人生、ときどきは脇の下に汗をかくような状況もあります。でも、ノーマルなレベルを超えて、見た目にも影響するほどならどうでしょう?

汗をかくことは気持ち悪いといえども、必要不可欠な身体の機能です。「体温を調節するために汗をかくのです」と、テキサス・ヘルス・プレスビテリアン病院(テキサス州ダラス)皮膚科医、コリン・エリクソンさん。体温が正常範囲の上限となる37度を超えてくると、身体は汗腺から汗を出して下げようとします。そして、汗が皮膚表面に出て蒸発し始めると、涼しくなって快適に感じるわけです。

この機能で唯一まずいところとは……。それは臭うことです。アメリカ国立衛生研究所(NIH)によると、汗自体は透明で無臭の液体ですが、皮膚表面の細菌と混じるとイヤな臭いになります。その上、服に浸み込んでシミの元に。

平均よりたくさん汗をかく人がいるのも事実。でも、とくに理由もなく汗をかいたり、そんな状況でもないのに(例えば、寒い屋外で)汗をかいたりするなら、何かの病気かもしれません。そこで、汗のかきすぎ(“多汗”と呼ばれます)について、そして悪臭と湿り気を抑えておく方法について、専門家に聞いてみましょう(全2回構成)。

脇汗をかきやすい人は?

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汗のかき方はひとそれぞれ。

ほかの人よりたくさん汗をかく人もいます。走るのが速い人がいるのと同じです」と、プロビデンス・セント・ジョンズ・ヘルスセンター(カリフォルニア州サンタモニカ)で多汗症プログラムを担当する胸部外科医のオシタ・オヌガさん。多汗は遺伝する傾向がありますから、いつも汗をかいているように見える家族がいるなら、自分もそうかもしれません。

別の理由でたくさん汗をかく人も。「身体の引き締まった人は、それほどでもない人よりすぐに汗をかき始めます。身体をクールダウンして、持久力を保とうとするのです」(エリクソンさん)

そして、同じ汗でもヘルシーではない場合も。「体重が多すぎる、お酒を飲みすぎる、それから喫煙する人も、発汗が多くなります」とエリクソンさん。熱があるときや閉経期にも、たくさん汗をかきます。

でも、いつも服が汗びっしょりで、原因がわからない場合は?汗をかきすぎる症状、“多汗症”かもしれません。アメリカでは成人のおよそ5%が当てはまります。「多汗症は日常生活にも大きく影響します。目がさめるやいなや汗をかき始め、眠っている間は止まるという状態です」と、オヌガさん。

アメリカ国立衛生研究所によると、多汗症は甲状腺の活性過剰や神経系の障害、低血糖など別の病気からきているケースもありますが、単独でも発症します。

寒いのに脇汗をかくのはなぜ?

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危険に対する身体の反応、交感神経の働きにより発汗は促されます。そのため寒くても、とても神経が高ぶっていたりストレスがかかったりすると、汗をかくことがあるわけです。具合が悪いときや、血圧または血糖値が下がったときにも。いわゆる“冷や汗”をかく可能性があるのです。

アメリカ国立保健衛生研究所によると、冷や汗は多汗症のサインかもしれませんが、体温調節に問題が起きる遺伝性の病気、“寒冷誘発性発汗症候群”のサインでもあるそう。ですから、何の理由もなく大量に汗をかくとか、寒いのに頻繁に汗をかくようなら、医師に相談しましょう。

次回の『Prevention』では、脇汗を抑える方法を説明します。

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訳/STELLA MEDIX Ltd.

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