ヴィンヤサ、クンダリーニ、カトナってなに? ヨガはヨガじゃないの? と思っている方もいると思います。でも、ダンスにバレエやタップやメレンゲなどいろいろなスタイルがあるように、ヨガにもさまざまな種類のスタイルがあります。
これは求めるものが人によって異なり、ヨガは画一的なものではないからです。「ひとりのヨガ講師・ひとつのヨガスタイルが、すべての人にぴったり合うということはありえません」とニューヨークのブルックリンのスタジオMala Yogaの共同設立者で、認定ヨガインストラクターのステフ・クリアチュロさんは言います。
代表的なヨガ10種類
正しいヨガクラスや講師を見つけるのは、デートのようなもの、とクリアチュロさんは言います。スケジュールに合わせてヨガクラスを選ぶのは簡単ですが、時間をかけて(プラス少しの試行錯誤も必要)自分に合ったものを探す価値はあります。
クリアチュロさんのおすすめは、自分にいくつかの質問をしてみること。「ヨガに興味を持った最大の理由ふたつとは?」「言葉で学ぶのと視覚的に学ぶのでは、どちらが得意?」友人や地元のヨガスタジオにも聞いてみるといいでしょう。
今回は最も人気なヨガ10種類をご紹介します。
01. ヴィンヤサヨガ
image via shutterstockヴィンヤサはダイナミックで流動的な、動きのあるメディテーションです。
インストラクターが組み合わせたヨガポーズを連続して行っていきます。ひとつひとつの動きが呼吸と連動し、心拍数を上げています。「動くのが好きという方におすすめです」とクリアチュロさん。
ただし、ヨガ経験がないと難しいとも忠告します。ヴィンヤサでは同じポーズを長くキープしないため、基礎が身についていないとついていけないかもしれません。「無理して早い動きのクラスに挑戦してしまうと、怪我につながります」と彼女は言います。
02. リストラティブヨガ
image via shutterstockヨガクラスの最後の15分に待っているシャバーサナ(屍のポーズ)が楽しみで仕方がないという方に、クリアチュロさんがおすすめするのがリストラティブヨガのクラス。「スローなヨガに分類されます」とクリアチュロさん。
深くリラックスするのがこのクラスの目的です。そのため、ボルスターやブランケットやブロックなどさまざまな小道具を使って体を支え、同じポーズを5~10分間キープします。この方法は副交感神経を活性化させるので、体が休まり、消化が促されます。
03. アイアンガーヨガ
image via shutterstockアイアンガーヨガは、情報量が非常に多いクラスです。このクラスでは流れるようなポーズはありません。代わりに、ひとつのヨガポーズをじっくり細かく行います。
ブロック、ストラップ、ブランケット、椅子、さらにはロープウォールまで使って、ポーズの構造やアライメントへの理解を深めていきます。
「痛み(特に背中の痛み)のある人や治療を受けている人にも最適なアプローチです」とクリアチュロさんは話します。また、各ポーズをしっかり導入したい初心者や、しばらく体を動かしてなかったという方にもおすすめです。
長い1日の疲れを取るには、こちらのヨガシークエンスを試してみてください。
04. ハタヨガ
image via shutterstockハタヨガでは基礎をしっかり行うため、スローなヨガを始めるのに適しています、とクリアチュロさん。「ヨガにおけるチキンスープのような感じです」と彼女は言います。
「ヨガのすべてがちょっとずつ盛り込まれています。ヴィンヤサより落ち着いていますが、リストラティブよりは動きます」。ポーズを流れるように連続して行い、各ポーズで数回呼吸をします。しばらく動いていなかった方や、最近ヨガを始めたばかりという方に、クリアチュロさんがおすすめするヨガです。
05. ビクラムヨガ/ホットヨガ
image via shutterstockヨガクラスとはどんなものかを知りたいのなら、ビクラムがおすすめです。レッスンでは毎回、ビクラム・チョードリー氏が考案した26種類のポーズシークエンスとふたつの呼吸法を行います。スタジオは温度40度、湿度40度に設定されるため、大量の汗をかきます。どのビクラムスタジオも同じプログラムで進むため、旅行先でも参加しやすいクラスです。
