今回は管理栄養士の藤井歩さんによる、薬に頼らず腸内環境を整える方法を紹介します。
便のタイプによって摂りたい食物繊維は違う
腸内環境を整えるために、積極的に摂取したいと言われる「食物繊維」。実は便秘の状態によって、摂るべき食物繊維は異なります。まずは、自分の便秘がどんなタイプなのかを知り、適切な食物繊維を選びましょう。
1.便が硬くなるタイプには「水溶性食物繊維」
藤井さんによると、便が硬くなりがちな人は、水に溶け腸内の善玉菌を増やしたり、便を柔らかくしてくれる働きがある「水溶性食物繊維」を摂るとよいそう。
■水溶性食物繊維を多く含む食品
りんご、みかん、人参、キャベツ、トマト、海藻や寒天など(「DietPlus」より引用)
2.コロコロした便や下痢タイプは「不溶性食物繊維」
一方で、コロコロとした便が出る弛緩性便秘や下痢になりやすい人は、腸内で水分を吸収して膨らみ、便のかさを増やしたり、腸のぜん動運動を活発にする働きがある「不溶性食物繊維」がおすすめです。
■不溶性食物繊維多く含む食品
いも類、豆類、根菜類、穀物やきのこなど(「DietPlus」より引用)
腸内環境を整える3つの栄養成分
便秘に悩む人におすすめしたい栄養成分は、食物繊維だけではありません。便秘を改善するには、腸内環境を整えていく必要があります。
藤井さんがすすめる、腸を整えるために摂っておきたい栄養成分はこちら。
1.オリゴ糖
ひとつ目は、「オリゴ糖」。一時期話題となった栄養成分ですね。ハチミツに含まれていることは、よく知られていますが、他にはアスパラガス、玉ねぎ、バナナ、大豆などにも多く含まれているそう。
野菜に含まれる栄養素の中でも注目したいのが、「オリゴ糖」です。善玉菌のエサとなり増殖を助けることで、腸内環境を整えて便秘改善を促す効果があると言われています。
(「DietPlus」より引用)
2.乳酸菌
発酵食品に含まれる栄養成分として、よく耳にする「乳酸菌」。
乳酸菌は、悪玉菌を減らし善玉菌を増やすなどの高い整腸作用があり、便秘解消にはとても効果的です。
(「DietPlus」より引用)
ヨーグルトやチーズ、キムチやぬか漬け、味噌などを意識して摂ってみましょう。
3.マグネシウム
むくみ解消などで知られる「マグネシウム」は、便秘解消にもひと役買ってくれます。
マグネシウムは水分吸収を高め、便を柔らかくしたり、カサを増やしたり、腸機能を活発にする働きから、便秘を改善する効果があると言われています。
(「DietPlus」より引用)
マグネシウムが多く含まれる食品は、わかめ、あおさ、青のり、干しえび、ごまなどが挙げられます。
腸疲労に気をつけて!
ほかにも、睡眠不足やストレスによる暴飲暴食などで、腸に大きな負荷をかけてしまっていませんか? 藤井さん曰く、この腸が疲れて機能が低下してしまう状態を「腸疲労」と呼ぶんだとか。
腸疲労では、食べ物を消化・吸収する力が低下し、その結果腸内環境が乱れ、便を排出する力が弱まることで、便秘の原因になる恐れがあります。
(中略)脂質の多いものや刺激の強いもの、消化されにくい食物繊維の摂取は控えるように心がけましょう。
(「DietPlus」より引用)
なんだかお腹の調子が悪いな……と感じたら、腸を休めることも意識してみましょう。
水分もしっかりと
さらに、腸内の水分状態を整えるために、しっかりと水分補給することも忘れずに。藤井さんのおすすめは、常温かつシンプルな、水や白湯、炭酸水を摂取すること。スープや汁ものを食事にプラスするのもOKとのことです。
便秘が原因のぽっこりお腹を解消して、すっきりお腹を目指してみてくださいね。
便秘を解消してすっきり
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