首や背中が痛むのは、猫背や前かがみの姿勢のせいだと結論づけるのは簡単ですが、それは短絡的すぎます、と南カリフォルニア大学で臨床理学療法学を教えるエリック・ロバートソン准教授は言います。
「少しの間、前かがみの姿勢でいても問題はありません」と彼は言います。「変な姿勢や体勢をしている人はたくさんいますが、痛みは伴いません。誰かが痛みを感じると言ったときに、姿勢を見て『あ、それが原因ね』と簡単に結論づけてしまうのです」。さらに、ロバートソン准教授によれば、痛みと姿勢を関連づける研究結果はないそうです。
ではなぜ、こんなにも痛むのでしょう? 答えはシンプルです。もしかしたら、十分に動いていないのかもしれません。
痛みは、筋肉の衰えやこわばりが原因で起こります。「起きてから1日中ずっと頭を動かさなかったら、と想像してみてください。1日の終わりには、頭を右にも左にも動かせなくなっているでしょう。筋肉が固くなり凝ってしまいます」とロバートソン准教授は言います。車やデスクで座っているときも同じです。背中を丸めたり、前かがみになったりするのがいけないのではありません。ずっと座っているだけ、ということが問題なんです。
解決方法は、関節を毎日しっかり動かしてあげること。「どの関節も動かせる範囲というのが決まっています。その可動域をめいっぱい、頻繁に使ってあげると関節が喜びます」とロバートソン准教授。「古くから行われてきたヨガも、幅広い動きを取り入れていますよね」。
image via shutterstock背中や首がズキズキしてきたら、頭、肩、背中をしっかり回して伸ばしましょう。痛みが悪化するのを予防できます。さらに、定期的にストレッチする習慣をつけるといいでしょう。ストレッチのよさについては皆さんご存知かと思います。腰、ヒップ、股関節、首のストレッチにトライしてみてください。
痛みが長く続く場合には、理学療法士に診てもらうのがいいでしょう、とロバートソン准教授はおすすめします。「ケアは個々に合わせて行います。ですので、治療の強度は問題の深刻さによって異なります」と彼は話します。「受動的な治療よりも、パートナーとしてパワーや自信を与えてくれる人に診てもらうことが、成功への重要な鍵です」。
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訳/Seina Ozawa