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医師に聞く、腸内フローラをととのえる食事と生活習慣

2018/07/20 20:00 投稿

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「腸活」「腸内環境をととのえて健康に」など、私たちの美容と健康には、腸を元気にすることが欠かせません。ですが、便秘や下痢など腸のトラブルはだれしも経験したことがあるのではないでしょうか。

腸を元気にするためにとても重要なのが「腸内フローラ」です。腸内フローラをととのえるためのポイントを紹介していきます。

1. チェックリスト「あなたの生活習慣、悪玉菌増やしてませんか?」
2. 腸内フローラのバランスを整える食事
 └ 腸内フローラのエサになる「食物繊維」
 └ 腸内フローラをいいバランスへ導いてくれる「発酵食品」
 └ 便秘を改善するはたらきで知られる「乳酸菌 」
 └ アレルギー症状の改善が報告されている「ビフィズス菌」
 └ 善玉菌のエサとなる「オリゴ糖」
3. 腸を刺激する運動とは?
4. ストレスが腸に与える影響って?

あなたの生活習慣、悪玉菌増やしてませんか?

前編では、腸内フローラのバランスが崩れることによって起こる症状を紹介しました。こうした症状はどのような生活習慣から起こるのでしょうか。あなたの生活習慣が、悪玉菌を増やすようなものかどうかチェックしてみましょう。

不規則な生活を送っている 食事は外食orコンビニが多い 便通が毎日ない 夏でも手足が冷える 睡眠不足 お菓子やジャンクフードが好き 食事は短時間で済ませることが多い 運動をする習慣がない 休みの日は寝だめすることが多い お風呂に浸からずシャワーだけで済ませることが多い 甘い飲み物を飲むことが多い

チェックが多ければ多いほど、あなたの腸内は悪玉菌が優勢になっている可能性があります。さらに、普段の便の状態からも腸の健康状態を知ることができます。

そのポイントは、色、かたち、においの3つです。理想的なのは、黄色に近い黄土色でバナナくらいの形で表面がなめらかなものです。そして理想的な便はほぼ無臭です。

では、どのような生活習慣をすれば、腸内フローラのバランスを整えることができるのでしょうか。まずは食事の仕方からみていきましょう。

腸内フローラのバランスを整える食事

腸内フローラのエサになる「食物繊維」

腸内フローラにとって最も大事なのが、食物繊維です。食物繊維は「人の消化酵素によって消化されない食物に含まれる難消化性成分の総称」のこと。便秘解消に役立つ成分としても有名ですね。

昔は「食べ物のカス」といわれてきましたが、さまざまな効果がわかってきました。その一番のポイントが、腸内フローラのエサになっているということです。

食物繊維は、水に溶けない不溶性と、水に溶ける水溶性があります。不溶性の食物繊維は、水分を吸って大きく膨らみ、便のかさを増やすことで、腸のぜんどう運動を促してくれます。

一方、水溶性の食物繊維は、水を含むとゲル状になり、便の水分を増やしてやわらかくしてくれるはたらきを持っています。さらに、水溶性の食物繊維は、不溶性に比べて腸内フローラのエサになりやすく、腸内の有用菌を増やし、腸内環境を整えてくれることがわかっています。

便秘の人が食物繊維を摂ると、ガスが溜まってお腹が張り、苦しくなることがありますが、これは不溶性の食物繊維が多い場合に起こりやすくなるもの。便秘の人は、水溶性の食物繊維を意識して食べるようにするといいでしょう。

水溶性の食物繊維は、なめこなどのきのこ類や海藻、こんにゃく、アボカド、モロヘイヤ、オクラ、押し麦、切り干し大根などに多く含まれています。

腸内フローラをいいバランスへ導いてくれる「発酵食品」

腸内環境をととのえるために、注目されているのが発酵食品です。納豆や、お酢、しょうゆ、みそ、日本酒、漬物、ヨーグルト、チーズはすべて発酵食品です。これらの発酵食品は、製造される過程で生まれた発酵菌が、腸内フローラのバランスをいい方向へと導いてくれます

特に発酵食品のなかでも納豆は、納豆菌のほかに、水溶性の食物繊維やたんぱく質、ミネラルなどがバランスよく含まれている「栄養食品」ともいえるもの。

腸内環境の改善にはとても有効な食品で、最近話題となっている「デブ菌」を減らし「痩せ菌」を増やすはたらきも期待されています。

便秘を改善するはたらきで知られる「乳酸菌 」

ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌は、発酵食品のなかに含まれる細菌の総称です。最近では腸内フローラのバランスを改善することによって、健康によい影響を与える微生物=プロバイオティクスとして注目されています。

