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丸山桂里奈|いまだに緊張するテレビ。自分と周りを信じて全力で

2019/05/31 11:00 投稿

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前回の記事(←リンク貼ります)では、サッカーでは緊張しない。でも、テレビではいまだに緊張するという丸山さん。その理由とは? そして、どうしてテレビに出演するのでしょうか。

素の自分を、全力で出すだけ

――サッカーでは緊張しないのに、どうしてテレビでは緊張するんですか?

「わかりません。わかります?」(丸山さん)

――わかりません(笑)。ただ、サッカー選手としての丸山さんが「流れを変えるスーパーサブ」と認識されたように、今や、テレビに出る丸山さんは「元アスリートなのにめっちゃおもしろい人」と認識されていますよね? それをプレッシャーに感じることもあるのでは?

「え? 私ってそう思われてるんですか?」(丸山さん)

――たぶんそういう感じじゃないかなと思うんですけれど。

「いやでも、おもしろいことを自分が言えるなんて思っていないし、そういうことはやっぱり芸人さんとかがすごいですよね。

だから、私はおもしろいことを言えるかどうかを考えるよりも、その仕事に対して全力で、その時間を全力で過ごそうと思っているだけで……。自分が『おもしろい人だと思われている』なんて、ぜんぜん思ってないです」(丸山さん)

――ちなみに「全力」とは?

全力で人としゃべる(笑)。例えばMCの人に何かを聞かれたら、何も隠さず、素直に話します。そこを全力でやる。

よく言われるんですよ。『どうして年収言っちゃうの?』とか『彼氏のことしゃべっちゃうの?』とか。だけど知りたいから聞いてくれているのに、隠したり、本当じゃないことを言うほうが気持ち悪いと思いませんか?

他の人はそうかもしれないけど、私は、そういうことを素直に話すほうが自分らしいと思うから、特にがんばっているわけでもなく……」(丸山さん)

――あくまで丸山さんは、素の自分を全力で出しているだけ。

「はい。なでしこジャパンの佐々木監督が私にオフサイドのルールを教えてくれなかったのは、それを知らないほうが私が私らしくプレーできるとわかっていたからだとおっしゃっていたんです。それと同じで、考えることが多いとワケがわらからなくなっちゃうから、考え過ぎずに自分らしくいたい。

テレビのお仕事って、一緒に出ている人たちがめっちゃ助けてくれるんですよ。私なんて本当にめっちゃ緊張するし、できることを全力でやっているだけだけど、みなさんは私のことをどんどん助けてくれるから本当にすごい。サッカーみたいですよね、そういうのって」(丸山さん)

――じゃあ、今のお仕事もめいっぱい楽しめている?

「もう、めっちゃ楽しいですよ。もちろんサッカーも大好きだし、じゃなくて大好きだったし……あれ? 大好き? 大好きだった? どっち? まいっか(笑)。

とにかく私はサッカー選手だったから、自分からサッカーを切り落とすことなんてできないじゃないですか。サッカーしかやってこなかったから、まったく別の世界に来てみたら、見るものも聞くこともみんな「はじめまして」だったんです。そういう世界がこんなに楽しいなんて、思ってもみなかった。

自分から『バラエティ番組に出たい』なんて言ったわけじゃないけど、事務所のマネージャーさんたちがそう思ってくれて、助けてくれて、そういう世界を体験させてくれて、それって本当にありがたいことだなって。本当に、心からそう思います」(丸山さん)

自分を信じられるのは自分だけ

――テレビを中心とした仕事をするようになってからの挫折経験は?

「失敗はたくさんあるんですけど、私って本当に恵まれていて、周りの人がちゃんと指摘してくれるんですよ。それを素直に受け入れられるし糧にすればいいと思っているから、挫折と言えるような経験はないかもしれません」(丸山さん)

――でも、人の意見に耳を傾けるって、そんなに簡単なことじゃないですよね。

「『言わないで』なんて絶対に思わないし、むしろ『もっと言って』という感じです。

だって、自分のことって、鏡を見ている瞬間しかわからないじゃないですか。鏡に映っていない時の自分が本当に自分が思っている自分かなんてわからないし、ぜんぜん違う人かもしれない。自分のことは自分より誰か別の人のほうがよく見ているから、その人の意見はそりゃあ聞きますよね。

正解とか不正解はないと思うけど、やっぱり人の意見は大事にしたほうがいい。そのほうが自分の意見をはっきり持てる気がするし」(丸山さん)

――TwitterなどのSNSでも、まったく知らない人からの問いかけにきっちりとリアクションしますよね。

「テレビのお仕事を始めたばかりの頃なんて、賛否の“否”ばかりだったんですよ。でも、私のことが嫌いなのにちゃんと意見してくれるって、それだけですごいことだと思うんです。

嫌いな人に『嫌いです』と伝えるのってめちゃくちゃ大変だと思うから、逆に、そういうエネルギーを使ってくれるだけの何かがあるのかなって。むしろちゃんと話したいなと思う。

もちろん傷つくこともありますよ。だけど私のことを気にかけて言ってくれた言葉だからこそ、『ありがとうございます』という気持ちもあるし、実際にほぼ全部に返信しています。

すっごい不思議で、そうやって“否”を言ってくれる人ほど、ちゃんとコミュニケーションを取ると最終的にはめちゃくちゃ応援してくれたりするんですよね。向き合ってみて初めてわかることって、たくさんあるじゃないですか。だから、嫌いなのに労力をかけてくれたことに対して『ありがとうございます』と思う」(丸山さん)

――どうしてそういう考え方をするようになったんですか?

「私、子どもの頃にイジメられていたことがあって、泣いて帰った時に親から言われたんです。『イジメる子と話してみたら?』と。それを素直に実行したら逆にめちゃくちゃ仲良くなれたという経験があって、たぶんそこからだと思うんですよね。

あとは、やっぱりそういう人たちって自分が見えていない自分をよく見てくれていて、気付かされることもたくさんあるんです。

意見って、たくさんあったほうがいいに決まってるじゃないですか。自分だけの意見で決めるなんて私には無理だから、身近な人でも、そうじゃない人でも、たくさんの意見があったほうが助かる。

十人それぞれ? なんでしたっけ? そう、十人十色(笑)。すぐに忘れちゃうんですよね。大好きな言葉なのに」(丸山さん)

――丸山さんと話していると、やっぱり「メンタルが強い人なんだなあ」と思います。

「自分ではぜんぜんわからないけれど、でも、自分って自分しかいないじゃないですか。ドッペルゲンガーでそっくりな人が世界に3人いるとか言うけれど、ホントにめちゃくちゃ似ているとしてもやっぱり違う人だから。自分は自分しかいない。本当に自分を信じられるのも自分しかいない。

だから、やっぱり、最後の最後は自分を信じるってことが大事だと思うんです。もし失敗したり落ち込むことがあっても、自分を信じることで明日が変わる。がんばらなくてもいいから、信じればいいんじゃないかなって」(丸山さん)

――テレビの印象とはまったく違って、めちゃくちゃカッコいいですね。

丸山:そ、そ、そうですか? 自分では自分のことがわからないから、ありがとうございます(笑)。

丸山桂里奈さんインタビュー前編はこちらから(←リンク貼ります)

元アスリートのインタビュー

アテネ五輪に出場できなかったことで気づいた自分たちの甘さ〜元バドミントン選手・小椋久美子

「速さ」を追い求めて。それがあるから滑ることをやめなかった〜元スピードスケート選手・岡崎朋美

文/細江克弥 撮影/内山めぐみ

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