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日本でも流行が続く性感染症。脳梗塞、心不全などにつながる怖い病気も

2019/03/12 22:00 投稿

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「性感染症」と聞くと、“自由な性を謳歌する一部の人だけの問題”と思う人も少なくないでしょう。けれど、みどり美容クリニック・広尾のみつゆき みどり先生は「性感染症は決して人ごとではありません」と警鐘を鳴らします。

たとえば、国立感染症研究所によると、性感染症のひとつである梅毒の届出数は2011年から毎年増え続け、2017年には44年ぶりに5,000人台を突破。流行が続いています。みつゆき先生に、注意すべき代表的な性病とその症状を伺いました。

性感染症、なにがこわい?

性交渉でうつる病気を、性感染症といいます。初期は自覚症状がないことも少なくないため、気づいたときにはかなり進行していることも。感染に気づかずに性交渉を持って、相手に病気をうつしてしまう、ということも多いようです。

性感染症は、抗生物質がよく効くため、治療は決して難しくありません。ただし、治療が遅れると、知らないうちに感染者を増やしてしまったり、不妊につながったりと、あなどることのできない病気です。 症状に思い当たることがあったら、早めに診察を受けることが重要!

性感染症の種類と症状をチェック

クラミジア感染症

クラミジア・トラコマティスという細菌が引き起こす感染症。精液や膣分泌液、だ液などを介して感染するため、性器感染だけでなく、オーラルセックスによる咽頭感染にも注意が必要です。

感染しても自覚症状がないことが多く、気づきにくいのが厄介なところ。とくに女性の約80%は無症状であると言われています。

代表的な症状は子宮頸管の炎症で、下腹部の痛み、性交痛、排尿痛、おりものが増える、不正出血などが見られます。放っておくと、子宮外妊娠、不妊症につながる可能性があるため、早期の治療が必要です。妊婦さんが感染すると、流産や早産のリスクが高まったり、出産時に赤ちゃんが感染してしまう危険もあります。

淋病

淋菌の感染によって、生殖器や周辺臓器に炎症を起こす病気です。感染力が非常に強く、一度の性行為でも感染する確率は約30%。また、淋病に感染した人は、ほかの性感染症を併発していることも多く、約30%に上述のクラミジアの感染が認められます。

男性は排尿時や勃起時の激しい痛み、尿道から大量の膿のような分泌物が出るなどの症状が出ますが、女性は痛みがほとんどないために感染に気づかないこともあります。

ただし、症状にあらわれなくても子宮頸管に炎症を起こし、卵管炎や卵巣炎、さらに骨盤内まで炎症が広がる恐れもあります。炎症がおさまっても卵管がかたく癒着してしまって、不妊症や子宮外妊娠の原因となることもあり、早期発見・早期発見が大切。パートナーに淋病の兆候が見られたときには、必ず検査を受けましょう。

梅毒

梅毒の原因菌は、トレポネーマ・パリダムという細菌。感染経路は性交渉で、オーラルセックスでも感染します。3〜13週間の潜伏期間ののち、症状が現れはじめます。

初期は性器周辺、口など、感染を起こしたところに小さなしこりができるだけで、痛みはありません。また、足のつけ根のリンパ節に腫れが生じることも。どちらもしばらくすると自然に消えてしまうことも多いものの、病気が治ったわけではなく、一時的に隠れているだけです。

次の段階に進むと、手のひらやおなかなどに赤い発疹が出てきます。バラの花の似ていることから「バラ疹」と呼ばれるもので、この段階になってようやく気づく人も少なくありません。

現在、日本では梅毒によって命を落とす人はいませんが、もし治療をせずに放っておけば、髄膜炎、脳梗塞、心不全などによって死に至ることもある病気です。また、妊婦さんが感染し、適切な治療を行わなかった場合、胎児に先天梅毒の症状が出ることもあります。

トリコモナス

トリコモナス原虫という目には見えないほど小さな原虫によって炎症が起こる、性感染症の一種。ほかの性感染症と違い、共用のタオルやトイレ、お風呂などで感染する可能性もあります。

トリコモナスは、膣内、子宮頸管、膀胱、尿道に寄生し、寄生した部位で増えていきます。特徴的な症状は、泡状の異臭の強い黄色いおりもの。その匂いは、「魚が腐ったような匂い」と形容されることもあるほどです。また、膣やその周辺に痛みやかゆみを生じることも。放置すると炎症が進んで、不妊症や早産・流産の原因になります。

予防はコンドームの使用!

性感染症から身を守るための一番の選択肢は、コンドーム。挿入時だけでなく、オーラルセックスのときにも使用することを徹底しましょう。

また、不特定多数とのセックスは、性感染症のリスクを高めます。性感染症では、自分自身が治療をしても、相手が治療を受けなければまた感染してしまう「ピンポン感染」が多いのも大きな問題です。性感染症と診断されたときには、必ずパートナーにも治療を受けさせましょう。

いつもと違うおりもの、不正出血があったら病院へ

女性の場合、性感染症にかかっても自覚症状がなく、なかなか気付きにくいといわれます。もし、ふだんよりもおりものの量が多い、色やにおいが違う、不正出血がある、また性器のかゆみや痛みなどの異常を少しでも感じたときは、ためらわずに病院を受診しましょう。

みつゆきみどり先生

国立佐賀医科大学(現佐賀大学)医学部卒業。九州大学医学部附属病院第二外科、佐賀県立病院などで外科、救命救急、麻酔全般を習得後、美容外科でボディデザイン、婦人科形成手術などの症例を多く手がける。2009年には、アメリカにて、レーザーによって女性器を治療・改善するライセンスを取得。2010年、日本初の女性医師による美容婦人科クリニック「みどり美容クリニック・広尾」を開院。

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