死んだあとの経験を語ってくれる人は誰もいません。それが未知であるからこそ、人は恐怖を覚えるのでしょう。
道元禅師の『正法眼蔵』の中に「生死(しょうじ)の巻」という巻があります。そこには薪と灰のたとえが記されています。薪のときは薪としての存在があって、灰になれば灰としての存在がある。つまり薪と灰はまったく別世界のものである。どちらも絶対的な存在であるのだと説いておられる。
道元禅師が教えていることは、生きているときにはいたずらに死を恐れず、ただ今生きているということのみに目を向けなさいということなのです。今生きていることに感謝し、やるべきことを必死になってやっていけばいいということです。
曹洞宗 徳雄山 建功寺の住職・枡野俊明さんによる著書「人生でいちばん大切なこと」。読むと心がすっと軽くなる、そして気持ちがきゅっと引き締まるこの本から、一日一言をお届けします。
【出典】
「人生でいちばん大切なこと 死ぬとき後悔しないために」
枡野俊明
(廣済堂出版)
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