受験や就職など、誰もがストレスを感じざるを得ない状況でも、胃腸の不快感に悩まされる人と悩まされない人がいます。この差はどこから生まれるのでしょうか?
そのひとつと考えられるのが、遺伝の影響。ストレスを受けたときに体内で起きる反応の強さや進み方には、遺伝にもとづく個人差があるようです。
ある実験では二卵性の双子と、遺伝子が完全に同じ一卵性の双子を比較。双子の一方が過敏性腸症候群を発症した場合、もう一方が同じ病気を発症する確率は、一卵性双生児のほうが2倍高かったといいます。
ただし一卵性双生児であっても、もう一方の双子が過敏性腸症候群になる確率は約14%でした。発症に遺伝が与える影響は、それほど大きくないと捉えることもできそうですね。
傾向として、もともと体のなかでウィークポイントだったところや、生活習慣のせいで負担がかかりがちな場所は、ストレスが重なると不調を起こしやすいと考えられています。1度自分の生活習慣を見直してみると、病気を未然に防ぐことができるかもしれません。
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