多くのアメリカ人は、1日に3,400ミリグラムのナトリウムをとっています。これは、健康的な大人に奨励される2,300ミリグラムを大幅に超えています。 私たちが摂取しているナトリウムの多くは、塩そのものではありません。パンや調味料、加工肉、加工食品などに含まれているのです。 高血圧や腎臓病、心臓病のリスクが高い人は、1日のナトリウム摂取量を1,500ミリグラム以下に抑えた「低ナトリウム食」をとるとよいでしょう。

ナトリウムのとりすぎが健康によくないのは、とっくに明らか。塩分の多い食事をとると、高血圧や心臓病、脳卒中などのリスクが高まると、多くの研究でわかっています。だからと言って、低ナトリウム食にするべきかどうかは、どうすればわかるのでしょう? そしてもし低ナトリウム食が必要なら、どれくらいナトリウムの摂取量を減らせばいいのでしょう。

その答えは、まさにケース・バイ・ケースです。健康な大人は1日のナトリウム摂取量を2,300ミリグラム以下にするべきですが、これはポテトチップス13袋分に相当。そう聞くととても多い量のようですが、平均的な大人のアメリカ人は、1日になんと3,400ミリグラムのナトリウムをとっているのです。

また、1日に2,300ミリグラム以内という制限は、すべての人に当てはまるわけではありません。高血圧や心臓病、その予備軍の人は、ナトリウムの摂取量をさらに減らすべきなのです。

どんな人が低ナトリウム食をとるべきか? そして、どうすればおいしく低ナトリウム食にトライできるのか? というわけで、さっそく見ていきましょう。

低ナトリウム食向きの人って?

1日のナトリウム摂取量を1,500ミリグラム以内にする「低ナトリウム食」は、万人向けではありません。1日の摂取量を2,300ミリグラム以内にきちんと制限していれば、大抵は大丈夫。「毎日の食事に、ある程度のナトリウムは必要です」(管理栄養士のエリン・パリンスキー・ウェイドさん)。

でも、もし次のグループに当てはまるなら、低ナトリウム食で健康状態がよくなるかどうか、医師に聞いてみるとよいでしょう。

血圧が高め(もしくはそのリスクあり)

もしも血圧が上130、下80より高いなら、血圧は高め。ナトリウムをとりすぎると血管の中に水分を引き入れることになり、その結果血圧が高くなって、心臓への負担が増加します。ナトリウムの摂取量を減らすと血圧の数値が改善し、心臓への負担がダウン。そうして循環器系の病気になるリスクを下げられるんです。また、51歳以上の人やアフリカ系の人、糖尿病の人は高血圧になるリスクが高いので、低ナトリウム食が向くかもしれません。

心臓病または肝臓病の人

塩分が多すぎる食事をとると体がむくんで、心臓病や肝臓病を悪化させることがあります」(アメリカ栄養士会で広報をつとめるクリスティン・スミスさん)

ナトリウムを多く含む食品とは?

レトルト食品や加工食品には、かなり多くのナトリウムが含まれています。アメリカ心臓病学会の調査によると、多くの人は、レトルト食品や加工食品から70%以上の塩分をとっているのだとか。言い方を変えれば、卓上の塩ビンからナトリウムをとっている訳ではないのです。「加工食品をとるのを減らし、ナトリウムが少ない物を選ぶと、ナトリウムの摂取量をぐんと減らせます」(スミスさんとウェイドさん)。

ナトリウムを多く含む食品とは、例えばこんなもの。

缶詰のスープ 調味料、だし汁、ソース類(とくに醤油) 加工肉 プロセスチーズ(チェダーチーズなど) 冷凍食品 ピザ

かしこい食事のヒント

「ナトリウムが多く含まれているからといって、加工食品がしょっぱいわけではありません。ナトリウムは保存料として用いられることが多く、味を調えるのにも使われます」(ウェイドさん)。だから、パンやシリアル、焼き菓子やデザートにも多くの塩分が含まれているんです。

まとめ:つねに栄養表示をチェックします。1食あたり400ミリグラム以上のナトリウムを含むものは、スーパーマーケットの棚に戻したほうがよいでしょう。

ナトリウムが少ない食品とは?

