フィジカルトレーナーの第一人者である中野ジェームズ修一さんに、“ヒップアップの正攻法”をうかがう短期連載。第2回はヒップアップが難しい理由を分析しつつ、自宅でできるワークアウト:レベル2を教えていただきます。
おしりは女性より男性のほうが上がりやすい
image via Shutterstock海外女性と同じ方法では、日本女性のヒップは上がらないと語った中野さん。そもそもヒップというパーツ自体、部分トレーニングが難しい場所であると話します。
「ヒップについている皮下脂肪は、座ったときや転んだときに、骨盤のクッションとなるためのもの。とくに女性は骨盤のなかに子宮があるので、子宮を保護するために腰からお尻にかけて皮下脂肪が厚くなります。
いっぽうヒップの筋肉は、皮下脂肪の下についている。分厚い座布団の下を鍛えているようなもので、一生懸命トレーニングしても違いが出にくいのです」(中野さん)
うらやましいことに男性は、男性ホルモンのおかげで筋肉が肥大しやすく、比較的ヒップアップが簡単なのだそう。男性ホルモンが少ないため筋肉が肥大しにくく、ヒップの皮下脂肪のせいで筋トレの成果が表れにくい女性にとって、ヒップアップはかなりの難題だということがよくわかります。
“ヒップアップ”ワークアウト・レベル2
日本人女性のヒップアップは難しいけれど、あきらめることはありません。
中野さんが“ヒップアップ”の正攻法として教えてくれたのは、おしりが上がって見えるよう骨盤を前傾位に戻し、そのうえでヒップ周辺の筋肉を鍛えるというメソッドです。
レベル1でご紹介した大臀筋に続き、レベル2では太ももの裏側にあるハムストリングスを伸ばしていきます。ここを柔軟にすることで、後傾気味の骨盤が前傾位に。自然とヒップラインも上がって見えますよ。
マットを使ったハムストリングスのストレッチ
1.右脚を曲げて座り、左脚を前に伸ばす。左足首を少し起こし、つま先を左手で持つ。背筋はできるだけ伸ばす。伸びを感じたら、息を吐きながら20~30秒間キープ。
2.反対側も同様に行いましょう。
椅子を使ったハムストリングスのストレッチ
1.椅子に浅く腰掛け、右脚を前に伸ばす。つま先を右手でつかむ。伸びを感じたら、息を吐きながら20~30秒間キープ。
2.反対側も同様に行いましょう。
ストレッチでカラダの裏側をほぐしたら、いよいよヒップの筋肉にアプローチ。第3回では腸腰筋を鍛え、骨盤を前傾位にキープするトレーニングをご紹介します。
『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP社)
運動指導のプロが教える、医学的に正しい最強の運動法。時間がなくても続けられ、確実に成果が出せるやり方を解説した、運動が苦手な人こそチェックしたい一冊です。
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中野ジェームズ修一さん
スポーツモチベーションCLUB100最高技術責任者、PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー、米国スポーツ医学会認定 運動生理学士(ACSM/EP-C)フィジカルを強化することで競技力向上や怪我予防、ロコモ・生活習慣病対策などを実現する「フィジカルトレーナー」の第一人者。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球の福原愛選手やバドミントンの藤井瑞希選手など、多くのアスリートから絶大な支持を得ている。2008年の伊達公子選手現役復帰にも貢献した。2014年からは、青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当。早くから「モチベーション」の大切さに着目し、日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナーとしても活躍を続けている。自身が技術責任者を務める東京神楽坂の会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB 100」は、「楽しく継続できる運動指導と高いホスピタリティ」が評価され活況を呈している。主な著書に『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ』(徳間書店)などベストセラー多数。2018年10月に新著『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP社)を刊行。
中野さんが教えてくれたヒップアップと痩せるコツ
脂肪を燃焼しても、筋肉には変わらない【痩せるカラダを作る方法】
撮影(メソッドパート)/中山実華