過敏性腸症候群(IBS)は、少し前まで、便秘型、下痢型、便秘と下痢を繰り返す交互型に加えて、ガスがたまってお腹が張るガス型の4つに分類されていました。しかし現在では、ガス型は「機能性腹部膨満症」という別の病気に分類されています。
じつはIBSでも、「ガスが大量に発生してお腹が苦しい」と感じる人は少なくありません。しかし大腸で発生するガスの量を調べると、その量は健康な人とほとんど変わらないのです。
IBSになると、腸の粘膜が敏感になり、わずかな刺激でも腹痛があらわれます。ある実験で大腸のなかに小さな風船を入れてふくらませ、腸の壁を刺激したところ、健康な人は何も感じないくらい弱い刺激でも、IBSの人には腹痛が起きました。
つまりIBSの人は腸の粘膜が敏感になっているため、ほんの少しガスがあるだけでお腹が張ったような気がして、実際以上にたまっているように感じてしまうのです。
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