このように、注目を集める「眠り」ですが、意外とトラブルを抱えている方が多いはず。
そんな「入眠・睡眠トラブル」は、古代中国で生まれた経験医学(東洋医学)をベースに、日本独自に発展した「漢方」の世界では、大きく分けて3つのタイプに分類されます。
このタイプは、「中庸」を重んじ、あらゆる場面でバランスを重視する「漢方でいう症状」のこと。
そのバランスの崩れを正常に戻す改善策として、人間の五感に働きかけ、症状の緩和に即効性をもつ「香り」と、カラダの巡りの改善、そしてカラダの内側の変調を調えるのにうれしい漢方メソッドでもある「ツボ」をご紹介します。
【タイプ1】ストレス過多タイプ
残業続き、対人関係でイライラ
<漢方での症状>イライラして眠れない、夢をいっぱい見る 目が充血しやすい、声が大きく早口
<五臓(※)>ストレス・自律神経の働きに関与の「肝」
<香り>柑橘系でリフレッシュ+カモマイル・菊花で沈静 (ハーブティーでとりいれるのもおすすめ)
<ツボ>三陰交
【タイプ2】根っこがクヨクヨタイプ
生理前にネガティブ思考に陥りやすい、家にカギをかけたかしら?など、とても心配症な面がある
<症状>夜間に目が覚める、夢をたくさん見る、カラダがずっと重い、食欲があまりない、食が細い
<五臓>思考・思慮に関与し、元気のもと気をつくる『脾』&精神活動に関与の『心』
<香り>カラダの重ダルさをとり、気分を落ち着かせる パチュリとサンダルウッドのブレンド・リラックス効果の高い ラベンダー
<ツボ>神門&大陵 (手首内側)
【タイプ3】エイジング、もしくは心身がボロボロタイプ
長期間にわたるストレスや残業過多の毎日で心身がボロボロ(私も経験者。プチ鬱症状で、32歳の時に会社を辞めることになりました)。または、加齢によるカラダの機能の衰えからくる睡眠障害など。
<症状>すぐに目が覚める、長時間眠れない、寝汗、足腰がダルい、更年期障害
<五臓>骨髄・脳髄、老化に関与の『腎』&精神活動に関与の『心』
<香り>檜や松の香りで生命力アップ、女性力アップのバラやゼラニウム
<ツボ>百会
そして、3つのタイプに効く万能ツボが「失眠(失う睡眠)」です。ぜひ、トライしてみて!
また、枕もとに置くと上質な睡眠へ誘う香りとしてオススメなのが、生理前、対人関係のイライラなど気持ちを静めるのにぴったりなアジアのカモミールと言われている「菊花」です。優しい自然の香りに、ホント癒されます。もちろん、睡眠前の一杯としてお茶で飲でもOK!
以下は、私が疲れた時やイライラした時に作る菊花を用いた薬膳茶です。
「菊花・クコの実・人参」のブレンドで、沈静と元気を与えてくれる薬膳茶。クコの実はPCなどで疲れた目・老化防止にも効果的ですよ。
※漢方でいう『五臓』とは、
「肝心脾肺腎」 を指し、具体的な臓器ではなく5つの生理機能を表したもの。例えば、『心』は、『心(しん)』の血液を循環させるポンプ作用とは別に、『心(こころ)』という精神活動の働きがあると考えられます。漢方の五臓は、知れば知るほど、自分のカラダのこと、そして、毎日の生活との関連性も見えてくるので参考になることばかりです。
★もっと、漢方を知りたいという方に朗報です!!
私が直接講師をする『はじめての漢方』お教室をスタートします。只今、受付中です。
詳しくは、ホームページへ
text by 余慶尚子(ビューティーコンサルタント/漢方養生アドバイザー)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
大手広告代理 店・外資系企業勤務を経て、2007年より美容家へ転身。女性が年齢を重ねるごとに、より魅力的に過ごせるライフスタイルを提案。 その柱として『美巡』(ビジュン)をポイントとしたオリジナルメソッドなどがあり、「漢方」と「美・健康」を絡めた内容が好評。ま た、広告宣伝・SP業務に長年携わっていた知識と経験を活かし、PRコミュニケーションアドバイザーとしても活躍中。著書に「美巡ブラシエステ」(中央公論新社)。
オフィシャルホームページ>>
オフィシャルブログ>>
■あわせて読みたい
・秋になって抜け毛が増えたかも……それならダイエットにもなる「頭皮活沙マッサージ」を!
・漢方養生アドバイザーが教える! 私が「漢方」の虜になったワケ
コメント
コメントを書く