過敏性腸症候群の人を対象とする研究からは、「ややきつめの運動を週に3~5回続けると、腹痛、下痢、便秘などの症状が軽くなる」と報告されています。過敏性腸症候群でなくても、お腹が弱いとか、お通じがどうも遅れがちだと感じている人にも、運動は有効です。
ここでのポイントは「心地よく感じる」こと。激しい筋力トレーニングよりも、副交感神経を高める有酸素運動のほうが効果があります。有酸素運動とは酸素を取り入れながらじっくり行う運動のことで、歩く、走る、自転車をこぐ、泳ぐなどが代表です。細切れでもかまわないので、1日に合計30分以上行ってください。
ストレス性の消化管障害には、心と体をリラックスさせることも有効です。おすすめは「筋弛緩法」。顔、首、肩、腕、足などの順で筋肉に力を入れて10秒たもち、息を吐きながらすっと脱力するのを繰り返すだけです。
大切なのは、力が抜けたときの楽な感じをじっくりと味わうこと。いつでもどこでも行えるので、ぜひ気軽に試してみてください。
30日間の「胃腸を強くする方法」をもっと見る
胃腸を最速で強くする 体内の管から考える日本人の健康 (幻冬舎新書)
842円
「胃腸を最速で強くする 体内の管から考える日本人の健康」(幻冬舎新書)
「胃痛の原因はストレス」「ヨーグルトで便秘が治る」――そんな誤解をしていませんか? 人間の体は巨大な一本の管=消化管でできているのに、私たちは驚くほどその実態を知りません。本書では強い消化管をつくるために欠かせない食事や生活習慣を、日本人の体質を研究する予防医学医の奥田昌子さんが解説。なぜ日本人は「胃腸が弱い」のか、その秘密を紐解きます。