ただし、ホットヨガクラスは少し異なり、さまざまなヨガシークエンスを取り入れています。たとえば、ニューヨークのY7 Studioではレッスンを赤外線サウナの部屋で行いますが、ビクラムの26のポーズは行いません。代わりに、インストラクターが教える3つのヨガフローを、各々自分のペースで繰り返します。お好みでポーズを変えても構いません。
ビクラムやホットヨガが初めてという方は、熱さと激しい動きが組み合わさる難しいクラスなので、無理をせずに行ってください。また、温かさで体が柔軟になったように感じますが、自分の限界を超えて頑張りすぎないよう注意しましょう。
06. 陰ヨガ
image via shutterstock暖炉のそばで毛布にくるまるような穏やかなヨガを求めている人は、陰ヨガクラスに参加してみてください。
「神経系を落ち着かせるとてもいいヨガです。常に頭がいっぱいでバタバタしている方も、頭のなかにあるさまざまなことに向き合うことができます」とクリアチュロさん。動きの早いヴィンヤサフローとは真逆のクラスです。
同じポーズを数分キープするため、メディテーション要素が強く、筋肉だけでなく、より深いところにある結合組織や筋膜などにもはたらきかけていきます。
07. アシュタンガヨガ
image via shutterstockダイナミックなアシュタンガは、運動神経に自信のあるヨガ好きにおすすめ。「クラシカルなスタイルで、セットシークエンスを行います。同じことを何度も繰り返すことが好きな人に最適です」とクリアチュロさん。ヴィンヤサと同じように、ポーズの動きに合わせて呼吸し、体内温度を上げていきます。
アシュタンガヨガのクラスは2種類あります。レッドクラスでは講師がシークエンスをリードし、指導していきます。マイソールクラスではそれぞれが個別にシークエンスを行い、自分のヨガを確立していきます。
どうしていいかわからないという方も心配はいりません! 教室に講師がいますので、必要なときには手助けしてくれます。
08. クンダリーニヨガ
image via shutterstockエネルギッシュでスピリチュアルなヨガを体験してみたいという方には、クンダリーニヨガが合うかもしれません。
典型的なヨガクラスの要素がすべて組み込まれていますが、クンダリーニは目指すところが違います。ヨガポーズ、唱和や歌、メディテーション、呼吸法を組み合わせて、自分のなかにある創造的なエネルギーをとらえ、それをチャクラのある背骨に沿って昇らせていき、自己意識を覚醒させます。
「内面に意識を向けたヨガを行いたいという方向けです」とクリアチュロさん。「すばらしいメリットがありますが、普通のヨガとは少し違う経験になることを心得る必要があります」。
09. マタニティヨガ
image via shutterstock名前の通り、マタニティヨガは妊娠中の方向けのヨガですが、それだけではありません。このクラスでは優しいポーズシークエンスを行いますが、関節可動域を広げ、背中や腰など問題の起きやすい部位の痛みを軽くする効果もあります。
マタニティヨガを教える資格を得たインストラクターが、妊娠の段階に応じてポーズを修正してくれます。多くのスタジオでは、レッスンのはじめに参加者が抱える問題や心配事について共有する時間を設けており、互いにサポートし合う重要なコミュニティの場にもなっています。
10. カトナヨガ
image via shutterstockカトナヨガは、今ヨガの世界で人気急上昇中のスタイルです。典型的なクラス形式ではなく、ワークショップのような形式で行います。
インストラクターはさまざまな道具やハンズ・オン・アジャストメントを使って、たくさんのポーズを指導します。ポーズをとりながら骨や関節の構造やアライメントについて理解を深め、体作りにどう関わっているのかを学んでいきます。
また、このヨガでは道教や漢方の要素も取り入れています。
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