女性がセックスをしない場合に膣がどうなるのか、そこには数え切れないほどの迷信があふれています。「新しい処女膜ができて、また処女になる」とか「掃除機が要るくらいクモの巣が張る」とか、まったく混乱しています。
ぎょっとするような話ばかりですよね。
本当のところ、いくらセックスに積極的な人でも、ときどきはどうしてもご無沙汰になることもあります。パートナーと別れたばかりであれ、性欲が急に減退したのであれ、セックスの頻度には人生を通して変動はあるものです。
ですから、頻度が減ったときにどうなるのかわかっていれば、気が楽になります。そこで2人の産婦人科医に事実を聞いてみました。
1. 閉経前なら、一時的に弾力性がなくなるも戻ります
「膣は弾力性を持った管(チューブ)です」と、オハイオ州の医療機関で産婦人科医として働くサリナ・ザノッティさんは説明します。しばらく使っていないと、少し硬くなるかもしれない、ということ。
でも、ザノッティさんは「閉経前の女性なら、元の弾力に戻ります」とも解説します。それは膣の弾力性とうるおいを保つのを助けるホルモン、エストロゲンのおかげです。
閉経前の女性はまだエストロゲンを多く作りますから、セックスをしない期間が長くても、いつまでも弾力を失ってしまう心配はありません。
2. 閉経後なら、もっと膣の弾力性がなくなります
ザノッティさんによると、閉経後の女性は、セックスレスの期間が長いと膣の弾力性はより失われやすく、そうした状態が続く期間も閉経前の女性より長くなります。
それは、身体がエストロゲンをあまり作らなくなるせいで、膣の弾力性とうるおいがそもそも減るからです。
ザノッティさんによると、「閉経後に(膣を)また伸ばすのはとても大変」といいます。閉経後の女性で、ある程度膣の弾力性を保ちたいと思ったら、“使わないとダメになる”と考えるとよいかもしれません。
諦めなくていいのは、潤滑剤がたくさんあることです。表面をなめらかにするだけではなく、乾燥を保つような保湿のための製品を使うことで、膣の乾燥を防いでくれる可能性があります。
3. 新しい処女膜ができることは絶対にありません
「まったくの迷信です。処女膜は膣の発達段階にできたもので、女性が(初めて)性交するか、多分タンポンを使ったときにでも破れます。その組織は再生しませんし、膣が閉じることはないのです」(ザノッティさん)
「閉経後しばらく経った女性は、膣の入口が少し縮んだ感じがするかもしれません」とザノッティさんはいいますが、「どんな人でも、人生の間に処女膜がもう一度できることはありません」
4. 「干上がる」わけではありません
長い間セックスレスの女性に処女膜がまたできると多くの人が信じ込んでいるように、セックスをしないと膣が「干上がる」という噂もあります。
ニューヨークにある女性専門の医療機関Walk In GYN Careの創設者で産婦人科医のアディーティ・グプタさんによると、これも迷信。「ご無沙汰だからといって、“何もかも干上がってしまう”とは考えないでください」
そうではなく、その気になったらいつでも、いつもの気持ちの高揚感やうるおいは得られるはずです。
例外もあります。上に書いたように、閉経後の女性は膣が乾燥しやすくなりがち。これはセックスをしないからではなく、エストロゲンが少なくなったせいです。
5. 経口避妊薬を使っていると、乾燥するかもしれません
セックスをしていないからといって「干上がり」はしませんが、経口避妊薬を服用していると、膣が少し乾燥した感じになる場合があります。
定期的にセックスをしている人でも、しばらくしていない人でも、ザノッティさんによると、膣からの分泌液の変化は避妊薬の副作用のひとつで、多くなることも、少なくなることもある、とのこと。
「ときどき若い女性で、膣の乾燥を訴える人がいます。特定のホルモン避妊薬を使っていると、膣の潤滑性を高めてくれる液が少し出にくくなるようです」
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