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牛乳を飲むと早く痩せる? ダイエットを成功に導く、カルシウムの秘密

2019/01/09 20:00 投稿

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ダイエットを成功させるには、体脂肪量を減らしながら筋肉を維持、増加させなくてはなりません。

そこで、京都光華女子大学 健康栄養学科教授の廣田孝子先生がすすめるのが「夕食前に牛乳を飲む」こと。体重が減るスピードが早くなるという、牛乳のうれしいダイエット効果についてうかがいました。

牛乳で体重が落ちるペースがアップ

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日本の若い女性は、BMI値が低くても筋肉量が少なく、逆に体脂肪率が高い傾向があるといわれます。その原因のひとつが、間違ったダイエット法。

かつてはダイエットをすると余分な脂肪から減っていくと考えられていましたが、今では「減量すると、まず筋肉が減って脂肪は減りにくい」ことが明らかになってきました。無理にダイエットしても簡単にリバウンドを起こし、痩せにくい体質になってしまうのはこのためです。

そこで廣田先生が、ダイエットドリンクとしてすすめるのが牛乳です。廣田先生は、女子学生100名を2群にわけ、夕食前に毎日200ミリリットル以上の牛乳を摂取する群(52名)と、それ以外の対照群(48名)にわけて4ヶ月間のダイエットを実施(※)。ダイエット開始から1ヶ月後に計測したところ、牛乳群では体重が落ちるペースが早かったといいます。

また、4ヶ月後には両群ともに体脂肪率が減りましたが、対照群ではマイナス0.4キログラムだったのに対して、牛乳群ではマイナス1.2キログラムと体脂肪量がより多く減っていました。そのなかでも牛乳を毎日200ミリリットル以上摂った人(22名)は、体脂肪量がマイナス約2キログラムとより多く減少し、筋肉が約1キログラム増加していることがわかったのです。

※ダイエット期間中の1日の牛乳摂取量は、牛乳群では平均198ミリリットル±85ミリリットル、対照群では71ミリリットル±70ミリリットル。1日のカルシウム摂取量は牛乳群では平均557ミリグラム±248ミリグラム、対照群では382ミリグラム±143ミリグラムで、運動量や歩行量には差は見られなかった。

「カルシウムパラドクス」がダイエットを成功させる

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体重の落ちるペースが早くなり、体脂肪量も約3倍多く減少するなど、明らかな変化が見られた牛乳の摂取。なぜ、牛乳を飲むとダイエットが成功しやすくなるのでしょう?

キーワードは「カルシウムパラドクス」。廣田先生いわく、食事から摂取するカルシウムが増えると、脂肪細胞内のカルシウムは逆に低下するという「カルシウムパラドクス」が起こります。その結果、脂肪細胞内の脂肪が合成されにくくなり、同時に脂肪が燃えやすくなるのだそう。

小魚や野菜などほかの食品に含まれるカルシウムにくらべて、牛乳に含まれるカルシウムは、食品中でもっとも吸収されやすいということもポイントです。

筋肉を維持して痩せやすいカラダに

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カルシウムの吸収率だけではありません。廣田先生によると、牛乳がダイエットに適している理由は、ほかにも4つあるとのこと。

牛乳に含まれるたんぱく質が、筋肉の材料になる:筋肉の材料であるたんぱく質が補給されるため、筋肉が減少せず、体脂肪を落としながら痩せやすいカラダに。また牛乳のたんぱく質は筋肉や骨の合成を活発にさせる成長因子(IGF-I)を上昇させる。 牛乳が満腹中枢を刺激し、食べすぎが抑えられる:牛乳に含まれるペプチドのうちのいくつかは満腹中枢に作用すると考えられる。エネルギー摂取が多くなりがちな夕食の前に牛乳を飲むことで、食べすぎを防止できる。 ほかの食品にくらべて、牛乳は摂取量を明確にコントロールしやすい 牛乳摂取群はダイエットの効果を早く実感できる:「私たちは同様の食事調査を20年以上にわたり実施していますが、例年のどの対象者でも牛乳摂取群のほうが体重が早く減少します。この理由は、明確にはわかっていないのですが、モチベーションの維持に貢献していることは予想されます」(廣田先生)

また、牛乳をたくさん飲むと、脂肪の摂取量が増えると思われる方もいるかもしれませんが、試験期間中の栄養摂取量を調べたところ、牛乳摂取群と対照群では、脂肪の摂取量に差がないことがわかりました。ほかの研究でも、牛乳は乳脂肪が含まれているにもかかわらず、体重増の原因にならないことが示されているとのこと。

ダイエットにおすすめの牛乳は、食材のひとつとして簡単に料理に取り入れることもできます。ぜひ下記のメニューを参考にしてみてください。

さばのミルクカレー

ルーの代わりにカレー粉を使ってカロリーダウン。香味野菜と牛乳が、さばのクセを和らげて食べやすくします。

<材料 1人分>

さば水煮缶 1/2缶 ミニトマト 4個 玉ねぎ 1/4個 しょうが 1/2片 にんにく 1/2片 オリーブオイル 小さじ2 牛乳 1/2カップ カレー粉 大さじ1/2〜1(お好みで) ケチャップ 小さじ1 塩こしょう 適量 ごはん 1膳分

(610キロカロリー、たんぱく質28グラム、カルシウム400ミリグラム、塩分1.6グラム )

<作り方>

ミニトマトは半分に切る。玉ねぎ、にんにく、しょうがはみじん切りにする。 鍋にオリーブオイルとにんにく、しょうがを入れて炒め、香りが上がったら玉ねぎを加える。玉ねぎに火が通ったらカレー粉を加え、玉ねぎにしっかりなじむまで炒める。 ミニトマトを加え、水分が出てくるまで炒めたら牛乳を加えて、ひと煮立ちさせる。 さばとケチャップ、こしょうを加え、ひと煮立ちさせて塩こしょうで味を調える。ごはんにかけていただく。

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廣田孝子

京都光華女子大学 健康科学部 健康栄養学科教授。医学博士・管理栄養士・健康運動指導士。

大阪大学大学院医学研究科博士課程(栄養学専攻)修了(医学博士)。米国ボストン大学医学部(生化学部門)研究員、米国国立衛生研究所(NIH)研究員、辻学園栄養専門学校教授・中央研究室室長を経て現職。日本栄養改善学会 学会賞受賞、厚生労働大臣表彰。著書・監修に 「栄養がわかる 体によく効く食材事典」(学研)、「クスリに負けない最適食材&最良レシピ」(ワニブックス)、「若く見られる人はほんとに若い!老化を防ぐ食事法」(中央公論新社)。

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