紅鳳菜(ホンフォンツァイ)、はんだま、金時草(キンジソウ)、水前寺菜(スイゼンジナ)。
実はこれ全部、同じ野菜の呼び名なんです。
葉の表面は緑、裏は鮮やかな紫色をしたユニークな野菜で、火を通すとモロヘイヤのようにヌルヌルとした食感が特徴。生産地域以外に住んでいる人にはとても珍しいものに思えますが、台湾では紅鳳菜、日本国内でも沖縄や南九州でははんだま、北陸では金時草、水前寺菜という名で食されている大変ポピュラーな野菜なのです。
貧血、老化、眼精疲労に効果あり!
この野菜が採れる地方では、昔から「血の薬」「不老長寿の薬」と称して、女性の病気や産後ケア、血のトラブルを解決するものとして日常的に食されてきました。
鉄分やマグネシウムをたっぷり含み、増血や止血、貧血に効果があるほか、紫の葉に含まれるポリフェノールは強い抗酸化作用を持ち、老化防止や眼精疲労の予防にも最適。アクが少なく食べやすいので、サラダや天ぷら、おひたしなど、レシピのバリエーションが豊富な点も嬉しいポイントです。
豊富にあるレシピの中から今回は、私のいる台湾で、女性たちが血めぐり対策に食べているレシピをご紹介します。
《麻油紅鳳菜》約3人分
材料:紅鳳菜(はんだま)約500g、生姜スライス1かけ分
純正黒ごま油、塩、調理酒(お好みで)それぞれ少量
(1).紅鳳菜は固い茎を取り除き、5センチ程度に切りそろえる。
(2).鍋にごま油と生姜を火にかけ、焦がさないように香りを引き出す。
(3).紅鳳菜を入れて炒める。
(4).塩、調理酒(お好みで)入れてさらに2~3分炒めて出来上がり。
ごま油はなるべく良質なものを使うのがポイントです。
九州以南なら今の季節が、北陸ならば秋が旬。生産地域でしかお目にかかれないレアな野菜ですが、挿し木で比較的簡単に増えるらしいので、株のまま入手ができればコンテナガーデンで育ててみるのもよさそうです。
vegetables in basket image via Shutterstock
(さとう葉)