寝る前にお茶にたらす、カプセルの形で飲む、電子タバコに入れるなど多くの使い方があり、うつ症状や慢性の痛みが軽くなる、深く眠れると言われています。CBDオイルは大麻草(カンナビス)から抽出されることが多いものの、薬物の「大麻(マリファナ)」のように「ハイになる(気分が高揚する)」作用はありませんし、もちろん「薬物常用者」だけが使うものでもありません。
「大麻草」は「アサ(麻)」とも呼ばれるアサ科アサ属の植物。英名「カンナビス」、学名「カンナビス・サティバ・L」と呼ばれています。麻の繊維をとるほかの植物、亜麻やジュートとは別物です。また世界的には、「マリファナ」というと「大麻草(カンナビス)」から作られた「薬物」だけでなく、この植物の名前である「カンナビス」の意味で使われる場合もあります。
でも、CBDオイルって正確にはどういうものなんでしょう? 一般的には大麻草の芽と花にある樹脂腺から抽出されますが、工業的には、「ヘンプ」からもとられます。(ヘンプは繊維をとるために品種改良した大麻草で、芽が小さく、テトラヒドロカンナビノール(THC:陶酔感をもたらす成分)濃度が0.3%以下)。抽出したCBDオイルは通常、MCT(中鎖脂肪酸)オイルなど別のタイプのオイルで希釈されます。
で、そのCBDオイルが一体どうしたというのでしょう?
まず、CBDオイルには幻覚作用はありません
大麻草には80種以上の活性カンナビノイド化合物が含まれ、それが体内の特別な「受容体」と相互作用して影響を与えます。中でもTHCは、精神に作用する主要なカンナビノイド。脳内のCB1受容体と相互作用して陶酔感や多幸感をもたらします。
でもCBDの場合、同じCB1受容体との相互作用がTHCの100分の1と弱く、たとえこれらの受容体と結合しても、THCのように思考や知覚に作用を及ぼすことはありません。
それでも、不正にラベル表示された製品には、相当な量のTHCが含まれている危険があります。次に、そのあたりを詳しく説明します。
アメリカでは、CBDオイルの合法性は州によって異なる
医療用または嗜好用のマリファナが合法な29州では、CBDオイルも合法。さらに17州(アラバマ、ジョージア、インディアナ、アイオワ、ケンタッキー、ミシシッピー、ミズーリ、ノースカロライナ、オクラホマ、サウスカロライナ、サウスダコタ、テネシー、テキサス、ユタ、バージニア、ウィスコンシン、ワイオミング)が、CBDに関して特別に法律を設け、THC含有量と使用目的に関してそれぞれ独自に規制しています(例えば、ミズーリ州では、てんかんの治療にのみ使用可能)。
研究によると、CBDオイルは本当に健康によさそう
アメリカ食品医薬品局(FDA)は、医療用として使用できるレベルのCBD製品、「エピディオレックス(Epidiolex)」の新薬承認申請を検討中です。この製品は、子どもが発症する2タイプのまれなてんかん、レノックス・ガストー症候群とドラベ症候群で起こる発作の治療に使われています。
さらに、動物実験と経験的証拠によると、CBDオイルは不安症や物質乱用障害から慢性痛、中枢神経系の病気にいたるまで、あらゆる症状の治療に効果があるかもしれません。いずれも有力な医学誌、ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)誌とランセット誌で報告された最近の2つの臨床研究では、ある種の発作を減らす効果があると証明されました。
とはいえ、人間を対象としたCBDオイルの研究はまだわずか。アメリカでは、カンナビノイドは規制物質法の「スケジュール1」(今のところ一般的に認められた医学的用途がなく、乱用の危険性が高い)に分類されていますから、カンナビノイドの研究・実験を行う場合は大量の文書を政府に提出しなければならず、とても多くの規制を受けることになります。
見た目通りとは限らないーーCBDオイルのラベル表示は不正が多い
現在、「CBDオイル」はドロッパー(スポイト)やカプセル入り、シロップ、お茶からローションやクリームなど、実にさまざまな形態で市販されています。でも、FDAはまだどのような目的でも、どのようなCBD製品も承認していませんから、CBD製品の生産、ラベル表示、供給は連邦規則の対象ではないわけです。
昨年、医学誌JAMA誌で報告された研究によると、インターネットで売られているCBD製品の3分の2以上が、ラベル表示より高いか低いCBD含有量でした。中には、相当な量のTHCを含むものも。
「現在手に入るCBD製品の安全性と信頼性は、生産された州しだいという部分もあります」と、アイオワ州ドレイク大学薬学・健康科学部臨床科学部の部長で教授のティモシー・E・ウェルティさん(てんかんの専門誌、エピレプシー・カレンツ誌で報告されたCBDに関する2014年の総説論文の共著者)。
「ミネソタ州やアイオワ州など、州政府がCBD生産を規制しているところでは、純度や含有量、強さについて製品を試験しているため、いくらか信頼できます。しかし、生産が規制されていない州では、CBD製品に何が含まれているか、明確に知る術はありません。研究によると、そのような製品には不純物や農薬、カビが含まれていたり、ラベルに表示されている量のCBDが含まれていなかったりする可能性があります」(ウェルティさん)
CBDの副作用も考える方がよさそう
昨年発表された世界保健機関(WHO)の暫定的な報告書では、「いかなる公衆衛生上の問題も......純粋なCBDの使用に関連しない」とされ、依存性や乱用の危険は示されていないと述べています。でも、実際に副作用の報告があるのです。先ほど引用したNEJM誌とランセット誌の2つの研究では、ウェルティさんによると、「最も多い副作用は吐き気、嘔吐、下痢、膨満感でした。しかし、(NEJM誌の研究では)参加者のおよそ10%で肝機能の変化が見られ、これは毒性を示す可能性があります。両研究で参加者のおよそ3%が、おそらくは肝臓障害のせいで、CBDを中止しなければなりませんでした」。
さらに、「CBDとほかの一般的な薬との薬物相互作用があることは明らかです。相互作用の中には、毒性やほかの薬の重大な副作用につながるものもあり得ます」(ウェルティさん)
まとめ:CBDについては、学ばなければならないことがたくさんある
CBDの健康効果に関する知識、そしてCBDの使用を承認、規制するための公的支援は増えつつあります。でも当面、いちばんの対処法はごく一般的なものでしょう。ラベルを注意深く読んで、リラックスする場合も慎重にすることです。
Lauren Oster/What Is CBD Oil—and Will It Really Relieve Your Chronic Pain and Sleep Problems?
コメント
そもそも大麻って変な使い方しなければ体にいいって十年以上前にジャぱんで聞いた
というか七味にも入ってるし
問題は持ち上げる人間がどう見ても乱用か悪用しそうなアレな人ばっかってことだね。
痛みを軽減、睡眠不足解消
これだけみたら麻薬のまんまな気も
(ID:18752673)
鬱病の治療薬SSRIも精神安定剤の類も麻薬相当(習慣性・乱用による危険性)に指定されたから、治療用ハッシッシも認められるだろうか。