考えてみると、20世紀の間に平均寿命が30年も伸びました。5000年の人類の歴史のなかでも素晴らしい成果となったのです。
いまや「100歳以上まで生きるのは稀」とは言えないくらい。1990〜2000年にかけて、100歳以上の人口は51%も増えたのです。
どうやってこのような飛躍ができたのでしょうか。大きいのは健康、教育、病気予防と治療の進歩。でも、何気なく行っている毎日の習慣や、過去におかれていた環境も、人生の長さや健康に関係しています。みれからも長く生きられるというサインと、軌道にのるためのコツをお教えいたします。
お手伝いさんがいない人
掃除機をかけたり、床のモップがけをしたり、窓ふきをしたり。そうした家事を1時間以上するだけで、約285キロカロリー燃やせます。
70歳代〜80歳代の302人を調べた研究によると、死亡のリスクも30%下げられることがわかりました。
脚を鍛えている人
下半身の強さイコール身体のバランスのよさ、柔軟性、耐久性につながるのです。年をとるにつれて、転倒、ケガ、とくに大腿骨頸部骨折のリスクを低下させるために足腰の強さが大切になってきます。「高齢になると、身体の虚弱を予測するためには、太ももの筋肉が弱くなっているかでわかるくらいです」と、ニューヨークシティーの国際長寿センターの責任者で医師のロバート・バトラーさん。 『いつでもどこでもエクササイズブック』の著者、ジョアン・プライスさんによると、太ももの筋肉を強くするには、壁に背を当てて空気いすの姿勢をとるとよいそうです。そうすることで大腿四頭筋を鍛えることができます。膝の位置はつま先よりも後ろ。そのままキープします。毎日やって、毎回数秒でもキープの時間を延ばすのです。
パーティー好きな人
スウェーデンのカロリンスカ研究所が行った78歳以上の男女500人以上を対象にした最近の研究によると、社交的な人は認知症を発症するリスクが50%になっていたのです。対象となった人は、自分自身はストレスが少ないと考える傾向がありました。
研究者は、“ストレスホルモン”と呼ばれるコルチゾールの量が少ないために、認知症になりにくいのではないかと推測しているのです。コルチゾールが過剰に分泌されてしまうと、脳細胞と脳細胞との間のコミュニケーションが邪魔されてしまう可能性があるのです。
科学的に裏付けられたコルチゾールを減らす方法:メディテーション、紅茶を飲む、昼寝をする。
前向きに生きようとする人
アメリカ心理学者の研究では、アメリカ人の17%は、人生に前向きな見通しをもって、使命感やコミュニティを持つような人です。10%を占めている自己肯定感の低い“無気力な人”よりも健康になります。多くの人は、その両方の中間くらい。
「人生の意味を見つけようと努力することが大切です。長寿地域として知られている、イタリアのサルデーニャ島や日本の沖縄では、懸命に働くことも重要ですが、家族と過ごし、心を満たして、他者のために尽くすことが大切と考えられています」と、エモリー大学社会学教授、博士のコーリー・ケイズさん。
実年齢より感覚として、13歳以上若く感じている人
70歳以上の男女500人以上を対象とした最近の調査で、健康を保っている人がこういう実感を持っているのです。「若々しい気持ちを持っていれば、健康的に長生きすることができるのです」と、ミシガン大学心理学教授、博士のジャッキー・スミスさん。
「楽観主義とチャレンジするモチベーションは、ストレスを軽くしてくれ、免疫力を強くしてくれます。最終的には病気のリスクを低下させてくれるのです」(ジャッキーさん)
チャレンジができる人
真面目さに欠けている人と比べて、チャレンジしている人は、アルツハイマー病のリスクが89%も低くなるのです。これはふたつの研究からわかりました。研究の代表を務めた、シカゴにあるラッシュ大学医療センターの神経科学、心理学の教授、博士のロバート・S・ウィルソンさんいわく、「目標に集中できる人は、脳の力をうまく引き出せる人なのです」。個人的な目標やキャリアのゴールを設定して、決まった期間での達成に挑戦するのです。
脳を刺激するためにも新しいことに挑戦します。例えば、いつもフィクションを読んでいるとしたら、かわりに自叙伝を読んでみるように。翌日は、読んだことから学んだ3つの事実を思い出すようにします。
本当に大切な友達がいる人
「人間関係が良好だと、ストレスにも強くなります」と、チェダークレスト大学心理学准教授、博士のミカ・サディーさん。支えてくれる人がいれば、精神的、肉体的に健康を保てるものなのです。
ある研究によると、ストレスにさらされ続けると、免疫系が弱くなり、細胞も老化が早くなるというのです。最終的に寿命は4〜8年縮んでしまうということ。誰でもいいというわけではありませんが、「気の置けない友達が必要なのです」(サディーさん)。
健康な友達がいる人
世界的な医学誌『ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』誌に掲載された研究によると、親友が太っていると、自分まで太っている可能性が57%も増えるそう。「健康なライフスタイルを保つには、似たような人と接するのが大事」と、研究の代表者で博士のニコラス・A・クリスタキスさん。
ダイエットに取り組むグループに参加したり、チャリティのためのウオーキングの活動に加わったりすると、いいことがあるかもしれません。
大学生を1年でも経験している人
ハーバード大学医学部の研究によると、たとえ大学1年までだったとしても、大学に入っていると、大学に入っていない人と比べて18カ月長生きしているそう。なぜかといえば、多くの教育を受けると、喫煙の可能性が低くなるからなのです。
実際、アメリカ疾病対策センターによると、高校教育以下の人の喫煙率は35%なのに比べて、大学学部卒の大人の喫煙率は10%にとどまるのです。
流行しているテクノロジーを受け入れられる人
毎年、アメリカの100歳以上を対象とした調査をしている、エバーケア社のシニアディレクター、シェリー・スネリングさんによると、「脳細胞を若く健康に保つためにツイッターやスカイプを学ぶのが大事」ということ。
電子メールを送って、疎遠な友達をグーグル検索して、オンラインでデートに誘うという強者も。最新のテクノロジーを使用すると、精神も元気になり、社会的なつながりも増えます。「家族や友達ともやりとりが増えて、イベントにも参加するようになる。それで、元気になって、絆も強くなるわけです」とスネリングさん。
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訳/STELLA MEDIX Ltd.
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