膣のゆるみの正体は?
セックスが気持ちいいと感じられない、パートナーから「もっと締めて」と言われてしまう……。こうした膣のゆるみの正体は、骨盤底筋群の筋力低下。実は、膣を締める動きは膣自身によって起こるのではなく、周囲にある骨盤底筋が収縮することで起こるのです。
骨盤底筋は、膀胱や子宮、直腸を支えているハンモック状の筋肉です。この筋肉が衰えると、その上の臓器が支えられなくなって、膣から臓器が出てしまう子宮脱、膀胱瘤といった症状が出てくることも。
筋力低下のいちばんの原因は出産と加齢です。膣のゆるみは、セックスの満足度の低下や尿もれ、お風呂のお湯が膣にたまる、タンポンが漏れる、といったプチトラブルを引き起こします。
衰えてしまった骨盤底筋には、筋トレが有効です。それが、いわゆる“膣トレ”。骨盤底筋を鍛えることで、その上の骨盤や臓器も正しい位置に収まり、ぽっこりおなかの解消、ダイエットにもつながります。
一日5分の膣トレで感度アップ!
膣を締める感覚をつかむためにおすすめなのが、ペットボトルを使ったトレーニングです。
2Lの空のペットボトルを用意し、脚の付け根にはさみます。両足のかかとをつけ、つま先は90度くらいに開きましょう。 おしりの山をギュッと近づけるようなイメージで力を入れます。ゆっくり呼吸しながら5秒くらいぐーっと力を入れ、ふーっと力を抜きます。前かがみになったり、後ろに反ったりしないように注意して。これを一日に5分行うだけ! 1分×5クールというように分割してもOKです。
みつゆき先生のおすすめは、洗面台にペットボトルを常備しておいて、歯磨きやドライヤーのついでに膣トレをセットする方法。つらさゼロで、いつのまにか骨盤底筋を鍛えることができます。
また、自宅でテレビを見ているときやオフィスでの作業中、就寝前なども絶好の膣トレタイム。
イスに座ってできる膣トレ:骨盤を立てるようにして座り、両足をそろえ、両膝の内側に紙を一枚挟みます。紙が落ちないようにひざをくっつけておくだけで、骨盤底筋の筋トレに。 就寝前のベッドでできる膣トレ:仰向けに寝て軽くひざをたて、膣口と肛門の間にあたる会陰に指を当てます。下っ腹を吸い上げるようなイメージで力を入れると、会陰がクッと奥に入る感覚があるはず。骨盤底筋が収縮している証拠です。レーザー照射や膣縮小手術という方法も
確実に膣のゆるみを解消したいときには、手術という方法もあります。
女性器専用のレーザーは、照射によって膣内のコラーゲンが増え、膣壁の粘膜が厚くなることでゆるみを解消する効果が期待できます。
また、膣壁を引き締める外科手術もあります。ただし、手術は筋肉を切開して縫い合わせるため、少しでも出産の可能性がある人にはおすすめできません。
現代女性は膣トレ必須!
骨盤底筋のゆるみには、生活スタイルの変化も関係しているといいます。最近は、和式のトイレにしゃがめないという方も多いそう。イスの生活が中心になったことで、若い世代にも骨盤底筋の筋力が低下している人が増えていると、言われています。
膣トレは、セックスの満足度を高めるだけでなく、美姿勢やダイエットにも効果的! 毎日の習慣にぜひ取り入れて。
みつゆきみどり先生
国立佐賀医科大学(現佐賀大学)医学部卒業。九州大学医学部附属病院第二外科、佐賀県立病院などで外科、救命救急、麻酔全般を習得後、美容外科でボディデザイン、婦人科形成手術などの症例を多く手がける。2009年には、アメリカにて、レーザーによって女性器を治療・改善するライセンスを取得。2010年、日本初の女性医師による美容婦人科クリニック「みどり美容クリニック・広尾」を開院。
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