないと思われる方もいるかもしれませんが、ある病気が全身を侵しているのに、その病気は目に見えないということがあります。

その病気こそ、アメリカで推定150万人が何らかの形でかかっているとされる「エリテマトーデス」です。

エリテマトーデスとは?

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エリテマトーデスは自己免疫疾患のひとつです。本来なら自分自身を守ってくれる免疫システムが、健康な細胞と組織を攻撃するようになります。

米国ループス財団によると、「エリテマトーデスの約70%は、全身性エリテマトーデスに分類され、心臓、肺、肝臓、脳といった主要な臓器や組織に症状を現します」とのこと。

「何が自分の体で何がそうでないのかを、免疫システムは判断できなくなります」と説明するのは、ジョンズ・ホプキンス医科大学の内科准教授で、ホプキンスループスセンターの副所長で、リウマチ専門医を務めるジョージ・ストイヤン医師。

エリテマトーデスの症状は?

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「体に害のないものから命に関わるものまで、エリテマトーデスの症状はさまざま」とストイヤン医師。これらの症状が進むと、だんだんと本人もつらくなってくるのです。

エリテマトーデスとなった人の65%は、慢性疼痛(慢性痛)がつらいと言います。

エリテマトーデスの主な症状

慢性疼痛(慢性痛) 関節のこわばりと腫れ 顔面の発疹(最も特徴的なのは、鼻から両頬にかけて現れる蝶の形の発疹「蝶形紅斑」) 口内炎 けいれん 心臓や肺の周りの液体による胸の痛み 発熱 分泌腺の腫れ 血球数の低下

エリテマトーデスの要因と治療法はわかっていません。「エリテマトーデスと関係しているらしい事柄はわかっているのですが、因果関係についてははっきりしていません」とストイヤン医師は説明します。

遺伝、ホルモン、環境の変化がエリテマトーデスの進行と関係しているという研究者もいます。しかし、何が病気にもっとも大きな影響を与えているかはあまり答えが出ていないのです。「エリテマトーデスの発症には複数の要因が重なって起こるものと推測されています」とストイヤン医師は解説します。

エリテマトーデスの治療法は?

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ストイヤン医師によると、エリテマトーデスと診断された場合、病気の重症度に応じて治療は行われます。

症状が軽度から中程度のときには、痛み、皮膚の発疹、そのほかの症状を抑えるヒドロキシクロロキンのような抗マラリア剤を処方。臓器を守り、体に及ぶ損傷を防ぎます。この薬を服用することで、炎症の50%が抑えられ、最終的に寿命を延ばす効果があります。本人が続けられる限りは、治療を継続していきます。

ほかの選択肢としては、コルチコステロイドがあります。この薬は炎症に対応するために使い、効果が早期に出ることがポイントです。副作用を避けるため、医師は長期にわたる服用はすすめていません。

「エリテマトーデスの治療法は確立されていないため、その治療は困難となる可能性もあります。しかし、医師と一緒になって治療計画を立てて取り組むことで、病気を治すというゴールに近づくことはできるはずです」とストイヤン医師は説明します。

次回の『Prevention』では、エリテマトーデスになる要因をまとめます。

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Alisa Hrustic/What Causes Lupus? 8 Possible Triggers of the Autoimmune Disease/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)

RSS情報:https://www.mylohas.net/2019/08/195682pvn_autoimmune.html