乳酸菌は、免疫機能の向上や、中性脂肪・血中コレステロールの低下といったはたらきや、腸内の腐敗を抑えたり、腸のぜんどう運動を助けて便秘を改善するはたらきなどが知られています。

アレルギー症状の改善が報告されている「ビフィズス菌」

乳酸菌が乳酸を作り出すのに対し、ビフィズス菌は、乳酸に加えて酢酸も作る細菌です。

ビフィズス菌は、乳酸菌と同じはたらきに加え、発がんの抑制やアレルギー症状の改善、脂質代謝改善効果などが報告されています。

善玉菌のエサとなる「オリゴ糖」

善玉菌のエサとなり、活動を活発化させてくれるのがオリゴ糖や乳糖といった糖分です。ビフィズス菌が好んで食べるものとして知られています。

プレーンヨーグルトに、オリゴ糖や、オリゴ糖が含まれるはちみつをかけ、食物繊維の豊富な果物と一緒に取るのは、腸内フローラをととのえる朝食として理想的です。

腸内環境を整える! 毎日の食事にかならず摂りたい食物繊維

日本人は腸内に有効な効果を持つ腸内細菌を持っているそう。それを有効に活用するためには食物繊維を摂ることが大事なのだそうです。 https://mylohas.net/2018/03/164236.html

腸を刺激する運動とは?

腸は、食事で内側からぜんどう運動を促す以外にも、外側からの刺激ではたらきかけることもできます腸を刺激する運動やマッサージを取り入れることは、便秘の改善にとても効果的です。ただし、腸のぜんどう運動が鈍くなっている人は、運動やマッサージに対しても最初はあまり効果は感じなくなっています。

また、運動には副交感神経を有意にしてカラダをリラックスさせてくれる効果もあります。

腸トレーニング1:体幹ツイスト

身体をひねる運動は、効率よく腸を刺激して、ぜんどう運動を促すことができます。軽くあしを開いて寝そべったら、上半身と下半身を逆にひねり、5秒ほどキープ。

腸トレーニング2:腹式呼吸腹筋

腰の下にクッションを敷き、手はクロスして肩に。脚を軽く開き、膝をまげて、基本姿勢を作ります。呼吸を止めないように意識しながら、20回を目標に、上体を少し浮かせます。

腸トレーニング3:さかさ自転車こぎ

仰向けになり、両腕で背中を支えて胴体を起こし、バランスをとりましょう。その姿勢のまま、30秒ほど自転車こぎの動作を行います。少しハードな動きのため、交感神経が高まってしまうので、夕食後30分たったころ行うのがおすすめ。

腸トレーニング4:腸ストレッチ

うつぶせになり、手で身体を支えながら、上体を起こし、できれば30秒ほどキープ。この姿勢で深呼吸すると副交感神経が高まるため、より効果的です。

肛門トレーニング1:またわり

脚を大きく開き、ひざを曲げて、腰を深く落とします。左右10〜15秒ほどキープしましょう。外肛門括約筋をはじめ、腹筋など下半身全体をはじめ、鍛えることができます。

肛門トレーニング2:肛門ツイスト

椅子の背もたれなどにつかまりながらしゃがみ、その姿勢のまま身体を左右にひねります。かかとをつけた方が深く身体をひねることができますが、難しい場合は浮かせた状態でもOK。

すべてを毎日行う必要はありませんが、毎日夕食後、おなかが落ち着いた後に5〜10分を目安に行なってみましょう。腸内環境を整え、体調もよくなってくるのを実感できます。

ストレスが腸に与える影響って?

緊張するとお腹が痛くなるという経験をした人は多いのではないでしょうか。腸は「第二の脳」と言われています。

私たちの脳がストレスを受けると、そのストレスからカラダを守るための防御反応が起きます。腸は、免疫細胞が作られる場所なので、ストレスによってその機能が乱れると、便秘や下痢を引き起こしてしまうのです。

緊張する場面で下痢や便秘を繰り返す病気が「過敏性腸症候群」です。脳のストレスが自律神経を乱し、便通異常を引き起こすと言われています。

ストレスを溜めないことはもちろん大事ですが、不規則な生活をしていると、活動をしているときに有意になる交感神経が過剰にはたらき、自律神経のはたらきが乱れてくることも。運動や入浴、マッサージなどでリラックスする時間を意識して作るようにしましょう。

>「医師監修の“腸内フローラ”基礎知識」については、こちらでおさらい。

参照元:『便活ダイエット~便秘外来の医師が教える、排便力がアップする11のルール』小林弘幸(ワニブックス)、『人生を変える賢い腸のつくり方−ココロまで整える腸内フローラ活性術』内藤裕二(ダイヤモンド社)

文/大場真代、イラスト/古荘風穂、『便活ダイエット』内転載イラスト/みやかわさとこ

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