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大豆イソフラボンが腸内でエクオールに変わると更年期症状が和らぐ!

2019/05/17 05:30 投稿

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自分の体をきちんと知ろう! をテーマの連載「カラダケア戦略術」。前回は「ホルモン補充療法(HRT)の選び方」について、お届けしました。今回は、「自然界にある天然のエストロゲン=大豆イソフラボン」について女性医療ジャーナリストの増田美加がお伝えします。

エストロゲンに似た作用で更年期の不調対策に!

自然界の中にもエストロゲンに類似した物質がいろいろあります。そのひとつが「大豆イソフラボン」です。

大豆イソフラボンには、エストロゲンと似た作用があって、更年期の症状が和らぐと言われています

アメリカでも、大豆イソフラボンはホットフラッシュ、自律神経失調症状を緩和し、更年期症状に効くと、女性たちが注目し、サプリメント業界は大きな市場になっています。まさに更年期に最適の成分です。

大豆を摂ってもイソフラボンの恩恵を受けられない人が50%も

「大豆が女性の美容と健康にいい!」ということは、私たち日本人にはよく知られている話です。

それは、大豆に含まれている大豆イソフラボンという成分が、女性ホルモンのエストロゲンとよく似た働きをするためです。

「日本女性は大豆製品をよく食べるため、更年期障害が軽い」「欧米人に比べ、日本人の骨粗鬆症の発症率が低いのは、大豆製品をよく食べることと関係している」と、イギリスの医学専門誌に取り上げられたこともあります。

ところが最近の研究で、大豆イソフラボンがある腸内細菌によって、「エクオール」という物質に変わり、これがエストロゲンとよく似た働きをしていることが解明されたのです。

さらに、この腸内細菌を持たず、大豆イソフラボンがエクオールに変わらない日本人が約50%いることもわかりました。

この50%の人は一生懸命、大豆製品や大豆イソフラボンのサプリメントを摂っても、エストロゲンに似た作用の恩恵を受けられないのです。

欧米人はもっとエクオール産生者が少なく、70~80%も作れない人がいます。

エクオールを作れるかどうかは検査でわかります

では、このエクオールを作る腸内細菌を持たない人は、どうすればいいのでしょうか?

大豆製品や大豆イソフラボンでなく、エクオールそのものをサプリメントで摂るという方法があります

また、自分がエクオールを作れるかどうかは、尿検査でチェックすることも可能です。

エクオールは、体で作用した後、尿から排出されるため、尿検査で測定が可能なのです。専用の採尿キット「ソイチェック」で、前の晩に大豆製品(納豆なら1パック、豆腐なら半丁)を食べて翌朝一番の尿を採取します。返信用封筒に入れ郵便ポストへ投函すれば、検査結果は約1週間後に届きます。

ソイチェック」採尿キットはホームページから購入可能。注文から数日で到着。

エクオールは骨粗鬆症予防やシミ、シワにも

エクオールを作れることが検査でわかったら、大豆製品を食事から摂ればOK。1日の必要量の目安は、木綿豆腐なら3分の2丁、納豆なら1パック程度です。

毎日摂るのが大変だったり、更年期ケアの基本として摂っておきたい人は、サプリメントを利用する手もあります。

最近、エクオールの体内での作用やメカニズムが急速に解明されてきています。エクオールは、更年期症状をやわらげ、骨粗鬆症の予防や改善、シワの改善効果が報告されています。

また、抗酸化作用によるシミの改善、美白、血管の健康を保つ、乳がんの抑制など、女性に嬉しい作用が期待されています。

エクオールが作れない人は更年期症状が強く出る確率高

エクオールが作れない人に、更年期症状が強く出るリスクを1としたとき、エクオールが作れる人に、更年期症状が出るリスクは100分の7の確率に減ると言われています。

また、別の研究でホットフラッシュ(のぼせ、ほてり)がある人が、エクオールを12週間摂った結果、明らかに改善したという報告もあります。

エクオールを作れない人はサプリメントでも

大豆を乳酸菌で発酵させることで作られた、エクオール含有サプリメントがさまざま売られています。成分は、大豆胚芽とほぼ同じです。

エクオールを作れる人でも、大豆イソフラボンは体内にとどまっていないため、毎日大豆製品を食べる必要があります。

大豆製品の1日の必要量の目安は、木綿豆腐なら3分の2丁、納豆なら1パック程度です。必要量を毎日、摂れない人にもおすすめです。

女性ホルモンの減少で顔面の骨は40代から減ってくる

さら最近詳しくわかってきたのが、骨への影響です。

更年期以降、エストロゲンの低下によって骨密度が減少し、骨粗鬆症になりやすいことは知られています。

しかし、これまで顔面の骨密度に注目することはあまりありませんでした。ところが肌を支える顔面骨の骨密度も例外ではなく、40代から減っていくのです。

米国のある研究で、年代別に、腰椎(腰の骨)と顔面骨(上あご、下あご)の骨密度を比較しました。その結果、腰椎よりも顔面骨のほうが骨密度の減少が激しいことがわかりました。

さらに、腰椎の骨密度減少は、61歳以上で起こるのに対し、顔面の骨密度減少は41歳~60歳の更年期世代で起こっていることが明らかになっています。

顔面の骨が減ると老け顔に!

顔面骨は、顔の筋肉、脂肪組織、肌組織の全ての土台です。その土台が萎縮すれば、必然的に、肌はたるみます。特に目の周りの骨が萎縮すると、くぼんで老け顔に見えます。

骨粗鬆症や老け顔予防のために、骨密度の減少を抑えるためにも、エストロゲンに似た作用のある大豆イソフラボンを摂ることで、低下したエストロゲンを補います

大豆イソフラボンに含まれる成分ダイゼインが腸内細菌で代謝され、産生されるのがエクオールです。これがエストロゲンに近い働きをします。

大豆イソフラボンを意識して摂ることで、全身はもちろん顔面の骨密度減少も防ぎましょう。

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増田美加・女性医療ジャーナリスト 予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。公式ホームページ http://office-mikamasuda.com/

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