新鮮であまり加工されていない食品を選ぶのがベター。ほとんどの食材はもともとナトリウムを含まず、塩分は後から自分で加えた分だけなのです。例としては、

フルーツや野菜

生の物、もしくはソースや味を加えていない、シンプルな冷凍品を選びます。缶詰でもOKですが、塩が加えられてない物を選び、食べる前に冷たい水で洗います。

塩を加えずに調理した全粒穀物

キヌア、アワやキビ、玄米、オーツなどはすべて健康的なチョイスです。塩を使わずに穀物を味つけするには、タイム、粉コショウ、ローズマリーなどの新鮮なハーブを使います。炒めた野菜と混ぜてもOK。玉ねぎ、ネギ、マッシュルームなどは、風味をしっかりとつけるのに最適です。

塩やマリネ液で味つけされていない、脂肪の少ないたんぱく質

冷凍品や塩で味つけされていない貝や鶏肉、七面鳥の胸肉、赤身の牛肉、豚のヒレ肉、タマゴなどを食べると、腹持ちがよく、やがて筋肉になります。また、植物性の高たんぱく食品のチョイスもたくさんあります。

豆類やマメ科の食材

ナトリウムが無添加のものを選び、食べる前に洗えば、缶詰、箱詰め、乾燥させた物、すべてOKです。

低脂肪の乳製品

牛乳とプレーンヨーグルトはどちらもおすすめの食材。でも、チーズはすべてが同じ作り方ではないから、注意が必要です。ブルーチーズやフェタチーズ、そして、さけるチーズやチェダーチーズなどのプロセスチーズは塩分が高め。山羊のチーズ、モッツァレラチーズ、スイスチーズは塩分控えめです。

ヘルシーな脂肪分

ヘルシーな脂肪分は心臓によく、自然と減塩にもつながります。オリーブオイルやアボカド、生の無塩ナッツやシード類は、ぜひ食事に加えてほしい食材です。

食事からナトリウムを減らすには?

食料品店や家庭、外食先で簡単にできる減塩のステップがこちら。トータルすれば、塩分摂取量に大きな違いが出るはずです。

栄養表示をよく読む

その食品がどれだけナトリウムを含んでいるかチェックすれば、レトルト食品をやめなくても大丈夫。「ただし、1食あたりのナトリウム含有量が400ミリグラム以内になるように食材を選びます」(スミスさん)。

ナトリウムを少しずつ減らしていく

しょっぱい味つけに慣れている人が、急にそれをやめるのは大変。最初のうちは、食べ物がとても味けなくなりますよね。そこで、まず塩の量をこれまでの半分に。こうして、さらに塩分を減らす前に慣れる時間を作るんです。同じように、塩分ゼロのレトルト食品にする前に、塩分控え目の物で舌を慣らしていくとよいでしょう。

レストランでは賢くふるまう

「レストランの食事は、家庭料理より塩分が多くなりがち。だから、遠慮せずに減塩(または塩抜き)のリクエストをして、ソースやドレッシングを別添えにしてもらいます」(スミスさん)。そうすれば、テーブルで少しだけ味を足して食べられますよね。塩分ゼロのハーブミックスを使えば、ナトリウムゼロの食事をパッと簡単に作れます。


塩抜きで味つけをする

ウェイドさんは、生のハーブやスパイス、柑橘類の果汁、ショウガやニンニクを使った味つけをすすめています。ナトリウム抜きですばやく簡単に料理できる、塩分ゼロのハーブミックスを使ってもいいでしょう。

ベストな低ナトリウム食とは?

低ナトリウム食についてさらに詳しい情報をお探しなら、多くの医師が勧めるDASH食がいいかも(DASHとは、Dietary Approaches to Stop Hypertension、高血圧を解消するための食事法の略です)。DASH食では塩分を控えることに加え、生のフルーツや野菜、全粒穀物、低脂肪の乳製品をとることを重視します。それらにはカリウム、マグネシウム、カルシウムといった、血圧を下げるミネラルが多く含まれているのです。

Marygrace Taylor/How to Start a Low-Sodium Diet

訳/STELLA MEDIX Ltd.

RSS情報:https://www.mylohas.net/2018/07/170684low_sodium.html