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体重を落とすのは、確かに大変な努力がいります。しかし、だからといって、特定の食品や栄養を摂取しないという極端な食事制限を行う必要はありません

体重を減らすという目標のジャマにならず、自分にあった正しい食事を選ぶためにも、避けるべき流行のダイエットを栄養士の皆さんに聞きました

ケトダイエット、ジュースクレンズなど、前編はこちら

1. リンゴ酢ダイエット

ミーガン・フォックスはリンゴ酢を欠かさず飲んでいましたが、受賞歴もある栄養専門家でウォール・ストリート・ジャーナルのベストセラー料理書の著者トビー・アミダーさんは、それに意味があるとは考えていません。

リンゴ酢を飲んで、食欲が減退して体重が減ったとしたら、それはおそらく、お酢の酸からくるむかつきや腹痛によるもの

「食事にどうしてもリンゴ酢を取り入れたいなら、ドレッシングやマリネ、ソースに加えるなどして、料理においしく活かしましょう」

2. ゼロシュガー・ダイエット

「多くのセレブは、“ほんのわずかな砂糖ですら摂らない”と誓っています。水着姿でも大丈夫な引き締まった身体になるために、ほんのちょっとの甘いものさえも禁止しているのです。シェリー・シェパードがこのアプローチを好んでいますね」と話すのは、The Mesothelioma Centerの認定管理栄養士で公衆衛生修士のスザンヌ・ディクソンさん。

これはつまり、いちごやサツマイモといった、フルーツや野菜も食べないということ。最悪なのは「ビタミンやミネラル、病気と闘うファイトケミカル(フィトケミカル)を摂取できないことです」

3. 血液型ダイエット

血液型ダイエットは、健康を促進し体重を減らすには、あなたの血液型にいちばんあった食事法とライフスタイルを選びなさいというもの。

「4つの血液型すべてに共通する食事方法は、本物の自然食品が基本になっていて、これは加工食品や糖分の多い食事をしている人なら、誰にでも確実にメリットがあります」と、管理栄養士のマギー・マイカルチャイクさんは言います。

しかし問題は、不必要なところにピントが合っている点だそう。「ある血液型は特定の病気のリスクが高いというエビデンスもあるにはありますが、それが、食生活となんらかの関係があるのかどうかを示す研究は存在しません」

4. ティートックス

ティートックスとは、市販の便秘薬にも使われている薬草のセンナなど、特殊な添加物が入った「やせるお茶」を取り入れたダイエットです。

「アメリカ国立衛生研究所によると、センナは短期間摂取するぶんには安全としていますが、長期にわたって服用するのは安全ではありません。体重を減らすために下剤のようなサプリを服用することは、下痢と脱水を引き起こすので危険な場合があります」と管理栄養士で、栄養に関する本も執筆しているナタリー・リッツォさん。

5. アルカリ性ダイエット

アメフト選手のトム・ブレイディ、女優のケリー・リパをはじめとするセレブに人気のこのダイエットは、血液中の水素イオン濃度pH(ペーハー)のバランスを保つ食品を食べようというもので、科学的な根拠はありません。

「問題なのは、身体は、独自のメカニズムによって非常に狭い範囲内で血液のペーハーを保っているので、ペーハーに影響するような医療的な処置を受けているのでない限り、食べたり飲んだりするものによって、影響を受けることはないという点です」と、Appetite for Healthの共同設立者で栄養士のジュリー・アップトンさんは説明しています。

6. レクチンフリー・ダイエット

体重を16kgも落とすことに成功したケリー・クラークソンのおかげでレクチンフリー・ダイエットが注目されるようになりました。しかしこのダイエットも、心臓専門医が提唱したにもかかわらず、科学に基づくものではない、とアプトンさんは指摘します。

「このダイエットが前提としているのは、穀物や豆類、イモ、ナッツに含まれるタンパク質の一種、レクチンを避けなくてはならないというものです。ダイエットの考案者は、レクチンの含まれる食品を除外することで、健康を改善し、体重減少を促進できるとしています」

しかし、食品中のレクチンは身体にとって完全によいものなので、それらを消化できない人でない限り、この食事療法に従う必要性はありません

7. セロリジュース・ダイエット

炎症を減らし、ワークアウト後の筋肉の回復を助けるとして、ビジー・フィリップスやリア・ミシェルなどのセレブが、この緑色のジュースをすすめていますが、セロリジュースだけを飲んでも体重は減らせません

「セロリをジュースにして、1日のうちでいつそれを飲もうが、メリットはありません。セロリは栄養のあるおいしい野菜ですが、ジュースにしてもまったく意味がないのです」と言うのは、RSP Nutritionで栄養コンサルタントをつとめる認定栄養士のモニカ・オースランダー・モレノさん。

「コスト、過剰な抗酸化物質、液体を摂取することによる繊維質や脂肪の不足、満腹感が得られないなど、あらゆる点を考慮しても、セロリジュースは意味のないダイエットです」

8. 活性炭飲料

活性炭の愛好者には、キム・カーダシアンやグウィネス・パルトローがいますが、活性炭を日常の食事に取り入れるのはやめたほうがいいと、モレノさん。

「これにはいまだに私は困惑させられています。私がかつて病院に勤務していたときには、アルコールやドラッグの深刻な過剰摂取に対する緊急解毒治療薬として、活性炭が使われているのをよく目にしていました。たしかに活性炭は体内の毒素と結合しますが、そもそも食べ物は毒素ではないということを、健康的な人たちは知る必要がありますね」

9. グレープフルーツ・ダイエット

毎食グレープフルーツを食べるグレープフルーツ・ダイエットでは、1日あたり1000kcalに制限し、12日間で体重を4.5kg減らすと謳っていますが、これには科学的な裏付けはない、とマイカルチャイクさん。

「継続できるような計画ではないので、体重を減らすのにすばらしいとはいえないですね。摂取カロリーが少ないために、短期間で体重は落ちるかもしれませんが、終了したらすぐに体重が戻ってしまう可能性が非常に高いです」

グレープフルーツは、ちょっとした楽しみとして朝食に味わうようにしましょう。

10. キャベツスープ・ダイエット

キャベツスープ・ダイエットは、毎回の食事にかなりの量のキャベツスープを食べるという点を重視しています。スープに加えて、1〜2種類の他の低カロリー食品を食べてもよいことになっていて、7日間で体重減少を加速させるとのこと。

「しかし、これは非常に制限が厳しく、長期間続けられるものではありません」とマイカルチャイクさん。「この非常に低カロリーのダイエットから通常の食事に戻ると、体重ももとに戻るでしょう」

キャベツを味わうのにもっとよい方法は、ビタミンCや、消化がよいというメリットを得るために食事メニューに取り入れること。

11. ベビーフード・ダイエット

グウィネス・パルトローのトレーナー、トレーシー・アンダーソンが考案したという噂のベビーフード・ダイエット。これは、朝食と昼食にベビーフードを10〜15瓶ほど食べるというものです。

「危険だとは言いませんが、明らかに深刻なカロリー制限です。ベビーフードはひとつの瓶につきおよそ30〜70kcalで、タンパク質も、健康的な脂肪も、わずかしか含まれていません」と、リッツォさんは話します。

この種のダイエットを行うと、間違いなく、その食べているものに心底飽きてくるし、タンパク質や脂肪などの主要栄養素も不足してしまうとのこと。

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訳/Maya A. Kishida

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