大事な人を失うことは、状況がどうであろうとつらいこと

周りの誰かが事故や災害、暴力などにより、または予期せずに死亡した場合、日常は侵されます。心理療法士のトニ・コールマンさんによれば、その後の悲しみは、他のタイプの喪失よりも強く長くなる可能性が

あなたの知人が事故、自殺、自然災害、暴力行為、または突然の病気で死ぬと、あなたは完全に無防備になることがあります。このような予期せぬ死の直後、悲しみを感じ、ときに罪悪感や信じられない思いがわいてきます。アメリカ精神医学ジャーナルに掲載された研究によると、予期せぬ死を経験した人々は、心的外傷後ストレスまた他の不安障害のリスクが高まるそう。

フェイスブックのニュースから、地元の日常生活まで、私たちの周りには無関心に感じられる死も多いもの。予期せぬ死の後の感情を理解しても、悲しみを取り除けるわけではありません。でも悲しみのなか、自分の道しるべとして役立つかもしれません。

予期せぬ死のショック

高齢者が長期の病気で苦しんでいたならば、その死は深い痛みをもたらすかもしれません。でも、精神的、感情的に、そして生活のうえでも備えておけるだけの時間はあります。一方、突然の死には、その精神的な準備が何もありません。それは、文字通りどこからともなく出てきたかのよう。ショックのはずです。車にはねられた子供、旅行の帰りに飛行機の墜落で死亡した友人。この種の喪失は、最初は想像もできず現実味もないとコールマンさん。実際、遺族は当初、その人がいなくなったという事実を理解できないことも。

予期せぬ死によるショックはしばしば茫然自失の気持ちをもたらします。感情が凍ったかのように。「それが普通なのです」とコールマンさん。

彼女のアドバイスは自分に時間を与え、徐々に新しい現実に適応していくこと。例えそれが、愛する人がまだ生きているという不合理な考え方であっても。

「もし朝起きたとき、その人がここにいるふりをしたい、あるいはテーブルにその人の場所を作りたいなら、そうなさい。あなたはすべてを受け入れるようとする必要はありません。準備ができたらその時は来るもの

自分のせいにしてしまう

自責の念のため、「もしあのとき」というコーラスを繰り返すことも。もしあのときサインに気づいて何かしていれば、といったように。もしあのときあのお店に行くのを頼まなければ、あのとき信号のところにいなかったのに。もし彼が電話してきたとき、それに出ていれば。「それはあなたと、その死との戦いです」(コールマンさん)。死の状況によっては、本当は違うのに、自分の責任だと感じてしまうもの。

あるいはなぜその人が亡くなり、自分が生きているのかという疑問に取りつかれるかもしれません。この感情は無力感への自然な反応で、より壮大な意味でその人が亡くなった意味を理解する必要があることも。自分の責任ではないと折り合いをつけるには、時間がかかります。もし罪悪感に苦しんでいるなら、セラピストに相談することが助けになります。

悲しみの前に怒りを覚えることも

数年前に友人が、両親を車の事故で亡くしたとき、彼が表現した最初の感情は悲しみではなく怒り。その怒りは、田舎道沿いに停止標識を設置しなかった都市プランナー、暗闇のなか、飛ばしていた小さい車を見落としたドライバー、翌朝ではなく夜遅くに運転することを選んだ両親にすら向けられました。後から考えれば、怒りは悲しみよりも抱きやすかったのでしょう。傍から見て感情を抑えられないように見えても、「怒りを表に出すのは健康にはよいことです」(コールマンさん)。

怒りの強さはしばしば死の状況を反映します。恐怖と怒りは両立するのです。夫のケネディ元大統領を暗殺された1963年11月のジャクリーン・ケネディがそう。血が飛び散ったピンクのスーツを着替えるのを拒み、言いました。「あの人たちがジャック(夫)にしたことを見てほしい」。

怒りが薄れたとしても消えたわけではありません。「怒りを表に出すのと、忘れないことは、あなたにとって悪いことではありません」(コールマンさん)。

日々の用事に助けられる

予期せぬ死はコミュニティ全体に同情の輪を広げます。例えば子どもが亡くなり耐えられないとき、友人、恩師、隣人、コーチ、チームメイトらが一斉に同情の意思を示してくれることでしょう。

コールマンさんが遺族にアドバイスするのは、目の前の用事を優先すること。ショックを受けていて、学校に子どもを迎えに行ったり、電気代を払ったりするような、日々の雑用もこなせないかもしれません。もしそうなったら、適切な人を選び、頼ることを決め、そして生活における助けを受け入れます

「“渉外係”を持てばひとりの時間を守り、自分のほかの子どもとの生活を調整できるはず」(コールマンさん)。信頼できる仲介人を選べば、自分に余裕が生まれ、残りの仕事を軌道に乗せることができるでしょう。

予期せぬ死による不安感

暴力的か悲劇的なかたちで人が亡くなったとき、強い不安感か恐怖感を感じるのは普通。死の詳細が気になって仕方がない、時間の経緯ばかり気になってしまう、死の場面が心のなかで再生される、抑えられない、もしくは繰り返す悪夢です。

場合によっては、予期せぬ死は、本格的な不安障害を招きます。心的外傷後ストレス障害(PTSD)、パニック障害、うつ病もしくはそう病エピソード(とりわけ以前メンタルヘルスについて診断を受けた人で)など。まさにトラウマ。それはあなたの周囲の世界の安心感を揺さぶるかもしれません。根本的にやっかいなものです。

予期せぬ死の後の解決法

コールマンさんによると、喪失の形、死の詳細、故人との親しさ、あなた自身の生き方次第ですが、直後の悲しみの完全な解決法はないはず。「あなたはそれを受け入れられるかもしれません。でも完全に取り除くことはできないもの。悲しみはそれと共存するための進行中のプロセスです」(悲しみがうつ病へと変化する赤信号に気を付け、助けになる専門家を探します)。

自分のケアにベストを尽くし、日々の習慣を調整し、アルコールの量に気を付け、支えてくれる人を探せば、前進できます。1日1日、1時間1時間ごとに。

メンタルを大切に

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