一般的に頭皮乾癬ではピンク色〜赤色の発疹と銀白色のかさぶたができ、かゆみや痛み、焼けるような感覚を伴います。症状が重くなるほど、硬くなったかさぶたが指でも感じられて、頭をかくとはがれ落ちてきますし、出血や抜け毛があることも。そのため、人前できまりの悪い思いをする人もいます。頭皮の乾癬はうなじまで広がることがあります。
頭皮に乾癬ができると、身体のほかの部分にも乾癬が現れることが多く、症状は強くなったり、弱くなったりします。例えば、冬の間やストレスを受けたときなどには悪化しがち。
ほかのタイプの乾癬と同じく、頭皮乾癬も原因がはっきりしていないため、残念ながら根本的な解決法はありません。でも、症状を大きく緩和できる安全で効果的な治療法がたくさんあります。
シャンプーと治療液
とても軽い頭皮乾癬なら、「セルサン・ブルー」や「ヘッド&ショルダーズ」などのフケ用シャンプーが有効。でも、「軽度のフケより重い症状を改善するには、処方シャンプーが必要かもしれません」と、ニューヨークでボビー・ブーカ皮膚科医院を率いる皮膚科医のボビー・ブーカさん。
医師がすすめる処方薬レベルのシャンプーにはいくつか種類があります。昔はタールをベースにしたシャンプーがよく使われていましたが、臭いがひどいのと、染みになるため、今ではあまり処方されていません。コネチカット州の皮膚科医院、コネチカット・ダーマトロジー・グループの皮膚科医、ロンダ・Q・クラインさんがよく処方するのは、亜鉛か硫化セレン入りのシャンプー。それとステロイドを配合したシャンプーを交互に使います。抗菌剤をすすめる場合もあるそう。
乾癬患者のおよそ50%が頭皮乾癬です
処方シャンプーを使う頻度は?「最初は毎日使いますが、数週間〜数カ月たったら、2週間に1回か1カ月に1回でよくなるかもしれません」(ブーカさん)。
でも、注意点があります。クラインさんによると、「その人にいちばん向いている治療法を見つけるには、どんな風に髪を洗っているのか詳しく知ることが本当に大切なのです」。例えば、毎日髪を洗わない人なら、週に2、3回、寝る前に治療液を髪につけてそのまま眠り、翌朝髪を洗うという方法がよさそう。
経口薬
頭皮の治療で十分な効果がなければ、全身的な治療に進む可能性があります。頭皮乾癬には内服薬もあり、よく処方されるのはアプレミラストという薬。服用する頻度は週に1回から毎日2回まで薬によってさまざまです。
同じ頭皮乾癬の薬でも、メトトレキサートやシクロスポリンなどには重大な副作用が。「メトトレキサートは肝臓に影響しますし、シクロスポリンは腎臓と血圧に影響が出る恐れがあります」(クラインさん)
光線治療またはレーザー治療
週に2、3回、皮膚科医院に通って、「ナローバンドUVB」という光線療法を受ける方法があります(ほとんどの皮膚科医はもうUVAを含む「フルスペクトル光(赤から紫まですべての波長を含む光)」を使っていません。皮膚がんのリスクが高くなるためです)。ちょうど日焼けサロンのように、光で満たされた縦型のボックスの中に入るもの。クラインさんによると、「10〜12週くらい続けないと、最大の効果が得られません。多くの人は6カ月続けます。家庭用のライトボックス装置もあり、保険が適用されるように求めているところです」。頭皮に加えて身体のほかの部分にも乾癬がある場合は、一般的に言って光線療法がよい選択肢になります。
乾癬などの皮膚疾患の治療に使われる光線療法のブース光線療法のバリエーション:「光線が出るクシ(ブラシ)があります。UVBで照らしながら頭部をブラッシングするわけで、ステロイドを使わずに頭皮の炎症を抑えるひとつの方法です」(ブーカさん)
紫外線レーザーの一種、「エキシマレーザー」を使う方法もあり、週に2、3回皮膚科医院で治療。「乾癬箇所に集中した治療法で、かさぶたが目で見えるところにレーザーを当てますから、頭皮乾癬に向いています」(クラインさん)
生物学的製剤
ブーカさんによると、「生物学的製剤はこの10年間に皮膚科学と乾癬治療の分野に登場した最新の治療法です」。生物学的製剤を注射(注入)するのですが、その頻度はかなり間が空きます。2週間に1回とか、6週間や3カ月に1回のことも。ですからいちばん便利な方法です。普通は乾癬が身体中に大きく広がっている場合や、乾癬性関節炎を併発している場合にだけ使われます。「生物学的製剤はとても安全で、成功率は80〜90%です」(ブーカさん)。ただ、とても高価だという難点があります。自己負担費用は確認するのがよいでしょう。
家庭療法
いろいろな家庭療法を試してみたかったら、安全かどうかまず皮膚科医に相談する方がよいでしょう。効果については、軽い頭皮乾癬であれば少しは役に立つかも。でも、大きな効果を得るには、もっと強い薬剤や臨床的に証明された治療法が必要になりそう。
「鍼治療には立派な事例証拠が確かにあります。中国の漢方についても小規模ながらすばらしい証拠があります。近代の治療法が『重症の乾癬を一掃できると信じているか』と聞かれたら、その答えは『ノー』です。ホリスティック医学が『乾癬を大きく改善できると思うか』と聞かれたら、「確実に」と答えますね。瞑想、マッサージ、ストレスの緩和、鍼治療などを熱心に行えば、乾癬の症状がよくなるでしょう」(ブーカさん)
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