「苦しかった感情をなかなか手放せない」
「自分がイヤなことばかり考えてしまって、そこから抜け出せない」
「どうしても、自分をいじめた相手のことばかり考えてしまい、恨みから抜け出せない」
「自分をいじめた人が幸せになっていることを思うと、嫉妬で気が狂いそう」
実は、こう思ってしまうことは不思議なことではありません。今回は、こうしてネガティブな感情に支配されてしまったとき、すぐに自分を回復させる方法についてお伝えしていきたいと思います。
大切なことは、まず、「それをしたくない」自分に気づくこと
実はネガティブな感情があることに気づいているからといって、ただネガティブな感情なくそうとするのは、実は間違いなのです。なぜなら、ネガティブな感情でさえも、それを「自分が持ちたくて持ったもの」ではないからです。
よく、「感情のコントロールをしましょう」という話がありますが、感情は本来、コントロールなんてなかなかできないんです。本当に死ぬほど苦しい思いをしてしまったとしたら、押さえつけようとしても、その気持ちが湧き上がってしまう……。それは、「心がある人間」として当然のことです。そこにブレーキをかけようとか、苦しく思わないようにしようなど思ったとしても、それは、無理な話です。
だから、こうしたことを、実はしなくていいんです。では、どうやったらこのネガティブな感情を変えていくことができるのでしょうか?それはたったひとつ、実はとても簡単なことでした。「私は、こんな気持ちを持って、こんな気持ちのまま生きたいわけではなかった」ということに気づくということです。
対処法は、自分を理解するという愛情。
例えば、人に嫌味を言ってしまったり、人を妬んでしまう自分がいる。こんな時は、妬んでいるな……苦しいな……ということを受け入れて抱きしめてあげる前に、
「本当はこんな思いをわざわざしたくなかった。にもかかわらず、こんな思いをするような苦しい状況に追い込まれてしまったんだ」
と、しっかりと「私はこんな思いをずっと抱えなければならないほど、過酷な環境に生まれなければならなかったんだ」と、被害者であることを感じてあげるのです。
「わざわざ、人に嫉妬するような人生を歩むのではなく、本当ならば、自分に自信を持って、私だって輝いて、愛されて、最初から楽に大切にされて生きていたかった。
でも、それができないくらい、過酷な状況に居なければならなかったんだ。子供だったからこそ、そこから逃げることもできなかった。
その結果、私はその環境で必死に生きることしかできず、そこに適応することでしか生きられなかった。不幸でいることや、否定されることが当然だと受けいれるしかなかったんだ。そして、そのまま大人になってしまった……。そして、嫉妬や自己否定や諦め、憎しみ、苛立ち……こうしたネガティブな想いにまみれて生きることになってしまった。
そして、そのまま大人になってしまった……。そして、嫉妬や自己否定や諦め、憎しみ、苛立ち……こうしたネガティブな想いにまみれて生きることになってしまった。
でも、本当はそんなふうに生きたくなかった」
こうやって、はっきりと感じてあげることが大切です。
自分への深い愛が、自分を救う。
こうして一つ一つ、ネガティブな思いを持ちたくないのにネガティブな思いを持たざるを得なかった、その自分に対して理解を示してあげる、優しい言葉をかけてあげる、愛情を与えてあげる……。こうすることで、ようやく、自分に対して労りの気持ちや愛情、理解、承認といったポジティブな思いを持てるようになっていきます。
「ネガティブな想いを持ちたくないのに、そんなことを思うしかなかったんだね」
この言葉を自分に伝えているとき、私たちは決してネガティブな状態ではありません。自分という傷ついた存在を心から慈しみ、受け止めてあげようとする気持ちに溢れています。
こうしてほんの少し「気持ちの角度」を変えてあげるだけで、自分の中のネガティブな気持ちは変えていくことができます。ネガティブなことを思ってしまうたびに、「ああ、本当はこうしたいわけじゃないよね」と優しく包んであげる……。
許せない自分を許す、理解という愛。嫉妬する自分を許す、理解という愛。苛立つ、憎む自分を許す、理解という愛。
こうすることで、現実を、この「包み込む愛」にふさわしい、「理解される」「受け入れられる」「共感される」「味方になってもらえる」現実へと変えていってくださいね。
もっと自分らしく生きる